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ステファニアは、アンジェラと同じく、それぞれが幸せになった。一緒にいられなくなったが、どちらも王太子に溺愛され、仲睦まじい姿をいたるところで目撃されて、王太子妃となってからは姉妹揃って羨ましがられる存在になっていた。
「本当に羨ましいわ」
「本当よね。姉妹揃って王太子に嫁がれるなんて、凄いわよね」
それに比べるのもおかしいが、伯爵は愛人が幸せとは真逆な方にまっしぐらなことを笑っていた。
「ふん。いい気味だ。私をあんな風に捨てたりするからだ」
自分を捨てた今は子爵夫人のことを馬鹿にしている。愛人のために若々しくしていたが、今はだらけきった日々を送っていて、年相応よりも年を取っているように見えた。
姉妹の兄のノルベルトは、そんな父にげんなりしていた。
「あんなのが、私の父親だとはな。恥ずかしい限りだ。あんなのがいるから、未だに私が婚約できないんだ」
ノルベルトは、そんなことを愚痴っていた。学園を卒業して、就職してからは友達は妻帯者となって会い辛くなった。
職場の人間は、また始まったかと言わんばかりに離れて行くのにもノルベルトは気づいていなかった。
どうやったら代われるかと考えず、過去に囚われて続けるサンマルティーニ伯爵家の男性陣ほど関わりたくないと思われていることに2人は気づかないまま、サンマルティーニ伯爵家は姉妹2人がいた頃より酷い状態となっていった。
(うわっ、あれが、お兄様!?)
久しぶりに会った兄の変わりっぷりにステファニアは、ぎょっとしてしまったし、老け込んだ父に誰だかわからなくなっていたが、そんなノルベルトが変わるきっかけは、夫を亡くした未亡人に一目惚れをしたことだった。
まぁ、いい方向に変化するきっかけとなったからいいのだが、義姉となったその女性は昔のステファニアにそっくりだった。
そう、壁を破ると突然言い出したステファニアのようなところがあって、ノルベルトの手綱をしっかりと握って操り続けて、それなりに見られる伯爵にさせるまで、そんなにかからなかった。
父は、早々に引退させられたが、孫たちの世話をするのを嫁が何かと褒めるため、とてもいいお祖父ちゃんになって、昔の面影などなくなるまで、そんなに時間はかからなかった。
その頃には、ステファニアたちも幸せいっぱいの家庭を築けて、笑顔溢れ生活を満喫していた。
その中に兄や父もようやく入ったのに心からホッとしていた。
ステファニアたちは、母に偏った愛情とは言えないものを押し付けられて来たが、それがあったからこそ、逞しくなったところもあった。
ちなみに元王太子と元側近たちに追いかけ回されていた元令嬢は……。
「何でよ!? こんなはずじゃなかったはずなのに!!」
「「「「「待ってくれ! 私と結婚してくれ!!」」」」」
「仕事を見つけて、出直して!」
元令嬢は必死に働こうとしても、追いかけ回されて、営業妨害だと辞めることになってモテまくって大変だと笑う余裕もなくなっていた。
どうにも、この世界を勘違いしている人たちが時折、現れたようだが、何をどう勘違いしているかを周りが知ることはなかった。
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