こっち向いて、先輩。

鷹月晶

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第1章

episode1-18

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【佑side】


「入ってきていいよって、あいつ…、」


誰のベッドだと思ってんだ、と思いながら寝室を覗くと

言葉通り壁際に縮こまって眠っているあいつの姿があった。


「本気で寝てるし…、」


ここ1年くらい彼女なんてもんはつくってないし

もちろん好きだと思える人がいることはいいことなんだろうけど。

どうせ別れるんなら出会わなくていいか、なんて思ってしまう自分もいて

単純に、友達と何事もなく生活していくのが楽なのだ。


「久しぶりに見たわ、この感じ。」


自分のベッドに他人が寝てる

この光景を見るもの、1年振り以上で

まぁ1年前にここで寝てたのは、彼女なわけだけど。

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