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『認められた皇女』
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しおりを挟む(ユーシュエン視点)
学び舎で好きなことに時間をお互い使おうと皇女が言い出したから、そうした。父に皇女の面倒を任せられているから、世話をやくのにも疲れていたから、丁度良かったが嬉しそうにしたら面倒だから一応は不満そうにしておいた。
婚約するのに学び舎に来ているというのに、私が側にいるせいで話しかけられないと思っているようだが、そんなことはない。
近づきにくいオーラを発しているのに気づいていないのだ。最近益々、酷くなっている。私は、幼なじみなこともあり全然平気だが、慣れない者にはきついはずだ。
それにその辺の令嬢なんかと一線を画した美貌のせいだ。本人は、その辺がまるでわかっていない。
幼なじみであり、護衛長の期待されている息子として、忙しくて訓練も鍛錬もする暇もない。
それに比べて、兄は皇太子となった皇子の護衛となった。しかも、婚約者の女のために。まったくもって意味がわからない。
まぁ、そのおかげで父の期待を一身に背負うことになったが、最近は母までも兄の味方となっている。どうやら、兄の婚約者を気に入ったようだ。女にうつつを抜かして出世を妨げた女のどこがいいのやら。
「お前、訓練どころか。日々の鍛錬を怠っているな?」
「っ、」
「そんなことでどうする。ジュンユーは、皇太子の側にいるが欠かしたことはないぞ」
「っ、」
女を選んだ兄の方ばかりを父は口にするようになった。それにどれだけ腹が立ったことか。
そんな時にそばを離れて休んでいたら、ディェリンの側に変なのがいると言われて、駆けつけた。……ちょっと、鍛錬を怠っていたようだ。息が切れて大変だったが、余裕そうにするのに休憩を挟んだ。誰にも気づかれていないはずだ。
そこにあいつが現れたのだ。ハオラン、兄のことでも忌々しいのに皇女に気に入られたと思って媚びを売るのに必死なところが、哀れだ。
そんなことを思っていたのに。これは、どうなっているんだ?
気づけば、みんなが白い服を着て喪に服していた。
あれ? さっきまで、皇城にいたはずなのにおかしい。
皇女は眠っているだけのように見えるのになぜ、みんなこんなにも静まり返っているんだ?
「ユーシュエン。しっかりしろ」
「?」
父や兄に何か言われているが、ちゃんとしているのに2人共、おかしなことを言う。
それになぜ、母までも、そんな顔をするのだろうか?
あぁ、ちゃんとしているし、しっかりもしているのに。なぜ、わけのわからないことばかりを言われるのかがわからない。
そうだ。皇女のところに行かなくては。私は、護衛なのだ。
これまた、いつの間にかいつもの服を着ていた。いつから、部屋にいたのだろうか? まぁいい。ここにはいられない。
「父上、皇女様は、どこですか?」
そう聞いても、うる覚えになってしまって、気づくと同じ事を聞いてしまっているようだ。疲れているようだ。
「休め。お前は、病気なんだ」
あぁ。そうなのか。通りで頭がぼんやりとする。
皇女の死によって幼なじみであり、護衛として側にいた若者は気を変にした。
でも、本人はさして辛そうではなかった。周りが辛そうだったが、ユーシュエンがそれに気づくことはなかった。
それにディェリンを好いていたが、好かれていなかったことにもこの若者は気づいていなかった。ただ、突然のことにディェリンの死を受け止められなかった彼は、自分の受け入れられる範囲で生きるしかできなかった。
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