殿下、頂いたDTはあくまでも治療行為ゆえに!

アマイ

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翌朝、アウリスは明るい光を瞼に感じて目が覚めた。

これまでは光を感じるだけで酷い頭痛に見舞われたため、ずっとカーテンは閉ざされたままだった。

それが幾日ぶりか、全部窓ごと開け放たれて、部屋は明るく清澄な空気に満ちていた。

「起きたか、おはようアウリス」

「セリ? もう来てくれていたのか」

「うむ。治療が終わるまでは隣室の使用を許されておる故な。呼んでくれればすぐに駆け付けるぞ」

「そうなのか」

治療が終わるまではずっと側に――アウリスの胸がぱあっと明るく華やいだ。

「腹は減ってないか? 治療が終わるまでは妾がそなたの世話の一切を引き受けておるのじゃ」

「ああ、だから誰も来ないのか」

「うむ、治療の邪魔だからのう」

そう言いながら空中にくるっと円を描くと、セリシティアンの掌に湯気の立つスープが現れた。

「正直美味いものではないんじゃが……滋養にいいもの故、我慢して飲むのじゃ」

ベッドのヘッドボードにクッションを挟んでアウリスを起こすと、ひと匙ずつ掬ってはふーふー言いながらアウリスに飲ませた。

「うっ……」

正直戻したいほど不味かった。緑色のドロドロとした見た目も気持ちが悪い。だが、申し訳なさそうに、でも有無を言わさず差し出してくるセリシティアンを拒むことは出来なかった。

そなたの体の為だ――その真摯な思いが痛い程伝わってきたから。

かなり頑張って半分ほどまでは飲めた。だがそれ以上は本当に無理、と涙目で訴え許してもらった。

「偉いぞ、よくここまで飲めたな」

よしよしと笑顔で頭を撫でるセリシティアン。子ども扱いされているようだけれど、彼女に褒められるのは素直に嬉しかった。

もうすっかりセリシティアンのペースだな、と思いつつもどういう訳かそれが全く嫌ではなかった。

「少し眠るといい。起きたらまた治療の続きをしよう」

途端にアウリスの顔がかっと熱を持つ。

「ん? どうした、気分でも悪いか? 顔が赤いな」

いやいや、察してくれよこの鈍感! と内心文句たれながらアウリスはガバっと頭からシーツを被った。

「だ、大丈夫だ! 少し寝る!」

「そうか、ゆっくり休むのだぞ」

セリシティアンは微笑むと、ベッドの脇に設置された寝椅子に寝そべりながら、読みかけの本に目を落とした。
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