隣のじいさん

kudamonokozou

文字の大きさ
1 / 4

僕と祐介

しおりを挟む
私がまだ、子供の頃のお話です。私はもう、すっかりいい歳になっていますから、ずいぶん昔の話です。そのつもりでお聞きください。

-------------------------------------

僕は、いつの間にか祐介と友達になっていた。なぜかと言うと、クラスの他の友達は皆、放課後に塾や、お稽古ごとや、スポーツクラブがあったけれど、僕と祐介は何もなかったので、いつも一緒に遊んでいたからだ。

祐介の家は、お父さんと二人だけだ。以前は、お母さんと弟と妹がいたのだけれど、いつの間にかいなくなってしまった。ある日突然、いなくなった。

祐介のお父さんは、お酒をよく飲む。飲むと、わけもなく暴れるそうだ。それで、近所迷惑と言われることがある。だから祐介は、お酒も、祐介のお父さんも嫌っていた。

僕と祐介は、自転車で数十分行ったところの、緑地公園によく遊びに行く。
祐介は、池でウシガエルを捕まえたことがある。僕はその大きさにびっくりしたが、祐介はすぐ放してやった。
「こんなの捕まえても、どうしようもないから。」
と、祐介は言った。

そう言えば、祐介は昔はよくトンボや蝶を捕まえていたが、今は捕まえなくなっている。
「捕まえても、死なせるだけで可哀そうだ。」と、祐介は言った。
だから僕も、トンボや蝶を捕まえないようにしている。

また祐介は、ものすごく大きい二枚貝を見つけたことがある。
「こんなでっかいシジミ、見たことねえ。」
祐介は持って帰ろうとしたのだが、
「ああ、そりゃどぶ貝だ。臭くて食えたもんじゃねえ。やめとけ。」
と、管理人のおじさんにたしなめられた。
祐介と僕は、大笑いをしてどぶ貝を池に戻して帰った。
「あのおじさんも、食べてみたんじゃないかな。」
と、帰り道で祐介が言ったので、自転車を漕ぎながら二人でまた大笑いした。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

童話短編集

木野もくば
児童書・童話
一話完結の物語をまとめています。

きたいの悪女は処刑されました

トネリコ
児童書・童話
 悪女は処刑されました。  国は益々栄えました。  おめでとう。おめでとう。  おしまい。

まぼろしのミッドナイトスクール

木野もくば
児童書・童話
深夜0時ちょうどに突然あらわれる不思議な学校。そこには、不思議な先生と生徒たちがいました。飼い猫との最後に後悔がある青年……。深い森の中で道に迷う少女……。人間に恋をした水の神さま……。それぞれの道に迷い、そして誰かと誰かの想いがつながったとき、暗闇の空に光る星くずの方から学校のチャイムが鳴り響いてくるのでした。

【総集編】アリとキリギリスパロディ集

Grisly
児童書・童話
❤️⭐️お願いします。 1分で読める! 各話読切 アリとキリギリスのパロディ集

少年イシュタと夜空の少女 ~死なずの村 エリュシラーナ~

朔雲みう (さくもみう)
児童書・童話
イシュタは病の妹のため、誰も死なない村・エリュシラーナへと旅立つ。そして、夜空のような美しい少女・フェルルと出会い…… 「昔話をしてあげるわ――」 フェルルの口から語られる、村に隠された秘密とは……?  ☆…☆…☆  ※ 大人でも楽しめる児童文学として書きました。明確な記述は避けておりますので、大人になって読み返してみると、また違った風に感じられる……そんな物語かもしれません……♪  ※ イラストは、親友の朝美智晴さまに描いていただきました。

おっとりドンの童歌

花田 一劫
児童書・童話
いつもおっとりしているドン(道明寺僚) が、通学途中で暴走車に引かれてしまった。 意識を失い気が付くと、この世では見たことのない奇妙な部屋の中。 「どこ。どこ。ここはどこ?」と自問していたら、こっちに雀が近づいて来た。 なんと、その雀は歌をうたい狂ったように踊って(跳ねて)いた。 「チュン。チュン。はあ~。らっせーら。らっせいら。らせらせ、らせーら。」と。 その雀が言うことには、ドンが死んだことを(津軽弁や古いギャグを交えて)伝えに来た者だという。 道明寺が下の世界を覗くと、テレビのドラマで観た昔話の風景のようだった。 その中には、自分と瓜二つのドン助や同級生の瓜二つのハナちゃん、ヤーミ、イート、ヨウカイ、カトッぺがいた。 みんながいる村では、ヌエという妖怪がいた。 ヌエとは、顔は鬼、身体は熊、虎の手や足をもち、何とシッポの先に大蛇の頭がついてあり、人を食べる恐ろしい妖怪のことだった。 ある時、ハナちゃんがヌエに攫われて、ドン助とヤーミがヌエを退治に行くことになるが、天界からドラマを観るように楽しんで鑑賞していた道明寺だったが、道明寺の体は消え、意識はドン助の体と同化していった。 ドン助とヤーミは、ハナちゃんを救出できたのか?恐ろしいヌエは退治できたのか?

そうして、女の子は人形へ戻ってしまいました。

桗梛葉 (たなは)
児童書・童話
神様がある日人形を作りました。 それは女の子の人形で、あまりに上手にできていたので神様はその人形に命を与える事にしました。 でも笑わないその子はやっぱりお人形だと言われました。 そこで神様は心に1つの袋をあげたのです。

おねしょゆうれい

ケンタシノリ
児童書・童話
べんじょの中にいるゆうれいは、ぼうやをこわがらせておねしょをさせるのが大すきです。今日も、夜中にやってきたのは……。 ※この作品で使用する漢字は、小学2年生までに習う漢字を使用しています。

処理中です...