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しおりを挟む頭領こと、オリフィエルはすっかりアンネリースを気に入り、穢らしい格好ではアンネリースに迷惑がかかるとフェリーネが、それとなく言えば身綺麗にして、侍女と同じくアンネリースの側にいるようになった。
倒れた後なのもあり、身体を気にかけているようでもあったが、アンネリースは……。
(本当に身綺麗になんてしてなくとも、素敵だったけど。いいセンスしてるわ)
「とても素敵ね」
「っ、そ、そうか?」
オリフィエルは、珍しく照れていた。ほんのり頬を赤くしていた。
そんなこと言われ慣れている容姿をしていたが、アンネリースに言われて嬉しかったようだ。
「頭領が照れてんぞ」
「初めて見た」
「うるせぇ! お前ら、さっさと仕事見つけろ!」
元山賊となった面々は楽しそうに去って行った。いや、姫さん、姫さんと元気いっぱいにやる気に満ちていた。
(……なんか、心が痛いわ)
いらないものをあげただけなのに。素直すぎる元山賊たちの笑顔は、眩すぎた。
「いい人たちね」
「姫さん、あいつら、元山賊だぜ?」
「だから?」
「……」
「あなたも、いい人じゃない。みんなの特技、本人よりよく知っていたもの」
そんなことを言えば、オリフィエルは……。
「まぁ、見てて飽きない連中だったから」
そう言っていい笑顔で笑った。それは、女性ならキャーキャー騒ぎそうな顔だったが、アンネリースはそんな顔を見てはいなかった。
その時になってアンネリースは、何やらまずいことをした気がしたのだが、それが何のことだったかがわからなかった。
アンネリースの護衛たちの中ではなくて、その話を元山賊から聞いた者が、何でそいつらだけ、貰えるんだとなり、気に入らない者が現れたのは、そのすぐ後のことだった。
元山賊たちは、嬉しそうにそんなことを語ったのに悪気はなかった。でも、言う相手がまずかった。
アンネリースは、荷物を減らすことに躍起になってしまったが、それなりのお金にはなったようだ。それと口止めするのを忘れていた。なんか、やらかした気がしたのは、そこだったようだ。
それもあって、そんな世間知らずなアンネリースを売っぱらおうとしたようだが、それは賊が荷物を盗もうとしたよりも、護衛が金を手にしようとしたよりも、酷いものだった。
元山賊に施す王女と思い込んだ悪意から起こったため、アンネリースが怪我をするどころか。死んだって構わないかのようにしていたところが、酷すぎた。
この国の山賊がいい人ばかりなことに油断してしまっていたようだ。もっとも、山賊の人生相談に乗れるのも、アンネリースくらいしかいないだろう。
そんなことをしたことで、オリフィエルに物凄く気に入られることになったが、そんな風になるのも仮面を付けていた者たちが、似たような感じだったから気にもしていなかった。
そこに恋愛要素が絡んでいることに全く気づくことはなかった。
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