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しおりを挟む(ロザリア視点)
もっと早く婚約デキそうだったのに。学園に入るまでできなかった。
利用しようと思っていたヴァレリアが、運悪く熱で寝込んでしまい、タイミングを逃してしまったが、狙っていた公爵子息は運良く婚約せずにいた。
私は、本当に幸運だ。
でも、そんなタイミングでヴァレリアが留学すると言い出し、またも使えない妹だと思っていたら……。
「あなたの幼なじみが?」
「えぇ、やたらと留学を伸ばせないかって言うんです。友達は、私より多いと思うのですが……」
「そりゃ、寂しいのよ」
妹の幼なじみのことを聞いて、これは使えると思った。ヴァレリアほどではないが、上手くすれば利用できる。
ヴァレリアほど、ドジではないから、計画綿密にしないと上手くはいかないだろう。
「仕方がないわよね。ちょっと利用しにくくとも、上手く使えるのはジョヴァンナくらいしかいないもの」
そこから、しっかりと計画して実行したら、狙っていた子息と婚約することができた。
それに両親も喜んでくれた。しかも、とても優しい令嬢だとあちらの両親が褒めていたとまで言ってくれて、私は物凄く嬉しかった。
綿密に計画するのが大変だったが、その甲斐はあった。
すると私を真似る連中が現れた。
「嫌だわ。私がやったのを真似るなんて」
そんなことを思ったが、その標的がみんなジョヴァンナを利用しているのは全然知らなかった。
ただ、私のことを目標にして真似ていると思って気分よくしていたら……。
「は? ジョヴァンナが、王太子と婚約して!?」
なぜか、そんなことになっていて、どれほど驚いたことか。しかも忌々しいことに私にやられた仕返しのつもりが、嫌味な顔を私に向けて来るのだ。
「なんて、最悪な女なの。ヴァレリアなら、こんな風にやり返したりしないのに。やっぱり、ヴァレリアを利用すればよかったわ」
そう思っても後の祭りだった。
でも、そこからジョヴァンナはやり過ぎて婚約を破棄されることになった。
「はっ、ざまぁみろ!」
そう思ったのは、私だけではなかった。あの女を利用して婚約した令嬢たちは、みんな同じように思ったようだ。
でも、そこから、坂を転がるように私まで婚約を破棄されることになった。本当は全く優しくないことがバレてしまったのだ。
王太子と新しく婚約した令嬢が、偽物の優しいだとして、本当はどんな令嬢なのかを暴露したことで、公爵子息に怒鳴り散らされ、両親にもとんでもない恥をかかせたと言われて、勘当されることになったのだ。
あの女が、そんなことしなければ、もう時期、結婚できたのに。信じられない。
でも、私だけでなくて、偽物みんなを同じように婚約破棄や解消をさせた令嬢は、忌々しいことに王太子や感謝してやまない子息たちやその両親たちに好かれることになった。
全く信じられない。こっちは、とばっちりを受けたというのに。何で話したこともないのにそんな風に幸せを壊されなければならないのかと思っても、どうにもならなかった。
それならばと心優しい妹の世話になろうと留学先に行こうとしたが、それは上手くいかなかった。なぜか、たどり着けなかった。
そのため、細々とそれなりの人生を送ることになって、ジョヴァンナよりも幸せではないことに勝ち誇った顔をされて、腹が立って仕方がなかったが、負けじと利用してのし上がろうとしても、上手くいくことはなかった。
「こんなはずじゃなかったのに」
そんなことをぼやいても、誰も優てくれる人は現れることはなかった。
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