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しおりを挟むその女の子についてだが、簡単に例をあげるとユヴェーレンという世界に転生するまでの人間しかいない世界で、ある時は同年代の子供たちと同じことができないほど病弱な身体を持って生まれたことがあった。
何の病気なのかがわからないまま、ろくな治療も受けられずに短すぎる生涯を送ったのだが、その時は死んでから、ようやく何の病気なのかがわかって、病気がわかれば治療も可能なものだったが、彼女が元々病弱なこともあり、病気の進行が早く、どこまでが病気によるものなのかが区別できずに誤診されてしまったようだ。
その子があまりにも早く亡くなってから、知りたかったことが次々とわかって、その時の家族がどれだけ憤ることになったか。それは想像を絶するものだったに違いない。我が子が弱って苦しみ続けるのを間近で見ていることしかできなかったのだから、無理はない。
それが、治療が可能だとわかり、そこから嘆き悲しみ、早くにわかっていたらと後悔ばかりをして、担当医に怒りが向かうことになったことを彼女自身は知ることなかった。すぐに次の新しい肉体を持って、新しい家族のもとで全く別の人生が始まっていたため、知ることはなかった。
遺された家族は、色々と思い悩んで気をおかしくすることになっていたようだが、そんなことになっていることを全く知らないこともあり、新しい人生を歩むことになった彼女が、元の家族の側に現れることになったのだが、どちらも気づかなかったのだ。
そこに気づいていたら、この時の未来は変わっていたかも知れない。亡くなったその日に生まれ変わって生まれた女の子が、元母親の側に現れたのだ。それこそ、元母親がもう一度我が子に会いたいと思って願ったことを叶えようと無意識のうちに生まれ変わった少女がしていたことで、そこで出会うことになったのたが、どちらもそこで出会うことになったことに全く気づかなかったのだ。
生年月日に共通点があることを知ることなく、生まれ変わった女の子が前世の母親を見ている余裕もないくらい、高熱を出してぐったりしていたこともあり、そんな世間話をしている余裕すらなかったのだ。
「そこの病院で、診てもらうわない方がいいわよ」
「え? どうしてですか?」
「あそこの小児科でね」
生まれ変わった新しい母親が、具合の悪い我が子を診てもらおうと引っ越ししたばかりで駆け込もうとした病院のことを近所の人、つまり女の子にとっては前世の元の母親が良かれと思って、ヤブ医者しかいないみたいに話したことで、生まれ変わった先の母親は、それを間に受けてしまったのだ。具合が悪い我が子を心配しながらも、遠い病院に向かうことにしてしまったのだ。誤診されて酷い目にあったと聞いたことで、これ以上悪くさせられたらたまったものではないと思ってのことだった。
結果、遠い方まで移動をしたことで、そのせいで親子揃って事故に合うことになり、亡くなることになってしまったのだ。
それこそ、他の病院をすすめたご近所さんは、そんなことがあったことをひた隠しにして言い逃れたわけではなかった。
そこに住み続けるのが苦痛となっていて、引っ越しをすることにして事故にあって、あの親子が亡くなったことを知ることがなかったのだ。
ヤブ医者うんねんと言って他の病院を勧めた方は良いことをしたと思っていて、誤診にあって苦しい思いを子供がしてはいないと勝手に思って、どうなったかを見届けることもなく、別の場所で過ごすこととなったのだ。
だが、現実は実に残酷だった。近くの病院に行っていれば事故に合わなかったのにと妻と子供をいっぺんに亡くすことになった男性は悲嘆にくれることになってしまったのだ。
女の子の前世の母親は、我が子の病院を見つけてくれなかった病院に恨みを持っていたこともあり、たかが風邪であろうとも、別の病院の方が良いに決まっていると思って言っただけにすぎなかったが、それが病院にたどり着く前に事故に見舞われて死ぬとは誰も思ってはいなかったのだ。
そう、前世のことが関係して生まれ変わっても、良かれと思って言ってくれたことに巻き込まれて不慮の事故に巻き込まれてしまうことも、よくあった。
そんなことにならないように十分に気をつけて生まれ変わることになっても、前世とは関係がないところでだろうとも、これまた予定にない死に方を女の子はした。
例に上げたのが、1番最悪なものだった。具合が悪く、高熱で朦朧としている時に何かできるわけがない。
前世の母親が、もう一度我が子に会いたいと願っていた思いが強かったから、それを叶えようとして会えたのがわかっていれば、違っていたのかも知れない。それが生まれ変わった子供との再会になると誰も思っていなかったことで、知らず知らずのうちに最悪な方向に向かってしまった結果の一つが、それだった。
その少女は何度となく生まれ変わることになって早くに亡くなることになってしまい続けても、彼女は己のことを不幸だとは思ってはいなかった。ただ、疑問が大きくなり始めているだけだった。
生まれ変わる前の彼女を思ってくれることに応えようとしているだけで、不運な結末が起こっていることを彼女も、それまでの家族や周りも気づいてはいなかった。
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