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しおりを挟む「その言い方は可哀想よ」
「そうよ。厄介な娘が出没するより、ずっとマシよ。ヴァレリア様は、元々この世界の住人だもの。余所者みたいに勘違いしているわけじゃないわ」
「それも、そうね。役割りがあるだけだものね」
「え?」
何やら聞き捨てならないことをサラッと言われたが、その後が更に気になった。
「でも、役割りがあるのに留学なんてしに来て大丈夫なの?」
「えっと、その……」
なんか、ここの令嬢たちの頭の中も大変なことになっているような気がする。全然、何を言っているのかがわからない。
凄く呪われているから、役割りと言い換えられても、ヴァレリアには全く心当たりがないのだ。
「……もしかして、続きがあるんじゃない?」
「えっと、」
「あら、そうなの?」
「まだ、何かおかしなことがあるの?」
「……」
ヴァレリアは、ドジというなの役割りから、今やヴァレリアを利用した面々と巻き込まれた幼なじみが呪われていることをこの令嬢たちの期待に満ちた圧力に負けて話してしまった。
「嫌だわ。それ、完全にバグじゃない」
「え?」
「主役は何をしているのよ」
「えっと」
ヴァレリアは、本当にわけがわからなかった。
「お嬢さんたち、ちょっと彼女を借りてもいいかな?」
「これは、殿下」
そこに殿下の呼ばれた見目のやたらいい青年と側近らしき人と一緒に現れた。
何なら、側近らしき人とは会ったことがある。ヴァレリアがドジって転びそうになったのを何度も助けてくれた。
そこで、何度もとなって、ヴァレリアは目をパチクリさせた。他の令嬢と同じく、カーテシーをしていたのにおかしなことを考えたと頭を振ってしまって、よろけてしまった。
「っと、やっぱり。具合が良くないんだね」
「へ? いえ、私は……」
「医務室に行った方がいい。案内するよ」
それを支えてくれたのは殿下と呼ばれた人で、側近の男性ももう一方の方からヴァレリアを支えた。
「悪い。もたれてくれ」
「え?」
「もたれろ」
「っ、」
その男性の言う通りにするつもりはないが、足がもつれてまたも倒れそうになったのを軽々と支えた。
そこまで、身体を預けると思ってなかったようで驚いていたが、一緒によろけることはなかった。
体幹がしっかりしている。まぁ、これだけ筋肉がついているなら、それもそうか。見た目より、鍛えられている。なんて、ちょっと腐女子的な思考になっている間にヴァレリアは、人気のないところにいた。
「あれ?」
「医務室ではなくて、執務室に向かっている」
「え?」
「あちらで休むより、執務室のソファの方が居心地いいよ」
「……」
ヴァレリアは、休めと言われているようで、何気に話があると言われている気がした。
ちらっと、ヴァレリアがぼーっとしている間も支えてくれていた子息は、スタスタとヴァレリアを抱えて歩いていた。……抱えて歩いている?!
「っ!?」
「っ、おい、暴れるな。落とすだろ」
「っ、いえ、私、自分で歩けます」
「無理することないよ」
殿下が、自分が運んでいるかのように答えていた。
「それ、私が言うセリフだと思いますが」
「そうだね。ずっと、彼女のこと心配していたのに全然、助けようとしなかったが」
「……」
ヴァレリアは、何やら落ち込んでしまった青年とにっこりと笑う殿下によって、無言となった。これは、それが一番いい状態なはずだ。
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