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第3話
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黒い服に身を包んだマチルダが店を訪れたのは、手紙を出してから二週間後のことだった。
「マチルダ!」
店に入ってきた彼女に駆け寄り、レオナルドは言葉につまる。黒いヴェールが顔にかかっているが、俯き加減のせいか、やつれているように思えた。
「エルザのことはなんと言っていいか……どうしてこんなことに」
「オコナーさん、ご連絡をいただいたのに遅くなってすみません。早く靴を受け取りに行かなければと思っていたのですが……」
その声はか細く、弱々しいものだった。マチルダはソファに腰を下ろし、静かに話し出した。
「ご心配をおかけしてしまいました。それに、せっかく作っていただいたのに、エルザが靴を履くこともなくなってしまいました。申し訳ありません」
「謝ることではありませんよ! さぞお辛かったでしょう」
うっと声を漏らし、マチルダの目から大粒の涙がこぼれた。
「ゴシップ誌がいろいろ書き立ててますけれど、妹とジョンは本気で愛し合っていたんです。でも、ジョンはカトリックですし、奥様が絶対に許さないと激怒なさったとか。それに仕事への悪影響は免れません。ジョンから電話でそれを聞いたとき、エルザは声をあげて泣きました。あんな泣き方をするのを見たのは、初めてだったかもしれない。翌朝、目を覚ましたとき、妹の姿はもうありませんでした。そして、あんなことに」
そう言い終えると、マチルダは大きく肩を震わせる。レオナルドはマチルダの隣に腰を下ろした。
「ゆっくり深呼吸して」
「オコナーさん、ありがとうございます」
「どうぞ、レオナルドと呼んでください。その……僕はあなたの力になりたいんです」
「何通ものお手紙をいただいて、とても嬉しく思います。けれど……」
目を背け、マチルダがおどおどした。
「申し訳ありません」
「やはり、しがない靴屋の僕ではあなたにふさわしくないでしょうか」
「いいえ、そうではないのです。ただ……私には信じられないのです」
「何をです?」
「エルザより私を選んでくださる方がいるということを、です」
軽く唇を噛み、マチルダは目元をハンカチで押さえた。そして瞬きを繰り返す。
「誰もが妹に目と心を奪われます。小さい頃から比べられてきました。最後にはみんなエルザを選んできた。女優への道もそうでした。私と一緒に歩いていたエルザを見かけたプロデューサーは、私ではなく妹に声をかけてきました」
「でも、僕にはあなたのほうが輝いて見えるのです」
「いいえ、それは私を知らないからですわ。私は天真爛漫で明るい妹とは対極に、卑屈で根暗です。きっと、一緒にいるとうんざりなさるでしょう。エルザといるときは、彼女が引き立つように一歩引いて下を向くのが癖になっていました。そのくせ、彼女が持っているきらびやかなものが妬ましくてならなかった。劣等感の塊です」
「ご自分のそういうところから目を背けずにしっかり見据えている勇気を、僕は賞賛します」
「私は歪んでいます。妹を妬み、憎んでいるけれど、同時に愛してもいる。あの子は太陽で私は月です。妹が輝くから、私にも光が生まれる。でも、誰を愛しても、みんな妹に心変わりするのはいつも惨め。あなただって、同じ顔でも甘い言葉を言われ慣れていない私ならすぐに手に入るとお思いなのでは?」
レオナルドは咄嗟にマチルダの左手に手を添えた。
「あなたはエルザにとらわれていらっしゃったのですね。でも、それはきっとエルザを愛するゆえでもある。あなたは愛情深く、冷静に周りを見ることのできる人だ。僕があなたを知らないというのなら、もっと知ることを許してください」
レオナルドの中に憐憫の情がわいていた。エルザと同じ顔を持ちながら俯いてばかりの人生なのは、生来の控えめな性格ゆえかもしれないし、カメラのフラッシュや押し寄せる記者、多くの好奇の目に耐えるには繊細すぎるのかもしれないと思えた。
「マチルダ。僕はあなたを劣等感から救いたい。エルザではなくあなたに惹かれた僕を信じていただけませんか。どうか、あなたが自分に自信を持つ手助けをさせてください。いつか、そのことを誇りに思ってもらえる男であり続けます」
「オコナーさん……」
マチルダは深く息を吸い込み、やがて顔を輝かせた。まるではぐれた母と再会したような、驚きと安堵の笑みであった。
「レオナルドとお呼びしてもいいでしょうか。私、あなたを頼ってもいいんでしょうか」
「もちろんですとも」
「白状しますと、私、この店にエルザと来る前に、一度店の前まで来たことがありますの」
「え?」
「ファンレターをいただいて、どんな靴屋さんなのかと気になって見に来たんです。窓越しにあなたの横顔を見て、それで……こんなことを言うのは、はしたないかしら」
マチルダの頬が染まる。レオナルドは歓喜のため息を漏らした。
「どうか、先に僕に言わせてください。あなたを愛しています。もっともっと、たくさんあなたのことを知りたい。知れば知るほど、僕はあなたから離れられなくなるでしょう」
マチルダが静かに微笑み返した。
「私もあなたを一目見たときからお慕いしております。愛する妹を失った哀しみと孤独を忘れさせてください。女優エルザの姉としてではなく、マチルダ・カーライルとして私を見て、愛し続けてください」
「マチルダ! それはもう、絶対に!」
「ありがとう。今、私の家の周りには記者たちがうろついています。人目を気にする毎日も、見栄ばかりの世界で仕事をするのもうんざり。今日、エルザの遺品を処分し終えたところなんです。あなたのそばで穏やかに過ごしてもよろしいかしら? このままでは息苦しくて死んでしまいそう」
「ああ、マチルダ。すぐにでもここへ。僕のそばへ。そして僕はあなたのためにとびきりのいい靴を作りましょう。そうすれば、きっと僕らを素晴らしいところへ連れて行ってくれる。君が君らしく生きられる世界へ」
「嬉しい。ヒールは低くしてくださる?」
「ああ、もちろんです」
どちらからともなく、二人は唇を重ねたのだった。
それからすぐ、マチルダはエルザと住んでいたアパートメントを解約し、レオナルドと暮らし始めた。エルザの葬儀が済むと、世の中の関心はあっという間に別のものへ移っていった。見張りの記者がいなくなったとき、マチルダは心から安堵したようだった。
レオナルドとの暮らしに慣れたマチルダは目に見えて明るくなっていた。もう俯き加減で誰かの一歩後ろを歩くこともない。ヴェールで顔を隠すこともない、屈託なく笑う女性へと変わりつつあった。誰かと比べられることもなく、自分が自分でいられる自由を彼女は得た。
そんなマチルダを見ると、レオナルドは満足げに微笑んでしまう。愛する人を手に入れた達成感と彼女を救った正義感が、そうさせた。
ある夜、レオナルドはベッドで深い眠りにつくマチルダを愛おしげに見つめていた。激しく愛し合って乱れたシーツに流れる髪を撫でる。
いつもマチルダの寝顔を見ながら、彼女にどんな靴を作ろうか考えていたのだが、やっと新しいデザインが思いついた。今までのマチルダから得るイメージにはない、活動的で明るい色のものだ。
「腕がなるよ」
レオナルドはいたずらっぽく囁いた。マチルダは日に日に凛々しく、美しくなっていく。奥ゆかしい性格はそのままだが、生前のエルザを思い起こす堂々とした振る舞いも見られるようになった。やはり、双子は双子なのだ。
「僕のミューズはマチルダだ。エルザでなくてよかったんだ」
そうだ、彼女の誕生日までに内緒で作って驚かせてやろう。わくわくしながら、こっそり足を測ろうと毛布をめくる。
心臓が凍りついた。
そこにあったのは、外反母趾。見栄っ張りで自分のサイズに合わない華奢な靴を履き続けた足だった。
おそるおそるマチルダの顔を見る。いつのまにか彼女は目覚めていた。月明かりの中で青い瞳がレオナルドをとらえる。やがて微かな笑みを浮かべ、彼女は黙ってまた眠りについた。まるでサバンナに横たわる美しく気高い獣のようだった。
「マチルダ!」
店に入ってきた彼女に駆け寄り、レオナルドは言葉につまる。黒いヴェールが顔にかかっているが、俯き加減のせいか、やつれているように思えた。
「エルザのことはなんと言っていいか……どうしてこんなことに」
「オコナーさん、ご連絡をいただいたのに遅くなってすみません。早く靴を受け取りに行かなければと思っていたのですが……」
その声はか細く、弱々しいものだった。マチルダはソファに腰を下ろし、静かに話し出した。
「ご心配をおかけしてしまいました。それに、せっかく作っていただいたのに、エルザが靴を履くこともなくなってしまいました。申し訳ありません」
「謝ることではありませんよ! さぞお辛かったでしょう」
うっと声を漏らし、マチルダの目から大粒の涙がこぼれた。
「ゴシップ誌がいろいろ書き立ててますけれど、妹とジョンは本気で愛し合っていたんです。でも、ジョンはカトリックですし、奥様が絶対に許さないと激怒なさったとか。それに仕事への悪影響は免れません。ジョンから電話でそれを聞いたとき、エルザは声をあげて泣きました。あんな泣き方をするのを見たのは、初めてだったかもしれない。翌朝、目を覚ましたとき、妹の姿はもうありませんでした。そして、あんなことに」
そう言い終えると、マチルダは大きく肩を震わせる。レオナルドはマチルダの隣に腰を下ろした。
「ゆっくり深呼吸して」
「オコナーさん、ありがとうございます」
「どうぞ、レオナルドと呼んでください。その……僕はあなたの力になりたいんです」
「何通ものお手紙をいただいて、とても嬉しく思います。けれど……」
目を背け、マチルダがおどおどした。
「申し訳ありません」
「やはり、しがない靴屋の僕ではあなたにふさわしくないでしょうか」
「いいえ、そうではないのです。ただ……私には信じられないのです」
「何をです?」
「エルザより私を選んでくださる方がいるということを、です」
軽く唇を噛み、マチルダは目元をハンカチで押さえた。そして瞬きを繰り返す。
「誰もが妹に目と心を奪われます。小さい頃から比べられてきました。最後にはみんなエルザを選んできた。女優への道もそうでした。私と一緒に歩いていたエルザを見かけたプロデューサーは、私ではなく妹に声をかけてきました」
「でも、僕にはあなたのほうが輝いて見えるのです」
「いいえ、それは私を知らないからですわ。私は天真爛漫で明るい妹とは対極に、卑屈で根暗です。きっと、一緒にいるとうんざりなさるでしょう。エルザといるときは、彼女が引き立つように一歩引いて下を向くのが癖になっていました。そのくせ、彼女が持っているきらびやかなものが妬ましくてならなかった。劣等感の塊です」
「ご自分のそういうところから目を背けずにしっかり見据えている勇気を、僕は賞賛します」
「私は歪んでいます。妹を妬み、憎んでいるけれど、同時に愛してもいる。あの子は太陽で私は月です。妹が輝くから、私にも光が生まれる。でも、誰を愛しても、みんな妹に心変わりするのはいつも惨め。あなただって、同じ顔でも甘い言葉を言われ慣れていない私ならすぐに手に入るとお思いなのでは?」
レオナルドは咄嗟にマチルダの左手に手を添えた。
「あなたはエルザにとらわれていらっしゃったのですね。でも、それはきっとエルザを愛するゆえでもある。あなたは愛情深く、冷静に周りを見ることのできる人だ。僕があなたを知らないというのなら、もっと知ることを許してください」
レオナルドの中に憐憫の情がわいていた。エルザと同じ顔を持ちながら俯いてばかりの人生なのは、生来の控えめな性格ゆえかもしれないし、カメラのフラッシュや押し寄せる記者、多くの好奇の目に耐えるには繊細すぎるのかもしれないと思えた。
「マチルダ。僕はあなたを劣等感から救いたい。エルザではなくあなたに惹かれた僕を信じていただけませんか。どうか、あなたが自分に自信を持つ手助けをさせてください。いつか、そのことを誇りに思ってもらえる男であり続けます」
「オコナーさん……」
マチルダは深く息を吸い込み、やがて顔を輝かせた。まるではぐれた母と再会したような、驚きと安堵の笑みであった。
「レオナルドとお呼びしてもいいでしょうか。私、あなたを頼ってもいいんでしょうか」
「もちろんですとも」
「白状しますと、私、この店にエルザと来る前に、一度店の前まで来たことがありますの」
「え?」
「ファンレターをいただいて、どんな靴屋さんなのかと気になって見に来たんです。窓越しにあなたの横顔を見て、それで……こんなことを言うのは、はしたないかしら」
マチルダの頬が染まる。レオナルドは歓喜のため息を漏らした。
「どうか、先に僕に言わせてください。あなたを愛しています。もっともっと、たくさんあなたのことを知りたい。知れば知るほど、僕はあなたから離れられなくなるでしょう」
マチルダが静かに微笑み返した。
「私もあなたを一目見たときからお慕いしております。愛する妹を失った哀しみと孤独を忘れさせてください。女優エルザの姉としてではなく、マチルダ・カーライルとして私を見て、愛し続けてください」
「マチルダ! それはもう、絶対に!」
「ありがとう。今、私の家の周りには記者たちがうろついています。人目を気にする毎日も、見栄ばかりの世界で仕事をするのもうんざり。今日、エルザの遺品を処分し終えたところなんです。あなたのそばで穏やかに過ごしてもよろしいかしら? このままでは息苦しくて死んでしまいそう」
「ああ、マチルダ。すぐにでもここへ。僕のそばへ。そして僕はあなたのためにとびきりのいい靴を作りましょう。そうすれば、きっと僕らを素晴らしいところへ連れて行ってくれる。君が君らしく生きられる世界へ」
「嬉しい。ヒールは低くしてくださる?」
「ああ、もちろんです」
どちらからともなく、二人は唇を重ねたのだった。
それからすぐ、マチルダはエルザと住んでいたアパートメントを解約し、レオナルドと暮らし始めた。エルザの葬儀が済むと、世の中の関心はあっという間に別のものへ移っていった。見張りの記者がいなくなったとき、マチルダは心から安堵したようだった。
レオナルドとの暮らしに慣れたマチルダは目に見えて明るくなっていた。もう俯き加減で誰かの一歩後ろを歩くこともない。ヴェールで顔を隠すこともない、屈託なく笑う女性へと変わりつつあった。誰かと比べられることもなく、自分が自分でいられる自由を彼女は得た。
そんなマチルダを見ると、レオナルドは満足げに微笑んでしまう。愛する人を手に入れた達成感と彼女を救った正義感が、そうさせた。
ある夜、レオナルドはベッドで深い眠りにつくマチルダを愛おしげに見つめていた。激しく愛し合って乱れたシーツに流れる髪を撫でる。
いつもマチルダの寝顔を見ながら、彼女にどんな靴を作ろうか考えていたのだが、やっと新しいデザインが思いついた。今までのマチルダから得るイメージにはない、活動的で明るい色のものだ。
「腕がなるよ」
レオナルドはいたずらっぽく囁いた。マチルダは日に日に凛々しく、美しくなっていく。奥ゆかしい性格はそのままだが、生前のエルザを思い起こす堂々とした振る舞いも見られるようになった。やはり、双子は双子なのだ。
「僕のミューズはマチルダだ。エルザでなくてよかったんだ」
そうだ、彼女の誕生日までに内緒で作って驚かせてやろう。わくわくしながら、こっそり足を測ろうと毛布をめくる。
心臓が凍りついた。
そこにあったのは、外反母趾。見栄っ張りで自分のサイズに合わない華奢な靴を履き続けた足だった。
おそるおそるマチルダの顔を見る。いつのまにか彼女は目覚めていた。月明かりの中で青い瞳がレオナルドをとらえる。やがて微かな笑みを浮かべ、彼女は黙ってまた眠りについた。まるでサバンナに横たわる美しく気高い獣のようだった。
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