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第三章 建国祭と学園と
45.その頃の精霊の国
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ファーブル王国のある場所から、精霊の国への道がある。厳密には、通り道のようなもの、の表現が正しいのかも。
川は限りなく透明に輝き、木々草花が歌うように咲き誇る美しいところ。
妖精王のオベロンと、その妻ティターニアが暮らす、幻想的な国。そこには生まれたばかりの沢山の妖精たちも飛び交っている。
『ティティ?浮かぬ顔をして、どうした?』
巨大なツリーハウスのような、リリアンナが見れば絶対はしゃぐその城で、オベロンは妻の顔をそっと撫でた。
『オベロン……何でも……いえ、あれからもうすぐ千年だと、思って』
オベロンは、愛しい妻を後ろからそっと抱きしめた。
『そうさな……。しかし、精霊たちも立派に成長し、妖精たちもまた活発に人たちと関わり始めておる。更に愛し子たちもおるし、今のファーブル王国は光で満ちている。そなたのそれは、きっと杞憂で終わる』
『そう、ね……』
優しい夫の言葉に、ティターニアは儚げに微笑むが、どこか不安が拭えずにいて。
『『……千年後だ、それならいいでしょう?ニア。僕は……』』
『『クリム、クリム。お願い、その執着を手放して……でないと……!』』
千年前の記憶を思い出す。人間にとっては悠久のその時間は、精霊にとっては一瞬、とまではいかないけれど、昨日のことのように思い出す。
オベロンとティターニアは、女神の眷属のような、子どものようなものだ。1000年よりも前、まだまだ、魔が人の隣にあった頃、ファーブル王国を造り守護するために生まれた。たくさんの、様々な精霊や妖精と共に。
女神も女神であるために、修行のようなものがある。国を守護するのも、その一環だ。その頃は、オべロンもティターニアも、まだまだ半人前の精霊に過ぎなくて。それでも女神様の治世のために、バラバラの人間をまとめ、魔の脅威から人々を守っていた。
彼は、確かに闇で「魔」だった。
太陽と輝く大地とそこに育つ美しい花々を愛する自分たちと、確かに真逆、なのかもしれない。
でも、夜の輝く星空だって、同じくらい大好きだ。そこに嘘はない。
みんなは、ティターニアのせいではないと言う。けれど、自分では。自分は、あの時何を間違えたのか。
今でも答えが出せずにいる。
『わたくしは……どうすることが正しかったのか、今でも分からなくて』
『彼の者に対しては皆で精一杯やったであろう。あやつに非があるのも否定できまい』
二人は、犠牲になったたくさんの妖精と人間を思い出し、痛ましい顔する。
『……これ以上、罪を重ねさせぬことが、我々の使命だ。そしてティティ、お主のことは必ず守る』
『……そうね。ありがとう、オベロン』
今や強大な魔力を誇る誇り高き精霊王。自分も、魔力では引けを取らないのもティターニアだって分かっている。二人がつがい、四大精霊が生まれた。
それでも。
(強すぎる光には強い影が生まれてしまうのも、また……)
燻る不安は、消せずにいた。
川は限りなく透明に輝き、木々草花が歌うように咲き誇る美しいところ。
妖精王のオベロンと、その妻ティターニアが暮らす、幻想的な国。そこには生まれたばかりの沢山の妖精たちも飛び交っている。
『ティティ?浮かぬ顔をして、どうした?』
巨大なツリーハウスのような、リリアンナが見れば絶対はしゃぐその城で、オベロンは妻の顔をそっと撫でた。
『オベロン……何でも……いえ、あれからもうすぐ千年だと、思って』
オベロンは、愛しい妻を後ろからそっと抱きしめた。
『そうさな……。しかし、精霊たちも立派に成長し、妖精たちもまた活発に人たちと関わり始めておる。更に愛し子たちもおるし、今のファーブル王国は光で満ちている。そなたのそれは、きっと杞憂で終わる』
『そう、ね……』
優しい夫の言葉に、ティターニアは儚げに微笑むが、どこか不安が拭えずにいて。
『『……千年後だ、それならいいでしょう?ニア。僕は……』』
『『クリム、クリム。お願い、その執着を手放して……でないと……!』』
千年前の記憶を思い出す。人間にとっては悠久のその時間は、精霊にとっては一瞬、とまではいかないけれど、昨日のことのように思い出す。
オベロンとティターニアは、女神の眷属のような、子どものようなものだ。1000年よりも前、まだまだ、魔が人の隣にあった頃、ファーブル王国を造り守護するために生まれた。たくさんの、様々な精霊や妖精と共に。
女神も女神であるために、修行のようなものがある。国を守護するのも、その一環だ。その頃は、オべロンもティターニアも、まだまだ半人前の精霊に過ぎなくて。それでも女神様の治世のために、バラバラの人間をまとめ、魔の脅威から人々を守っていた。
彼は、確かに闇で「魔」だった。
太陽と輝く大地とそこに育つ美しい花々を愛する自分たちと、確かに真逆、なのかもしれない。
でも、夜の輝く星空だって、同じくらい大好きだ。そこに嘘はない。
みんなは、ティターニアのせいではないと言う。けれど、自分では。自分は、あの時何を間違えたのか。
今でも答えが出せずにいる。
『わたくしは……どうすることが正しかったのか、今でも分からなくて』
『彼の者に対しては皆で精一杯やったであろう。あやつに非があるのも否定できまい』
二人は、犠牲になったたくさんの妖精と人間を思い出し、痛ましい顔する。
『……これ以上、罪を重ねさせぬことが、我々の使命だ。そしてティティ、お主のことは必ず守る』
『……そうね。ありがとう、オベロン』
今や強大な魔力を誇る誇り高き精霊王。自分も、魔力では引けを取らないのもティターニアだって分かっている。二人がつがい、四大精霊が生まれた。
それでも。
(強すぎる光には強い影が生まれてしまうのも、また……)
燻る不安は、消せずにいた。
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