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序章
第三話 『効率的なプランとスースーする布』
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混乱に伴う声の群れが、一瞬だけ、しんと静まりかえる。
誰もがそのわずかな文章を食い入るように見つめ、一文字たりとも読み飛ばすまいと集中した。
だが、どう見てもそれは、この状況に対するあふれるような疑問を解消してくれるほどの情報量を備えてはいなかった。
「いち、じゅう……百万? SP? なんだよそれ!」
「ゲームクリア? そうすれば……このゲームから出させてくれるのか?」
「戦闘? ヘルプってどこ? どうやって見ればいいの!?」
「なんだよこの顔文字!」
静寂は長くは続かず、人々はすぐにまたわめき始める。
しかしその短い猶予は、アレンにとっては僥倖だった。
「通らせてもらうぞ……っと。ふうっ、ようやく抜けた……」
周囲の誰もが突然のメッセージウィンドウに釘付けになっている間、アレンはそれを読むことよりも、とにかく人混みを抜けることを優先した。
薄い体をねじ込み、人と人の間をすり抜けるにして、なんとか密集地帯を抜け出す。
それから改めてウィンドウを確認した。
「100万SP……SPってのは、この常に表示されてる数値か」
視界の端で、HPバーの下にある数字。今は、1000となっている。
これを1000倍にしなければならないというわけだ。
(既に簡単じゃなさそうだな……。とにかく、この場違いな顔文字がついた補足の言う通り、ヘルプとやらを参照して詳しいことを知るべきか……)
触れると、メッセージウィンドウはいともたやすく消失する。
肝心のヘルプの開き方がわからない。困惑しかけたアレンだったが、『ヘルプを開きたい』と頭の中で思った時には、サイズの違うまた新たなウィンドウが現れ出ていた。
「……こりゃ便利だな」
ひょっとしてArcheの脳波操作が生きているのか。いや、そもそも意識ごと取り込んでいる時点でこの程度は簡単にできてしまうのかもしれない。
ヘルプには、アレンの想像以上の項目が存在した。
具体的には『SPランキング』『モンスター』『NPC』『LV』『HP』『SP』『ユニークスキル』『ボーナスアイテム』『イベント』『ギルド』『ギルドフラッグ』『ギルドハウス』『ユーティリティ』……等々。
すべてに目を通していれば日が暮れてしまう。
アレンはとりあえず、SPの項目だけ手で触れてみた。元のウィンドウと紐づいた新たな矩形領域が視界内に現れる。
『SP:戦闘に勝利すると加算されるポイント。消費することでユニークスキルが使えるほか、他の転移者やNPCとの取引における通貨代わりにもなる』
端的な一文。目を通し、アレンは思わず息をついた。
(FPS以外のゲームには詳しくないが……なんだか不思議なシステムのように思える)
ユニークスキルというのはまだ不明だが、通貨にもなるポイントを消費するというのは、いささか珍しいように感じた。RPGで魔法を使うのに、MPではなくお金を消費するようなものだ。
しかもゲームクリアにはそれを100万貯めなければならない……。
節制生活、の四文字が頭に浮かんだ。
「まあ、ことはそう単純でもないんだろうけど」
ちらと、今しがた抜けてきた群衆の方を見る。集められた転移者たちのほとんどはまだ無意味に騒ぎ続けている。ここから出せ、ゲームをやめさせろ、と。
その中でもちらほらと、アレンのように、群れから離れていく人の姿が目についた。
そう。ここで騒いでいても状況はなんら進展しない。
すべきことは山ほどあった。まず周囲の把握だ。この中世の町のような場所は、どの程度の規模で、どういった構造を擁しているのか。軽く見回しただけでも、どうにも道がぶつ切りになっていたり、曲がりくねっていたりと謎めいた造りをしているのがわかる。
次に、落ち着いた場所でヘルプにもすべて目を通すべきだ。そうして初めて、行動の指針を立てることが可能になる。
(そうだ……慎重にならないと)
今やアレンは一時的に、自分がArcheを起動した目的を忘れていた。それほどまでに危機感を抱いている。
なにせ、あの白い空間の、白髪の少女は——
これを『デスゲーム』と呼んでいたのだから。
雑踏を尻目に、アレンは踵を返した。
そして町を一望できそうな場所はないかと周囲を見渡す。
高台かなにかでもあれば好都合だ。登れそうな鐘楼だとか、そういった建物でもいい。
だが目当てのものが目に入るより先に、ふと何気なく、一陣の風がアレンを撫でつけた。
「…………。ん?」
ふわり、と足元で慣れない感覚。
見ればスカートの裾が、今しがたの風で軽くはためいていた。
(スカート? え? 俺が?)
あまりに今さらな話——
アレンは自らが、ふくらはぎほどまでの丈をしたパステルブルーのスカートを着用していることに気がついた。
「————っ!?」
思わず手で膝の辺りを抑える。
一番の失態は、あの白い空間で服装に意識を向ける余裕がなかったことだ。あそこは無風だったし、姿見を見た時も、少女の容姿になったことで変化した背丈や髪、なにより顔立ちにばかり驚いて気を配れなかった。
ただ外に出て、自分がスカートを履いていることに気がつくと——
(は……恥ずかしい! なんだこれ!?)
デスゲームの緊張を吹き飛ばすほどの羞恥に襲われ、顔が熱くなるのを感じる。
空気が脚に触れるたび、強烈な違和感に襲われる。
それもそうだろう。アレンは肉体的にも精神的にも二十年間男性で、スカートなんて履いたことは一度もなかった。だから、外気を脚の肌で感じるという状況は初めてで、それはともすると下着を丸出しで歩いているような錯覚を伴った。
(世の女性はみんなこの状態で平然としてるのか!? そんなの……薄い布一枚の下に下着があるなんて、おかしいだろ! 絶対おかしい!!)
なんらおかしくはなかったが、アレンは動転していた。
人の目を逃れるように、スカートを押さえつけたまま建物の陰へそそくさと移動する。
「くっ……どんな姿になろうと俺は男だ。スカートを履かされるだなんて、こんな屈辱……くそっ、あの白い髪の子どもめ! あいつが俺の体を女にしたせいでこんなことに……!」
結局自らは名を名乗ろうともしなかった、あの白い空間の、白髪の少女の笑みが脳裏に浮かぶ。
性別を間違えたのはアレン自身のミスだったが、まだ気がついてはいなかった。
アレンは壁際をこそこそと歩き、街を見渡して目的の店を探す。
プランは変更だ。町の全容の把握も、ヘルプに目を通すのも後回し。優先事項が書き換わった。
今は——
「このスースーする布をなんとかしねえと……!」
服屋が必要だ。こんな状態では、なにをするにも手が付かない。
今やチーターのレッテルを貼られ、インターネット上に顔を出せば袋叩きに遭うアレンも、現役の頃は別の称号をその名に冠していた。
人呼んで『鷹の眼』。
さながらスパイのように人目を避け、入り組んだ通りを内股気味に進みながら、アレンはその才能と努力の両方によって裏打ちされた卓越したプレイヤースキルを、ただ服屋を探すためだけに働かせる。
そして、それらしき店を通りの一角に視認すると、街路を通る人のいなくなったわずかな隙に、敵の待つエリアに突入する突撃兵の動きで一切の隙なく入店した。
「いらっしゃいませー」
無駄に素早くダイナミックな動きで店のドアを開け放ち、転がり込むように侵入してきたアレンに対し、制服を着込んだ店員の女性は特別な反応を示すこともなくカウンター越しにお辞儀する。
そこは幅広いラインナップの装備屋で、服のみならず、鎧や兜、それから剣のような武器まで揃えているRPGには欠かせないショップだった。時間が経って広場の混乱が落ち着けば、ここには多くの転移者が押し寄せるだろう。その前にアレンが来れたのは幸運だった。
「あ、あの」
「はい」
「……?」
店員とはいえ、心が男性なのに、スカート姿を見られるのは恥ずかしい。
そのためもじもじとしながらカウンターの女性に話しかけたアレンだったが、すぐに疑問が降って湧く。
女性の立ち姿に、奇妙な、機械仕掛けのような感覚を覚えた。一見するとただの人間にしか映らないが、よくよく見ると表情に生気がなく、所作もなんだか自然味に欠けていた。
まさかと思い、アレンは質問を中断し、ヘルプを開いてみる。その中の『NPC』の項目を開いた。現れたメッセージウィンドウに目を通す。
『非転移者のこと。転移者と違い、近づいても頭の上にIDの表示がされない。多くはSPを消費することで取引が可能』
——転移者は頭の上にIDが出てくるのか。
早速アレンは、店員の女性の顔をじっと見つめてみた。いきなり不躾な視線を向けられても、彼女はやはり微動だにせず、気にした様子もない。そして思った通り、その頭上にIDらしきものが現れることもない。
NPC。つまり、人間ではない。
どうやら街の機能はこうしたNPCが支えているようだ。
相手が人でないのなら、スカート姿を見られる羞恥心もずっと和らぐ。アレンはほっと息をついて、改めて問いかけた。
「ズボンが欲しいんだけど……」
「こちらです。値段は一律となっております」
「なら、これでいい」
とにかくスカートでなければなんでもよかった。左右の足を、それぞれ別の場所に通したかった。
この際大きさも多少不格好だろうが構わない。アレンは適当に、黒いスラックスらしきものを手に取った。
「お買い上げありがとうございます。こちらで装備していきますか?」
「て、定番の質問……それ、『はい』って言えばどうなる?」
「あちらの試着室でお着替えに」
「ああ、なんだ……じゃあそうするよ。えっと、そういえば値段を聞いてなかった。いくらになるんだ?」
「はい。1000SPになります」
「えっ」
アレンは一文なしになった。
誰もがそのわずかな文章を食い入るように見つめ、一文字たりとも読み飛ばすまいと集中した。
だが、どう見てもそれは、この状況に対するあふれるような疑問を解消してくれるほどの情報量を備えてはいなかった。
「いち、じゅう……百万? SP? なんだよそれ!」
「ゲームクリア? そうすれば……このゲームから出させてくれるのか?」
「戦闘? ヘルプってどこ? どうやって見ればいいの!?」
「なんだよこの顔文字!」
静寂は長くは続かず、人々はすぐにまたわめき始める。
しかしその短い猶予は、アレンにとっては僥倖だった。
「通らせてもらうぞ……っと。ふうっ、ようやく抜けた……」
周囲の誰もが突然のメッセージウィンドウに釘付けになっている間、アレンはそれを読むことよりも、とにかく人混みを抜けることを優先した。
薄い体をねじ込み、人と人の間をすり抜けるにして、なんとか密集地帯を抜け出す。
それから改めてウィンドウを確認した。
「100万SP……SPってのは、この常に表示されてる数値か」
視界の端で、HPバーの下にある数字。今は、1000となっている。
これを1000倍にしなければならないというわけだ。
(既に簡単じゃなさそうだな……。とにかく、この場違いな顔文字がついた補足の言う通り、ヘルプとやらを参照して詳しいことを知るべきか……)
触れると、メッセージウィンドウはいともたやすく消失する。
肝心のヘルプの開き方がわからない。困惑しかけたアレンだったが、『ヘルプを開きたい』と頭の中で思った時には、サイズの違うまた新たなウィンドウが現れ出ていた。
「……こりゃ便利だな」
ひょっとしてArcheの脳波操作が生きているのか。いや、そもそも意識ごと取り込んでいる時点でこの程度は簡単にできてしまうのかもしれない。
ヘルプには、アレンの想像以上の項目が存在した。
具体的には『SPランキング』『モンスター』『NPC』『LV』『HP』『SP』『ユニークスキル』『ボーナスアイテム』『イベント』『ギルド』『ギルドフラッグ』『ギルドハウス』『ユーティリティ』……等々。
すべてに目を通していれば日が暮れてしまう。
アレンはとりあえず、SPの項目だけ手で触れてみた。元のウィンドウと紐づいた新たな矩形領域が視界内に現れる。
『SP:戦闘に勝利すると加算されるポイント。消費することでユニークスキルが使えるほか、他の転移者やNPCとの取引における通貨代わりにもなる』
端的な一文。目を通し、アレンは思わず息をついた。
(FPS以外のゲームには詳しくないが……なんだか不思議なシステムのように思える)
ユニークスキルというのはまだ不明だが、通貨にもなるポイントを消費するというのは、いささか珍しいように感じた。RPGで魔法を使うのに、MPではなくお金を消費するようなものだ。
しかもゲームクリアにはそれを100万貯めなければならない……。
節制生活、の四文字が頭に浮かんだ。
「まあ、ことはそう単純でもないんだろうけど」
ちらと、今しがた抜けてきた群衆の方を見る。集められた転移者たちのほとんどはまだ無意味に騒ぎ続けている。ここから出せ、ゲームをやめさせろ、と。
その中でもちらほらと、アレンのように、群れから離れていく人の姿が目についた。
そう。ここで騒いでいても状況はなんら進展しない。
すべきことは山ほどあった。まず周囲の把握だ。この中世の町のような場所は、どの程度の規模で、どういった構造を擁しているのか。軽く見回しただけでも、どうにも道がぶつ切りになっていたり、曲がりくねっていたりと謎めいた造りをしているのがわかる。
次に、落ち着いた場所でヘルプにもすべて目を通すべきだ。そうして初めて、行動の指針を立てることが可能になる。
(そうだ……慎重にならないと)
今やアレンは一時的に、自分がArcheを起動した目的を忘れていた。それほどまでに危機感を抱いている。
なにせ、あの白い空間の、白髪の少女は——
これを『デスゲーム』と呼んでいたのだから。
雑踏を尻目に、アレンは踵を返した。
そして町を一望できそうな場所はないかと周囲を見渡す。
高台かなにかでもあれば好都合だ。登れそうな鐘楼だとか、そういった建物でもいい。
だが目当てのものが目に入るより先に、ふと何気なく、一陣の風がアレンを撫でつけた。
「…………。ん?」
ふわり、と足元で慣れない感覚。
見ればスカートの裾が、今しがたの風で軽くはためいていた。
(スカート? え? 俺が?)
あまりに今さらな話——
アレンは自らが、ふくらはぎほどまでの丈をしたパステルブルーのスカートを着用していることに気がついた。
「————っ!?」
思わず手で膝の辺りを抑える。
一番の失態は、あの白い空間で服装に意識を向ける余裕がなかったことだ。あそこは無風だったし、姿見を見た時も、少女の容姿になったことで変化した背丈や髪、なにより顔立ちにばかり驚いて気を配れなかった。
ただ外に出て、自分がスカートを履いていることに気がつくと——
(は……恥ずかしい! なんだこれ!?)
デスゲームの緊張を吹き飛ばすほどの羞恥に襲われ、顔が熱くなるのを感じる。
空気が脚に触れるたび、強烈な違和感に襲われる。
それもそうだろう。アレンは肉体的にも精神的にも二十年間男性で、スカートなんて履いたことは一度もなかった。だから、外気を脚の肌で感じるという状況は初めてで、それはともすると下着を丸出しで歩いているような錯覚を伴った。
(世の女性はみんなこの状態で平然としてるのか!? そんなの……薄い布一枚の下に下着があるなんて、おかしいだろ! 絶対おかしい!!)
なんらおかしくはなかったが、アレンは動転していた。
人の目を逃れるように、スカートを押さえつけたまま建物の陰へそそくさと移動する。
「くっ……どんな姿になろうと俺は男だ。スカートを履かされるだなんて、こんな屈辱……くそっ、あの白い髪の子どもめ! あいつが俺の体を女にしたせいでこんなことに……!」
結局自らは名を名乗ろうともしなかった、あの白い空間の、白髪の少女の笑みが脳裏に浮かぶ。
性別を間違えたのはアレン自身のミスだったが、まだ気がついてはいなかった。
アレンは壁際をこそこそと歩き、街を見渡して目的の店を探す。
プランは変更だ。町の全容の把握も、ヘルプに目を通すのも後回し。優先事項が書き換わった。
今は——
「このスースーする布をなんとかしねえと……!」
服屋が必要だ。こんな状態では、なにをするにも手が付かない。
今やチーターのレッテルを貼られ、インターネット上に顔を出せば袋叩きに遭うアレンも、現役の頃は別の称号をその名に冠していた。
人呼んで『鷹の眼』。
さながらスパイのように人目を避け、入り組んだ通りを内股気味に進みながら、アレンはその才能と努力の両方によって裏打ちされた卓越したプレイヤースキルを、ただ服屋を探すためだけに働かせる。
そして、それらしき店を通りの一角に視認すると、街路を通る人のいなくなったわずかな隙に、敵の待つエリアに突入する突撃兵の動きで一切の隙なく入店した。
「いらっしゃいませー」
無駄に素早くダイナミックな動きで店のドアを開け放ち、転がり込むように侵入してきたアレンに対し、制服を着込んだ店員の女性は特別な反応を示すこともなくカウンター越しにお辞儀する。
そこは幅広いラインナップの装備屋で、服のみならず、鎧や兜、それから剣のような武器まで揃えているRPGには欠かせないショップだった。時間が経って広場の混乱が落ち着けば、ここには多くの転移者が押し寄せるだろう。その前にアレンが来れたのは幸運だった。
「あ、あの」
「はい」
「……?」
店員とはいえ、心が男性なのに、スカート姿を見られるのは恥ずかしい。
そのためもじもじとしながらカウンターの女性に話しかけたアレンだったが、すぐに疑問が降って湧く。
女性の立ち姿に、奇妙な、機械仕掛けのような感覚を覚えた。一見するとただの人間にしか映らないが、よくよく見ると表情に生気がなく、所作もなんだか自然味に欠けていた。
まさかと思い、アレンは質問を中断し、ヘルプを開いてみる。その中の『NPC』の項目を開いた。現れたメッセージウィンドウに目を通す。
『非転移者のこと。転移者と違い、近づいても頭の上にIDの表示がされない。多くはSPを消費することで取引が可能』
——転移者は頭の上にIDが出てくるのか。
早速アレンは、店員の女性の顔をじっと見つめてみた。いきなり不躾な視線を向けられても、彼女はやはり微動だにせず、気にした様子もない。そして思った通り、その頭上にIDらしきものが現れることもない。
NPC。つまり、人間ではない。
どうやら街の機能はこうしたNPCが支えているようだ。
相手が人でないのなら、スカート姿を見られる羞恥心もずっと和らぐ。アレンはほっと息をついて、改めて問いかけた。
「ズボンが欲しいんだけど……」
「こちらです。値段は一律となっております」
「なら、これでいい」
とにかくスカートでなければなんでもよかった。左右の足を、それぞれ別の場所に通したかった。
この際大きさも多少不格好だろうが構わない。アレンは適当に、黒いスラックスらしきものを手に取った。
「お買い上げありがとうございます。こちらで装備していきますか?」
「て、定番の質問……それ、『はい』って言えばどうなる?」
「あちらの試着室でお着替えに」
「ああ、なんだ……じゃあそうするよ。えっと、そういえば値段を聞いてなかった。いくらになるんだ?」
「はい。1000SPになります」
「えっ」
アレンは一文なしになった。
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