探検サークル存続のためにダンジョン配信をはじめたら、人気のJKインフルエンサーを助けてバズってしまった件

橘まさと

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第一章 大岳ダンジョン編

第23話 恐怖! 人食い魚人現る

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■奥多摩 大岳ダンジョン 75層 邪神の神殿

 ジメジメと若干湿っぽい神殿の中を俺達は警戒しながら、歩いていた。
 時折出てくるスライムも多少は強かったが倒せない相手ではなかったので、気持ちは軽い。
 だが、戦闘回数が多いので集中力の低下と食料品や水が心もとなってきたのが問題だ。

「かなり戦闘回数が……おおひな……」
「スライムを食べながら話していると、残念だね~」

〔ヒュージアシッドスライムの摂取を確認。〈強酸液Lv1〉を獲得しました〕

 〈潜在能力:技能喰〉ユニークスキル:スキルイーターの効果で新しいスキルが生えた。
 強酸は使い勝手がよさそうなので、いいものを手に入れたと思う。

「だが、だんだん人間やめてきているな……」
「モンスターを食べているだけで十分人間をやめていると思いますよ?」

:織姫ちゃんに同意
:はげどう
:はどう
:略しすぎだw

 織香も、コメント欄も明るくなったので、 モシャモシャ食べるのも悪くないのかもしれないと俺が思っていると〈危険感知〉に反応が現れる。

「敵だ。数は結構いるな……足音がそろっているから、人型のタイプか?」

 俺がスコップを取り出して構えていると、神殿の角から生臭い匂いが漂ってきた。

「クサッ!?」
「かなり、臭い……です」

:邪神の神殿で生臭い?
:ま、まさか……

 コメント欄は何かの予想がついているようだが、詳しい内容までは確認できない。
 それよりも敵への対応が先だ。

「グギュギャギャギャ」
「グギャギャ」

 鳴き声と共に現れたのは、魚人だった。
 鱗のある体にデカイ目、分厚い唇からは臭い吐息が漏れてくる。

「鑑定だとディープ・ワンという種族のようだねぇ。まぁ、何となく予想はできていたけれど~」

:さすがトーコ先生
:\(・ω・\)SAN値!(/・ω・)/ピンチ!
:\(・ω・\)SAN値!(/・ω・)/ピンチ!
:\(・ω・\)SAN値!(/・ω・)/ピンチ!

 ぬめぬめした肌をした二足歩行の魚人達は三又の槍を持って俺達に襲い掛かってきた。
 ゴブリンから始まっているが、ダンジョン内の人型モンスターは会話による交渉ができない。
 俺としてはさっさと倒して次に進みたいところだ。

「織香がアタッカー、俺はトーコ先生を守るタンクになる……でいいのか? 用語としては」
「あってますけど、締まらないですよっ!」

 織香が魚人の集団に突っ込んでいく。
 75階層にくるまでで、俺達は連携についてしっかり実戦経験を積んできていた。
 度胸もついて、やりやすさは段違いである。

「ハァっ!」

 織香の拳や蹴りが、魚人達に叩き込まれて怯んだ。
 だが、数が数のため一番弱そうなトーコ先生を狙って他の魚人達が俺の方にも迫ってくる。

「相手は〈槍術〉スキルを持っていて、〈連携攻撃〉を使ってくると思うよ~」

 相手のスキルや能力を〈潜在能力:超鑑定〉ユニークスキル:スーパーアナライズで解析してくれるトーコ先生のお陰で対処しやすいのは俺にとってありがたかった。

「わかっているのであれば、対処はできる」

 三又槍を複数人で逃げ場がないように放ってくる魚人達に対して、俺は〈強酸液〉をばらまいて対処する。
 早速、得たスキルが活躍して何よりだ。
 ジュゥジュゥと煙が上がり肉の溶ける匂いが漂う。

「魚人相手だからか、魚系のいいにおいがするな」

:それはないだろ、師匠
:師匠が狂気に侵され始めている……
:正気に戻るんだ!

 コメント欄が騒がしいが、俺は変なことをいっただろうか。
 そんな風に思っていると、背後から〈粘液糸〉が伸びて、強酸液で悶えている魚人達の足元を固めた。

「サグルくん、トドメを~」
「ここまで来たらトーコ先生がやりましょうよ」
「生臭いからい~や~だ~」

 駄々っ子のように騒ぎだすトーコ先生にため息をつきながら、俺はスコップで魚人の頭を砕く。
 脳みそが飛び散り、配信上よろしくないものが流れた。

:ぎゃぁぁぁあ!?
:うっぷ……
:トイレいってくる……

 コメント欄が荒れるが人型モンスターは知能が高いで、頭を崩すのが一番効率いい。
 効率最優先をして、ソロでは戦闘を避けていたがパーティで戦闘できるなら、仲間に被害が起きることを減らすことが優先だった。
 消えた死体の後には魚肉が転がっている。

「あとで食べるか」

:え、師匠はこの流れでも食べる気でるの!?
:ヤベェ、師匠ヤベェよ……
:本当の狂気の主はスコップ師匠なのかもしれない

 外野が騒がしいが今は戦闘をクリアすることが優先だ。
 織香の援護をしながら、魚人との戦闘を終える。

「戦闘終了だな。ステータスアップと、魚肉を食うか」
「本当に食べるんですか?」
「悪食というか、なんていうか……」
「俺の【潜在能力】だから、仕方ないだろ……む、普通の魚肉よりも歯ごたえあるな。焼き魚よりも煮物系があうか……」

 もぐもぐと魚人から現れた肉を食うとシステムアナウンスが聞こえてくる。

〔ディープワンの肉を摂取しました。Sレアスキル〈異界言語Lv1〉を獲得しました〕

「異界言語? もしかして、モンスターと会話できるようになるの、か?」
 
 予想外のスキルの獲得に俺は目を点にするしかなかった。
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