月の国

ホムラ

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94 宰相

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「大変申し訳ないのですが、今、何ておっしゃられましたか?」

ギルドの受付嬢でウサギの獣人族サヤーカ嬢は、自分の長い耳を生まれて始めて疑ってしまった。

「サヤーカ嬢を私の宰相に任命します。
 これは、北の魔女王レモネードの命令です」

北の魔女王は、一時間以上の列を流暢に並んで、最後に自分の順番になった時にこう告げた。

横にいたブルームは、驚きすぎて声が出なかった。

レモネードが今日は用事があるから、ギルドに行くと突然言い出したので、ここへ来たのだが、まさかまさか。。。

これは、獣人族はじまって以来の大快挙である。

そこの場にいた獣人族達の冒険者は、全員が叫んだ。

中には、泣いている女の子の獣人族もいた。

ギルドは、てんやわんやの大騒ぎである。

{獣人族の中から宰相が出た}

今までの歴史の中で、一度もありえなかったことである。

誰も不思議に思わなかったし、そんなもんだとも思っていた。

しかし、しかしである。

実際に宰相という言葉を聞いた途端にその響きは、本当に嬉しい物であった。

この先に獣人族の待遇もかなり変わるかもしれないという期待がもてたのである。

そして、そしてである。

「かしこまりました。
 レモネード魔女王様にお仕えいたします。
 この北の魔女王国の発展に貢献すると命をかけて誓ます」

サヤーカ嬢は、胸に右手をあてて、少し頭を下げて行った。
何とか頭をフル回転させた結果出た言葉であった。

そしてこう思った。

ああ。私。やっぱりこの国でも、さらに働くことになっちゃうのね。
せっかくの異世界転生が~。
私のスローライフはいずこへ。。。っと。
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