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しおりを挟む驚くなかれ、バルトロメの方はすぐに新しい婚約者が見つかった。
仮にも跡継ぎは、まだ彼のままなのだ。家柄だけなら、嫁ぎ先には申し分ないから、すぐに婚約できたのだろう。
そのことがわかって、バレリアは苛ついたようだ。
「あんなのと婚約するなんて! あんな令嬢に比べれば、私の方がいいに決まってるのに!!」
(その令嬢も同じこと言ってそうね。むしろ、学年で毎回、最下位な人にだけは言われたくはないかもね)
ルシアは、愚痴ばかりを言うバレリアにそんなことを思っていた。それでも、バレリアを怒らせるだけになるので、口にしたことはないが。大概の人たちは、同じことを思うのではないかとルシアは思っていた。
そんな毎日にルシアに何かしないかと思っているようで、両親や使用人たちが心配してバレリアがルシアの側に必要以上によらないようにしてくれていたようだ。
そのおかけで、ルシアはバレリアの標的にならずに過ごせていた。
バレリアは、元婚約者の新しい婚約者に意地悪ばかりをしていたようだが、それで二人の仲が悪くなったかというとそんなことはなかったようだ。
そのまま、卒業パーティーとなり、バレリアがそこで騒ぎを起こしたのだ。婚約者が見つけられなかったが、バルトロメたちが何食わぬ顔をして卒業パーティーに出ていることに苛立って、ぶち壊してやろうと思ったようだ。
そんなことをしようとしたのだ。バルトロメと新しい婚約者と大喧嘩することになり、そこから暴露大会となってしまったようだ。
その騒ぎを起こしたことで、バレリアはバルトロメたちがどんな人物なのかを話せてスッキリしたようだが、卒業パーティーなんかで問題を起こしたことの責任を取ることまでは考えていなかったようだ。勘当されるのも、あっという間だったが、そんなことになってから、ギャーギャーと騒いでいたが、そんなことで勘当するのを取り消すことはなかった。
バルトロメの方も、そんなことをして他の令嬢とも相変わらず程よい距離で浮気していたことが、バレリアの暴露のせいで新しい婚約者にも知られることになり、卒業パーティーで騒ぎ立てたこともあり、彼は跡継ぎから外されることになったのも、すぐだった。
それを知って、バルトロメの新しい婚約者はすぐさま婚約を破棄すると言い出し、自分は知らずに騙されていたと泣いていたが、そういう彼女もバレリアが婚約している時から浮気をしていた一人だったことが知られることになり、彼女は家族から恥晒しだと言われて修道院に入ることになるのも、早かった。
そして、バルトロメも跡継ぎから外され、卒業パーティーで散々なことをしてきたことが露見することになり、家の恥もいいところだと家族に散々なことを言われて、ようやく彼も勘当されることになったのだ。
卒業パーティーは、散々なものになったようだが、全ては問題を起こしていた面々が悪いとばかりになったのは、バルトロメの家が公爵家なことも関係しているようだ。
他の家を悪く言えば、公爵家も悪く言わざるおえなくなるため、それが尾を引くことはなかったことは、侯爵家のルシアたちにはありがたいことでしかなかった。
もっとも、アドルフィトは留学中で、ルシアは7歳なため、あの学園に通っていないことで、色々と言われることはなかった。
両親は、色々と言われることより、同情されることの方が多かったようだ。余程、バレリアほど厄介な令嬢はいないと思われたのかも知れないが、何はともあれバレリアが勘当されて、ルシアは心からホッとすることになった。
(あんなんでも、勘当しないで必死になってお父様たちは、親の務めだと思って婚約者を探してくれたのに。それが、全く通じてなかったなんて、残念以外の何者でもないわよね)
それにみんなから、自業自得だと思われるだけで、可哀想とか誰にも言われないのだ。
(お姉様は、やっぱり、いい子とは縁がなかったみたいね)
手本にする令嬢ではなかったなとルシアは、そんなことを思っていた。
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