歴史から消された皇女〜2人の皇女の願いが叶うまで終われない〜

珠宮さくら

文字の大きさ
49 / 50
エピローグ


2人の皇女の物語は、今度こそ、どちらも必要不可欠な存在として、人々に語られることになった。

そのため、今度は2人の皇女が生まれ変わっても幸せになれるようにと願い、ファバン大国では自分の幸せと自分の知っている人々の幸せを願い、そして行動し続けた。

誰かを犠牲にして保ち続ける国よりも、より一層輝いた国となっていった。

2人の皇女の兄である皇帝が、これまでの皇女のためにと何かと感謝の印と言いながら、生まれ変わって来た皇女に国をいざと言う時に助けてもらおうとするようなものとして、全てを廃止した。

それで、反発もあったが、まだリーシーが存命の時に相談していて……。


「そんな、ちっとも嬉しくありません」
「ちっともか?」
「はい。だって、これをやるから、見返りにこの国にまたなんかあったら、頼むみたいで凄く気分悪いです」
「……」
「生まれ変わった皇女は、まだ何も成しえていないのです。その皇女に返せないのなら、特権は無用です」
「わかった」


皇帝が、そうすると言うとリーシーは満足そうに微笑んだ。


「陛下」
「なんだ?」


皇太子だった頃とは違い、若くして皇帝となった彼は年相応よりも老けて見えた。


「私、とても幸せです。ディェリンも、花影と幸せを噛みしめて、先に逝きました。だから、もうご自分を不甲斐ないと思わないでください」
「っ、ディェリン皇女も、幸せだったと?」
「はい。私の分の幸せを残してくれたから、私はここに戻って来れたんです」


それが、皇帝との最後の対面だった。その言葉がなければ、再び妹を何もしてやれずに亡くした自責の念に押しつぶされていたことだろう。

ディェリンのことを皇帝は、得体の知れない力で魅了する悪しき者と思っていたのだ。

でも、実際は皇太子となるために色々してくれていたのにと思っていた。そこでディェリンが皇太女となりたくて画策していたことを勘違いしていた。

それに気づいていたリーシーは、そこを訂正することはなかった。ただ、遺して逝く兄に必要なことだけを伝えただけだった。

それによって、再び生まれ変わった彼女たちは、来世で逢おうと約束した愛してやまない人と一緒にいた。

そんな彼女たちは、時代の流れと共に様変わりした街角でばったり出くわすなり、お互いが誰なのかがわかった。

こんなところで会うのかと思うことなく、出会い頭に笑い合った。

まるで、昔からの懐かしい友達であり、親友であり、家族に会ったかのようにさも当たり前のようにしていた。

そんな風に出会うことに驚くこともなく、当たり前のように2人は、その出会いを受け入れた。


あなたにおすすめの小説

【完結】王子妃候補をクビになった公爵令嬢は、拗らせた初恋の思い出だけで生きていく

たまこ
恋愛
 10年の間、王子妃教育を受けてきた公爵令嬢シャーロットは、政治的な背景から王子妃候補をクビになってしまう。  多額の慰謝料を貰ったものの、婚約者を見つけることは絶望的な状況であり、シャーロットは結婚は諦めて公爵家の仕事に打ち込む。  もう会えないであろう初恋の相手のことだけを想って、生涯を終えるのだと覚悟していたのだが…。

【完結】彼を幸せにする十の方法

玉響なつめ
恋愛
貴族令嬢のフィリアには婚約者がいる。 フィリアが望んで結ばれた婚約、その相手であるキリアンはいつだって冷静だ。 婚約者としての義務は果たしてくれるし常に彼女を尊重してくれる。 しかし、フィリアが望まなければキリアンは動かない。 婚約したのだからいつかは心を開いてくれて、距離も縮まる――そう信じていたフィリアの心は、とある夜会での事件でぽっきり折れてしまった。 婚約を解消することは難しいが、少なくともこれ以上迷惑をかけずに夫婦としてどうあるべきか……フィリアは悩みながらも、キリアンが一番幸せになれる方法を探すために行動を起こすのだった。 ※小説家になろう・カクヨムにも掲載しています。

いつも隣にいる

はなおくら
恋愛
心の感情を出すのが苦手なリチアには、婚約者がいた。婚約者には幼馴染がおり常にリチアの婚約者の後を追う幼馴染の姿を見ても羨ましいとは思えなかった。しかし次第に婚約者の気持ちを聞くうちに変わる自分がいたのだった。

目覚めたら公爵夫人でしたが夫に冷遇されているようです

MIRICO
恋愛
フィオナは没落寸前のブルイエ家の長女。体調が悪く早めに眠ったら、目が覚めた時、夫のいる公爵夫人セレスティーヌになっていた。 しかし、夫のクラウディオは、妻に冷たく視線を合わせようともしない。 フィオナはセレスティーヌの体を乗っ取ったことをクラウディオに気付かれまいと会う回数を減らし、セレスティーヌの体に入ってしまった原因を探そうとするが、原因が分からぬままセレスティーヌの姉の子がやってきて世話をすることに。 クラウディオはいつもと違う様子のセレスティーヌが気になり始めて……。 ざまあ系ではありません。恋愛中心でもないです。事件中心軽く恋愛くらいです。 番外編は暗い話がありますので、苦手な方はお気を付けください。 ご感想ありがとうございます!! 誤字脱字等もお知らせくださりありがとうございます。順次修正させていただきます。 小説家になろう様に掲載済みです。

辺境伯へ嫁ぎます。

アズやっこ
恋愛
私の父、国王陛下から、辺境伯へ嫁げと言われました。 隣国の王子の次は辺境伯ですか… 分かりました。 私は第二王女。所詮国の為の駒でしかないのです。 例え父であっても国王陛下には逆らえません。 辺境伯様… 若くして家督を継がれ、辺境の地を護っています。 本来ならば第一王女のお姉様が嫁ぐはずでした。 辺境伯様も10歳も年下の私を妻として娶らなければいけないなんて可哀想です。 辺境伯様、大丈夫です。私はご迷惑はおかけしません。 それでも、もし、私でも良いのなら…こんな小娘でも良いのなら…貴方を愛しても良いですか?貴方も私を愛してくれますか? そんな望みを抱いてしまいます。  ❈ 作者独自の世界観です。  ❈ 設定はゆるいです。  (言葉使いなど、優しい目で読んで頂けると幸いです)  ❈ 誤字脱字等教えて頂けると幸いです。  (出来れば望ましいと思う字、文章を教えて頂けると嬉しいです)

噂の悪女が妻になりました

はくまいキャベツ
恋愛
ミラ・イヴァンチスカ。 国王の右腕と言われている宰相を父に持つ彼女は見目麗しく気品溢れる容姿とは裏腹に、父の権力を良い事に贅沢を好み、自分と同等かそれ以上の人間としか付き合わないプライドの塊の様な女だという。 その名前は国中に知れ渡っており、田舎の貧乏貴族ローガン・ウィリアムズの耳にも届いていた。そんな彼に一通の手紙が届く。その手紙にはあの噂の悪女、ミラ・イヴァンチスカとの婚姻を勧める内容が書かれていた。

【完結】白い結婚成立まであと1カ月……なのに、急に家に帰ってきた旦那様の溺愛が止まりません!?

氷雨そら
恋愛
3年間放置された妻、カティリアは白い結婚を宣言し、この結婚を無効にしようと決意していた。 しかし白い結婚が認められる3年を目前にして戦地から帰ってきた夫は彼女を溺愛しはじめて……。 夫は妻が大好き。勘違いすれ違いからの溺愛物語。 小説家なろうにも投稿中

【本編完結】王子の寝た子を起こしたら、夢見る少女では居られなくなりました!

こさか りね
恋愛
私、フェアリエル・クリーヴランドは、ひょんな事から前世を思い出した。 そして、気付いたのだ。婚約者が私の事を良く思っていないという事に・・・。 婚約者の態度は前世を思い出した私には、とても耐え難いものだった。 ・・・だったら、婚約解消すれば良くない? それに、前世の私の夢は『のんびりと田舎暮らしがしたい!』と常々思っていたのだ。 結婚しないで済むのなら、それに越したことはない。 「ウィルフォード様、覚悟する事ね!婚約やめます。って言わせてみせるわ!!」 これは、婚約解消をする為に奮闘する少女と、本当は好きなのに、好きと気付いていない王子との攻防戦だ。 そして、覚醒した王子によって、嫌でも成長しなくてはいけなくなるヒロインのコメディ要素強めな恋愛サクセスストーリーが始まる。 ※序盤は恋愛要素が少なめです。王子が覚醒してからになりますので、気長にお読みいただければ嬉しいです。 ※本編完結しました。 ※後日談を更新中です。