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深夜、自販機の前で
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暗闇の中に明かりが1つ。
僕はポケットから160円を出して右下の小さなホットココアのボタンを押し、下から取り出す。
息が曇るほど寒い日だった。
僕は自販機の横のベンチに腰掛けた。駅前の自販機で母の帰りを待っているのだ。
この世界ではみんな背中に翼をつけている。翼の大きさは生命力の大きさ。
僕の翼はもう見えないほど小さくなった。
僕はいじめられっ子で小さい頃から独りでいた。友達なんていなくたって僕には母がいた。父は昔に死んだけど母は僕を大切にしてくれた。
そんな母ももういない。
ここにいれば母が電車から降りてくるような気がして、僕は待っている。
僕の目は魂が抜けるようにどんよりと
翼は線香花火が落ちる寸前のあの状態だ。
電車が来た。
小さなホームにいつも降りてくるのは母だけ。
誰も降りることなく電車はまた走り出した。
僕はそっと目を閉じた。
翼はほろりと最期の羽根を地面に落とした。
人が死んだ。
生物が死んだ。
自然界では常に生と死が競争し合っている。
ただ一人死んだだけだ。
ただ一つ尽きただけ。
なのにそれが人であれば大ごとにする。
何故?
人は害でしかない。
みんな死んだら誰も悲しまない。
自然はそれを何も感じることのないまままた生と死を繰り返すだろう。
人は感じすぎた。
いいように。
人は勘違いしている。
ただの生物のくせに。
滅んだっていいんだ。
地球にとって一番の害は僕達だ。
僕はポケットから160円を出して右下の小さなホットココアのボタンを押し、下から取り出す。
息が曇るほど寒い日だった。
僕は自販機の横のベンチに腰掛けた。駅前の自販機で母の帰りを待っているのだ。
この世界ではみんな背中に翼をつけている。翼の大きさは生命力の大きさ。
僕の翼はもう見えないほど小さくなった。
僕はいじめられっ子で小さい頃から独りでいた。友達なんていなくたって僕には母がいた。父は昔に死んだけど母は僕を大切にしてくれた。
そんな母ももういない。
ここにいれば母が電車から降りてくるような気がして、僕は待っている。
僕の目は魂が抜けるようにどんよりと
翼は線香花火が落ちる寸前のあの状態だ。
電車が来た。
小さなホームにいつも降りてくるのは母だけ。
誰も降りることなく電車はまた走り出した。
僕はそっと目を閉じた。
翼はほろりと最期の羽根を地面に落とした。
人が死んだ。
生物が死んだ。
自然界では常に生と死が競争し合っている。
ただ一人死んだだけだ。
ただ一つ尽きただけ。
なのにそれが人であれば大ごとにする。
何故?
人は害でしかない。
みんな死んだら誰も悲しまない。
自然はそれを何も感じることのないまままた生と死を繰り返すだろう。
人は感じすぎた。
いいように。
人は勘違いしている。
ただの生物のくせに。
滅んだっていいんだ。
地球にとって一番の害は僕達だ。
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