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エピローグ
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しおりを挟む2人の皇女の物語は、今度こそ、どちらも必要不可欠な存在として、人々に語られることになった。
そのため、今度は2人の皇女が生まれ変わっても幸せになれるようにと願い、ファバン大国では自分の幸せと自分の知っている人々の幸せを願い、そして行動し続けた。
誰かを犠牲にして保ち続ける国よりも、より一層輝いた国となっていった。
2人の皇女の兄である皇帝が、これまでの皇女のためにと何かと感謝の印と言いながら、生まれ変わって来た皇女に国をいざと言う時に助けてもらおうとするようなものとして、全てを廃止した。
それで、反発もあったが、まだリーシーが存命の時に相談していて……。
「そんな、ちっとも嬉しくありません」
「ちっともか?」
「はい。だって、これをやるから、見返りにこの国にまたなんかあったら、頼むみたいで凄く気分悪いです」
「……」
「生まれ変わった皇女は、まだ何も成しえていないのです。その皇女に返せないのなら、特権は無用です」
「わかった」
皇帝が、そうすると言うとリーシーは満足そうに微笑んだ。
「陛下」
「なんだ?」
皇太子だった頃とは違い、若くして皇帝となった彼は年相応よりも老けて見えた。
「私、とても幸せです。ディェリンも、花影と幸せを噛みしめて、先に逝きました。だから、もうご自分を不甲斐ないと思わないでください」
「っ、ディェリン皇女も、幸せだったと?」
「はい。私の分の幸せを残してくれたから、私はここに戻って来れたんです」
それが、皇帝との最後の対面だった。その言葉がなければ、再び妹を何もしてやれずに亡くした自責の念に押しつぶされていたことだろう。
ディェリンのことを皇帝は、得体の知れない力で魅了する悪しき者と思っていたのだ。
でも、実際は皇太子となるために色々してくれていたのにと思っていた。そこでディェリンが皇太女となりたくて画策していたことを勘違いしていた。
それに気づいていたリーシーは、そこを訂正することはなかった。ただ、遺して逝く兄に必要なことだけを伝えただけだった。
それによって、再び生まれ変わった彼女たちは、来世で逢おうと約束した愛してやまない人と一緒にいた。
そんな彼女たちは、時代の流れと共に様変わりした街角でばったり出くわすなり、お互いが誰なのかがわかった。
こんなところで会うのかと思うことなく、出会い頭に笑い合った。
まるで、昔からの懐かしい友達であり、親友であり、家族に会ったかのようにさも当たり前のようにしていた。
そんな風に出会うことに驚くこともなく、当たり前のように2人は、その出会いを受け入れた。
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