月の国

ホムラ

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98 マンディアン

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「鬼門のババ。これが、ラーラ姫のそっくりさんが作ったお菓子だよ。」

「お菓子?」

どうしても、鬼門のババが、ムラキモモコの様子を一度見たいというから、コーラルは、カメラと一緒にお菓子も持ってきたのだ。

「昨日貰ったんだよ。ムラキモモコの生きてる世界では、年に一度、男性にチョコレートを上げる習慣があるらしくてね。俺も貰ったんだよ」

昨日、偶然駅前のパン屋で会って、「たくさん作ったので良かったらどうぞ」と一個一個綺麗にラッピングされたチョコレートを3つ貰ったのだ。
そのうちの一つだけ持ってきた。
あとの2つは、あまりにもおいしくてコーラルが食べてしまったのだ。
今まで食べたことがない不思議な食感のチョコレートだった。

そして、カメラを作動させた。

「この機械はすごいな。初めてみたぞ」

長生きしてるババでも見たことがなかったらしい。

そして、その画像に映っている娘を観て、ババは涙が出そうになった。

娘は、笑っていた。

とてもハツラツとしていて、笑顔が眩しい娘だった。

「昨日、このカメラを買ったから、試しに写してもいいかってきいたら、良いって言われたんだ。
 そばで撮れてラッキーだったよ。
 公園で試し撮りさせて貰ったんだよ。
 声も出るよ。これをポチっと押すと」

驚くほどかわいい声だった。
ババには、何を話しているのか分からなかったが、感じが良い娘なのは分かった。

「かわいいだろ?ちょっとルフナにも感じが似てて、妹と話している感じになるんだよ」

そう、ラーラ姫と姿も顔も声も一緒なのに、ラーラ姫に似てないのだ。

どっちかっていうとルフナに似ている。

屈託がないのだ。

鬼門のババは、うんうんと頷きながら観ている。

感慨深そうである。


コーラルは、なぜ鬼門のババが、ムラキモモコを気にするのか分からなかった。

ラーラ姫のそっくりさんを見たいだけなのかと思っていた。


「これで映像は終わりだよ。」

「ありがとうな。コーラル。
 そなた、最近ちゃんと仕事してるって話題になっておるぞ」

コーラルは、嬉しくて鼻が高くなった気がした。

「そ、そう?ま、まぁ、俺も大人にならないとね」

「それにそなた、顔がさらに昔のロードライトに似てきたなぁ。
 いい男になってきたなぁ」

鬼門のババは、目を細めた。

コーラルはとてもいい気分になってきた。

褒められるとのびるコーラルちゃんである。

コーラルにとって、鬼門のババは、自分の祖母のようなものである。

生まれた時から、ず~とそばにいて、叱咤激励をしてくれる人でもある。

「またくるよ。そのチョコは早めに食べたほうが美味しいっていうから、すぐに食べたほうがいいよ」

「ああ、ありがとう。このあといただこう。本当にありがとうなぁ」

ババは、チョコを見ながら、嬉しそうにコーラルに礼を言った。
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