殿下、頂いたDTはあくまでも治療行為ゆえに!

アマイ

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「アウリス、体調に変化はないか?」

「あ、ああ……なんとなく体が軽くなったように感じる」

「そうか」

嬉しそうに微笑むと、セリシティアンは優しくアウリスの頭を撫でた。

勘違いしてしまいそうになる。
愛おしげに頭を撫でられて、優しく微笑まれて、深く深く繋がり合って。

「セリ」

無意識に頬に手を伸ばして口付けようとしたアウリスを、セリシティアンは避けるように身を引いた。

「口付けは特別愛しい女子おなごとのみするものじゃ。アウリス、これはあくまでも治療であること、忘れるでないぞ」

微笑んではいるものの、きっぱりとした拒絶にアウリスの胸はズキリと鈍く痛んだ。

「あ、ああ、すまないセリ」

「よい、今日はよく頑張ったのう。疲れたであろう? また明日来る故、続きはその時じゃ」

そう言うとセリシティアンは萎えた陰茎を引き抜いて、丁寧に浄化の術を施し、アウリスに再び寝衣を着せた。
そうして立ちあがりかけたセリシティアンの裾を、アウリスは咄嗟に掴む。

「どうしたのじゃ?」

「いや……まだここに居てくれないか? その、久しぶりに話し相手がいて嬉しいんだ」

本当はただ離れたくない、帰したくない。
唐突にそんな思いが湧いたからだ。セリシティアンは少し困ったように笑うと、安心させるようにアウリスの手をポンポンと撫でた。

「あい分かった。そなたの気の済むまで側にいてやろうぞ」

「ありがとう、セリ」

嬉しそうに笑うアウリスの頬には僅かに赤みが差し、全身を包んでいた死の影が幾分薄らいでいた。

「セリ、僕が眠るまで手を握っていてくれないか?」

セリシティアンは頷くと、両手でアウリスの手を包むように握った。

「セリ、頭を撫でてくれないか?」

「ふ、甘えておるのか? 愛いやつよのう」

満更でもなさげに笑うと、セリシティアンはアウリスの頭を優しく撫でた。途端に気持ちよさげにアウリスは瞳を閉じる。

「セリの手は魔法の様だな。触れられるとすごく、気持ちが良いんだ」

「そうか、気に入ってくれたようで何よりじゃ。そなたは必ず治してやるからのう、アウリス」

バ……年寄臭いと思ったこの口調すら、耳に心地良い旋律のように響いてアウリスをゆったりと寛がせた。
セリ……出会ったばかりだというのに、身も心も全て委ねてしまいたくなる。本当に不思議な女だ。

「セリ……」

叶う事ならずっとこのまま側に居てくれないか――そう願いながら、アウリスの意識はぷつりと途切れた。
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