訳あり少女は、転生先でも散々な目に合う道を自ら選び続けて、みんなの幸せを願わずにはいられない性分のようです

珠宮さくら

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人生を思い返すととんでもない目にばかりあっている気がする。普通の人生を歩んでいたら、早死ばかりしているはずが、そもそもないのだろうが。


(普通が、よくわからなくなってきたな)


何かしらしてしまって、そういう人生を神様に試練のように与えられたのだとしたら、まだ納得できるがそうではないのだ。……多分、違うはずだ。

神様に気にかけてもらっているのになぜか、与えられた寿命をまっとうすることなく、毎回予想外のことで若いままに亡くなってしまうのだ。

彼女は、それが生まれ変わる前の家族や周りが思ってくれていることに己自身が無意識のうちに応えようとして、おかしなことになり始めているとまでは思ってはいなかった。

それこそ、生まれ変わるタイミングが、異様に早すぎるせいで、全てがおかしなことになっているのだが、寿命をまっとうできるようにと思ってのことなのは確かだ。

そこにどうまっとうするのかが重要なことのはずなのに彼女は、そこが抜けてしまっていることに気づいてはいなかった。

それが、別の姿に変わっただけで、魂が同じということを理解しきれていたら、こんなことにはなっていなかったかも知れないが、輪廻転生を心から信じているかで違った結果が出ていたかも知れないが、なにせ彼女が生まれ変わるたびに出会う人たちは、みんな思いが強かった。

それだけ、彼女が愛されていた証のようなものだが、強すぎる思いが肝心の彼女のもとまで届いていて、それを叶えようとしてばかりいて短命になっているなど、誰が想像できただろうか。

そんなことを自分がしていることに気づいていない本人は首を傾げてばかりいた。


(とんでもない目にばかりあってるな。そもそも、普通ってどんなだっけ……? それを忘れてしまってる気がする時点で、私って何なのだろう)


もはや普通がわからなくなってしまっていた。いや、そもそも普通の経験がない気がする。


(私、いつから、こうしてるんだっけ? そこすら思い出せないな)


小学生くらいの女の子は遠い目をしていた。その目は、年格好とは似ても似つかわしくないほどに人生の荒波に揉まれまくったような顔をしていて、物凄く疲れた顔をしていた。

彼女は、白い服を身に纏って立っていた。パチクリと瞬きをして、自分がいるところを改めて見た。不思議な気分だった。立っていると思ったら、行かなきゃいけないところがあると思えば、自然とそちらに歩き始めているのだ。


(また、ここを歩いている。不思議な気分。……ここつて、季節感が全くないのよね)


美しい花たちが咲き誇る場所を見ながら歩いていた。

彼女の少し前には、男性がいつの間にやら付き添って歩いていた。その後を付かず離れず歩いているところだった。その男性も、いつの間にやら目の前にいたが、それが当たり前となっていて、それに驚くことはなかった。

少し歩くとたくさんの人たちが静かに並ぶ列が見え始めた。その人たちも、みんな白い服を着ていた。その列とは別に割り込んだり、怒鳴り合っていっこうに並ぶことのできないもう一つの列があった。そちらの人たちの服は、白というより、灰色や黒い服を着ていた。

その真ん中を大人の男性に付き従って、少女は歩いていた。その光景に見覚えがあった。


「可哀想に。あんな小さいうちにこっちに来るなんてね」
「親御さんが、気の毒だな」


静かに並んで自分たちの番が来るのを待っている面々は、そんな女の子が通るのを見て悲しげにして心を病んでいた。そんなことを言う者も、少なくなかった。それが耳に届いて、少女は何とも言えない顔をしていた。


「おい、狡いぞ。女子供だろうと並べよ!」
「そうよ! 何で、私たちが、こんな訳もわからない列に並ばなきゃならないのよ!!」


もう一方の列からは、罵詈雑言が浴びせかけられることになった。自分たちも列にきっちり並んでおらず、自分が先の方に行こうとしている面々が、女の子に不満をぶちまけていた。その列は、我先にと自分の番を早くしてもらうことしか考えていない人たちしかいないようだ。


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