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第二世界:闘戯伝説
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《闘戯世界:無窮の神殿》
この世界は身を守る”結界術”と、それを破壊する術理に長けている。
どれだけ攻撃されようと結界が破れなければダメージはない。
逆に結界が壊されてしまえばその反動で気絶して戦闘不能となる。
簡単に言えば格ゲーのような世界である。
「フッフッフッ、また魔剣の錆となる獲物がやってきたか」
神殿の玉座には不敵な笑みを浮かべた魔王がいた。
「ようやく見つけたぞ魔王。今日という日がお前の最期だ!」
「お前に滅ぼされた故郷の皆の仇、覚悟しろ!」
俺の隣にはこれまで何度も一緒に死線を潜り抜けた仲間、長く綺麗な髪をなびかせるジータがいる。
こいつとなら、俺はどんな奴とだって戦える!
「ただの食べ残し如きが、よく吠えるものだ」
「その大口、今すぐ閉じさせてやる! ハアアアアア!!」
ジータが長剣を抜き魔王に斬りかかるが、魔王の持つ魔剣によって防がれる。
あれこそが魔王の強さの秘訣でもある【パワーブリンガー】だ。
殺せば殺すほどその鋭さを、硬さを、強さを与えるその魔剣は持ち主に比類なき力を与える。
もはや目的の為に剣を振るうのではなく、強さに溺れて剣の為に目的を探すようになる忌まわしき魔剣である。
「ぐうっ!?」
「最初の威勢はどうした? お前の怒りとはその程度のものか?」
最初は押しているように見えたが、徐々にジータの形勢が不利になっていく。
このままでは押し切られると見たのか、ジータが必殺技の構えをとる。
「七刃雷廻!」
ジータの持つ長剣に雷が纏わり、その剣を振るう毎に電撃による追加攻撃が発生する。
さらに遅れて軌跡が描かれる残像にも攻撃判定があり、一撃で七度の攻撃が可能となっており、これを10回繰り返す。
必ず殺すと書いて必殺技!
これを喰らって生きていた奴は一人もいない!
「……この程度か」
しかし魔王は涼しい顔でこの連撃を”防御結界”で難なく防いでいる。
「ぐっ、だがまだだ! 七刃雷廻!」
ジータは最後の一振りを終えてから、再び同じ必殺技を繰り出す。
普通の必殺技であれば終わった瞬間にカウンターを合わせられるだろうが、七刃雷廻は攻撃判定がしばらく残るのでこうやって連続で使うことができるのだ。
しかし強力な必殺技ほど制限がある。
”多重結界”は攻撃する度に、逆に攻撃を受ける度に発生するエネルギーの一部を身体の”内燃器官”に送り、それを利用して必殺技を使っているのだ。
この内燃器官に蓄えられたエネルギーがなくなれば必殺技が撃てなくなる。
つまりこの状況を打開する方法がなくなるということだ。
「切り札を出すのが早すぎたようだな。この技の最後が、貴様の終わりだ!」
「いいや、まだだ! 七刃雷廻!」
そして三度目の必殺技を放ったところで、魔王の顔色が変わる。
強力な必殺技ほど必要なエネルギーが多くなるというのに、ジータの勢いが止まらないからだ。
「七刃雷廻! 七刃雷廻!」
「ど、どういうことだ! どうして大技を連発できる!?」
そこでジータの後ろにいる俺と、魔王の目が遭った。
「……貴様、そこで何をしている?」
「ジータを殴ってます」
「……何故だ?」
「ゲージ管理です」
結界を経由して”内燃器官”にエネルギーを送ることができるというのなら、それは味方の攻撃でもいいわけだ。
だから俺はここで結界にダメージは与えないけれど、”内燃器官”にエネルギーは送られるギリギリの攻撃をここでひたすら連打している。
七刃雷廻を使用中にも”内燃器官”へのエネルギー供給は止まらない。
そして七刃雷廻の効果時間はそれなりに長い。
つまるところ……。
「防御結界で防いだが最後、そのまま動きを封じてハメ殺しだ」
「これは父の分、七刃雷廻! これは母の分、七刃雷廻! そしてこれは長老の分、七刃雷廻!」
こうやって喋ってる間もジータは必殺技で魔王を削り続けている。
あと一分もしない内に魔王の結界は破壊されることだろう。
「…………待て、話をしよう」
「分かった。手は止めないから好きなだけ話していいぞ」
魔王の顔色が絶望一色となった。
すまんが俺はジータの味方なんだ、諦めてくれ。
「これはお前が殺した人の分! お前が不幸にした人の分! 七刃雷廻! 七刃雷廻! 七刃雷廻ぉぉおおおお!!」
「こんな! こんな方法でこの私がああああああ!!」
魔王の結界が壊れ、守るものがなくなる。
だが七刃雷廻の攻撃はまだ残っている。
気絶している魔王の身体を何度も何度も切り裂かれ、バラバラとなってしまった。
「はぁ……はぁ……勝った、のか?」
「ああ! ジータの勝ちだ、ようやく仇討ちできたな」
「いいや、お前がいてくれたからだ。俺達の勝利だ!」
命を奪い続ける魔王と魔剣はこの世から去り、世界に平和が訪れた。
俺とジータは長く苦しい一ヶ月の復讐の旅が終わりを喜び合い、熱い抱擁を交わした。
この世界は身を守る”結界術”と、それを破壊する術理に長けている。
どれだけ攻撃されようと結界が破れなければダメージはない。
逆に結界が壊されてしまえばその反動で気絶して戦闘不能となる。
簡単に言えば格ゲーのような世界である。
「フッフッフッ、また魔剣の錆となる獲物がやってきたか」
神殿の玉座には不敵な笑みを浮かべた魔王がいた。
「ようやく見つけたぞ魔王。今日という日がお前の最期だ!」
「お前に滅ぼされた故郷の皆の仇、覚悟しろ!」
俺の隣にはこれまで何度も一緒に死線を潜り抜けた仲間、長く綺麗な髪をなびかせるジータがいる。
こいつとなら、俺はどんな奴とだって戦える!
「ただの食べ残し如きが、よく吠えるものだ」
「その大口、今すぐ閉じさせてやる! ハアアアアア!!」
ジータが長剣を抜き魔王に斬りかかるが、魔王の持つ魔剣によって防がれる。
あれこそが魔王の強さの秘訣でもある【パワーブリンガー】だ。
殺せば殺すほどその鋭さを、硬さを、強さを与えるその魔剣は持ち主に比類なき力を与える。
もはや目的の為に剣を振るうのではなく、強さに溺れて剣の為に目的を探すようになる忌まわしき魔剣である。
「ぐうっ!?」
「最初の威勢はどうした? お前の怒りとはその程度のものか?」
最初は押しているように見えたが、徐々にジータの形勢が不利になっていく。
このままでは押し切られると見たのか、ジータが必殺技の構えをとる。
「七刃雷廻!」
ジータの持つ長剣に雷が纏わり、その剣を振るう毎に電撃による追加攻撃が発生する。
さらに遅れて軌跡が描かれる残像にも攻撃判定があり、一撃で七度の攻撃が可能となっており、これを10回繰り返す。
必ず殺すと書いて必殺技!
これを喰らって生きていた奴は一人もいない!
「……この程度か」
しかし魔王は涼しい顔でこの連撃を”防御結界”で難なく防いでいる。
「ぐっ、だがまだだ! 七刃雷廻!」
ジータは最後の一振りを終えてから、再び同じ必殺技を繰り出す。
普通の必殺技であれば終わった瞬間にカウンターを合わせられるだろうが、七刃雷廻は攻撃判定がしばらく残るのでこうやって連続で使うことができるのだ。
しかし強力な必殺技ほど制限がある。
”多重結界”は攻撃する度に、逆に攻撃を受ける度に発生するエネルギーの一部を身体の”内燃器官”に送り、それを利用して必殺技を使っているのだ。
この内燃器官に蓄えられたエネルギーがなくなれば必殺技が撃てなくなる。
つまりこの状況を打開する方法がなくなるということだ。
「切り札を出すのが早すぎたようだな。この技の最後が、貴様の終わりだ!」
「いいや、まだだ! 七刃雷廻!」
そして三度目の必殺技を放ったところで、魔王の顔色が変わる。
強力な必殺技ほど必要なエネルギーが多くなるというのに、ジータの勢いが止まらないからだ。
「七刃雷廻! 七刃雷廻!」
「ど、どういうことだ! どうして大技を連発できる!?」
そこでジータの後ろにいる俺と、魔王の目が遭った。
「……貴様、そこで何をしている?」
「ジータを殴ってます」
「……何故だ?」
「ゲージ管理です」
結界を経由して”内燃器官”にエネルギーを送ることができるというのなら、それは味方の攻撃でもいいわけだ。
だから俺はここで結界にダメージは与えないけれど、”内燃器官”にエネルギーは送られるギリギリの攻撃をここでひたすら連打している。
七刃雷廻を使用中にも”内燃器官”へのエネルギー供給は止まらない。
そして七刃雷廻の効果時間はそれなりに長い。
つまるところ……。
「防御結界で防いだが最後、そのまま動きを封じてハメ殺しだ」
「これは父の分、七刃雷廻! これは母の分、七刃雷廻! そしてこれは長老の分、七刃雷廻!」
こうやって喋ってる間もジータは必殺技で魔王を削り続けている。
あと一分もしない内に魔王の結界は破壊されることだろう。
「…………待て、話をしよう」
「分かった。手は止めないから好きなだけ話していいぞ」
魔王の顔色が絶望一色となった。
すまんが俺はジータの味方なんだ、諦めてくれ。
「これはお前が殺した人の分! お前が不幸にした人の分! 七刃雷廻! 七刃雷廻! 七刃雷廻ぉぉおおおお!!」
「こんな! こんな方法でこの私がああああああ!!」
魔王の結界が壊れ、守るものがなくなる。
だが七刃雷廻の攻撃はまだ残っている。
気絶している魔王の身体を何度も何度も切り裂かれ、バラバラとなってしまった。
「はぁ……はぁ……勝った、のか?」
「ああ! ジータの勝ちだ、ようやく仇討ちできたな」
「いいや、お前がいてくれたからだ。俺達の勝利だ!」
命を奪い続ける魔王と魔剣はこの世から去り、世界に平和が訪れた。
俺とジータは長く苦しい一ヶ月の復讐の旅が終わりを喜び合い、熱い抱擁を交わした。
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