こっち向いて、先輩。

鷹月晶

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第1章

episode1-13

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「ほら、」

「え、もう出来たの。」

「簡単なもんだからな。箸でいいか?」


俺が頷くと

ん、と先輩が俺に箸を渡してくれた。


「すげ、焼きそば。久々にちゃんとした飯食べる、」

「ったく…、だからぶっ倒れんだよ。」


誰かが作った飯を食うのも

誰かとこうやって並んで飯を食うのも

何年ぶりだろう。


「うま。」

「そりゃよかった。」

「先輩料理上手いね。」

「別にこれくらい普通だっての笑」


俺出来ねぇし、と言うと

そんなとこ得意げに言うな、と先輩は俺の頭を小突いた。


「ねぇ、今日夜までいてもいい?」

「いや、別にいいけどさそりゃ…、」

「やった。さんきゅ、先輩。」

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