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しおりを挟むそんなこんなで、シャーロットの父によって調べられることになったが、出るは出るはの浮気の証拠に父と母は、ドン引きしていた。
弟ですら、そこまでなのかと言う顔をしていたが、姉のことで学園でも、この家の中でもすっかり、人を思いやれない子息となっていた。
落ちるところまで落ちた評判を立て直すのに必死になっているが、上手くはいっていない。
あの時のことをシャーロットは両親にしていないため、両親もシャーロットの婚約者のことで手一杯になっていて、耳に入っていないようだ。
それが入ったら、今回のシャーロットとアティカスの婚約破棄よりも、もっと大変なことになりそうだが、シャーロットはそれが面倒で黙っていた。
弟は、姉がその話をする気がないことにホッとしているようだが、姉がしなくともあれだけ人の目に触れたのだ。噂話にならないはずがないから、安心なんてできないはずなのだが、弟の頭の中は藁がつまっているようだ。
姉が言わなきゃバレることはないと思っているところが、そもそも甘い。
まぁ、そんな困った弟のことよりも、シャーロットの婚約はあっさりと破棄されることになった。
そもそも、あちらの子息が破棄を言い出したのだ。息子が言い出したことだと言っても、浮気の証拠がかなりあるため、そんな子息とこのまま婚約させておくはずがなかった。
あちらの家がごねることもなく、婚約破棄となり、慰謝料ももらえることになった。婚約はすんなりと破棄されることになった。
アティカスの家の方は息子が突然、破棄をしたいと言い出して頭を抱えていた。シャーロットとの婚約は彼の両親が必死に頼み込んで成り立ったものだが、よくよく聞けば、浮気をしまくっていて、その証拠の数に激怒して彼の両親は息子に怒っていた。
「お前は、なんてことをしてくれたんだ!!」
「そうですよ。婚約してもらうのに私たちがどれだけ苦労したことか」
それを聞いて、両親の苦労など知ったことではないとばかりにアティカスは、もう時間がないとばかりにしていた。ただ本命の令嬢と婚約したいと騒いでいた。
「そんなこと、どうでもいいんです! それよりも、早く婚約破棄したいんです!」
「どうでもいいですって!?」
「なんて言い草だ。私たちの苦労をまるでわかっていないようだな」
両親が怒り心頭になっていたが、息子はそれすらわかっていないようだった。
彼の頭の中では早くしなければ、本命の令嬢が王太子と婚約してしまうことばかりを気にしていて、それどころではないことにまで気が回らないようだ。いや、元より気が回っていたかは怪しいところだが。
そもそも、そこまでモテる理由が、シャーロットには全くわからなかった。世の令嬢たちは、こぞって浮気したくなるような子息だ。その魅力が、シャーロットには全くわからなかった。
そこに誤解があった。彼自身に魅力があってのことではなかった。浮気している令嬢たちは、シャーロットの婚約者となっている子息だから、浮気していたのだ。
シャーロットがあれだけ夢中になっている子息。シャーロットとしては、夢中になってなど全くいないのだが、必死に好きになろうとしていたのが、そう見えていたようだ。
それによって、アティカスはモテた。言い寄って来た令嬢たちと浮気を始めたのだ。そのうち、シャーロットのことなどどうでも良くなった令嬢たちは、それを楽しむようになっただけなのだ。
浮気と言っても、みんながしていることだ。だから、自分1人くらい紛れても大丈夫だと思っていたのもあったようだ。
そう、原因は全て勘違いだった。シャーロットの弟は、魅力がないからと言うが、浮気している令嬢たちからすれば、魅力的だったのだ。そんなシャーロットは一途に想う相手を共有し合うことで、勝てた気になっていたに過ぎなかった。
だが、シャーロットは心からアティカスのことを好きではなかった。婚約したから、好きになろうとし続けているだけで、好きにならねばならないと思い込んでいたにすぎなかった。
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