聖女になることを望んでいない私を聖女にしたのは、義妹の八つ当たりでした。それを手本にしてはいけないことをわかってほしいのですが……

珠宮さくら

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「どうなっているんだ!? 何で私が、王太子の座を奪われなければならないんだ!!」


部屋の中で喚き散らす第1王子に外の見張りは……。


「まだ、わかってないみたいだぞ」
「それにびっくりだな」


護衛騎士たちは、何とも言えない顔をして聞こえて来る阿呆らしいことにさっさと見張りなんてつまらない仕事の時間が終わるのをひたすら待つことになった。

そんな第1王子と婚約破棄したカヴィタは、その後、第2王子であり!この国の新しい王太子となった者と婚約した。

カヴィタは王族と婚約する気はなかったが、第2王子がまともで、兄のしたことで聖女がこの国に長居しないことに心を痛めていた。

更には、形振り構わず取り繕う貴族たちが、貢物で許しを乞うのに怒ってもいた。


「学園で私が見ていたら、あの方が誰かなんて関係なく、止めに入っていた」
「……私もです。見過ごせないことですから。でも、そのままにして、誰かがどうにかしてくれればいいと思っていたのも事実です」
「そうだな。どうにかしてほしかったが、もう同じ過ちを繰り返さない。そのために私の婚約者になってほしい」


カヴィタは、それを聞いて婚約することにしたのだ。

婚約したというのだけを都合よく耳にしたプリヤは、ボロクソに2人を責め立てた。それを両親に言えば、どうにかしてくれると思ってのことだ。


「もう、いい加減にしてくれ!!」
「お父様?」


だが、いつもと同じようにはならなかった。


「あなたのせいで、この家はおしまいよ」
「お母様?」


公爵夫妻は、散々わがまま放題をさせていた娘のせいにするのに必死になっていた。いざとなれば、自分たちが可愛くなったのだ。

わがまま放題にさせられた。常識を教えずにきた自分たちが悪いと思うことはなかった。

急に言うことを聞いてくれなくなったように娘には見えて仕方がなかった。だから、彼女は……。


「あの女のせいなのに!」
「っ、その言い方をやめろと言っているんだ!!」 
「っ、」


父親に怒鳴られたことがあまりない娘は、それに肩を震わせた。

そんな風に声を荒げる父は初めてだった。何をしても、仕方がないとばかりに許してくれていた優しい父はそこにはいなかった。

プリヤには、わけがわからなかった。以前は許されていたことが、なぜ駄目になったのかが理解できなかったのだ。

そもそも、自分がやることなすことで、周りに色々言われても、両親に叱られた覚えがプリヤにはなかった。

叱るべき時に仕方がないとやり過ごしてきた弊害でしかなかった。

ある意味、そんな風に育てられたプリヤも被害者なのかもしれないが、このままにしては駄目なことすら気づけない人間になってしまっていた。


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