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公爵家の誕生パーティー③
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「シルヴィア様!私はハンプシャー伯爵家のオリヴィア・ハンプシャーと言います。私も今年で6歳なんです。是非私の誕生パーティーにもお越しくださいね♪」
「はい、ありがとうございます。是非参加させて頂きたいですわ♪」
パーティーが始まってからずっと挨拶に追われている。
確かこのパーティーにエミリア・コンラードが来るはずなんだけど一向に姿が見えない。
(おかしいな…まぁこの時はまだ敵視されてもないし、ただの挨拶で終わるんだけど……)
そんな事を考えていると「シルヴィア様?」と声を掛けられた。
「あ…ええと…ごめんなさい。少しボーっとしちゃって…」そう言って顔を上げるとそこには悪役令嬢エミリア・コンラードともう1人同い年位の女の子が立っていた。
「初めましてシルヴィア様。私はコンラード侯爵家のエミリア・コンラードと言います」
「あ…初めましてエミリア様。今日は私の誕生パーティーに来ていただきありがとうございます。ところで…そちらの方は…」
私がそう聞くと隣に立っていた女の子がハッとして慌てて頭を下げてきた。
「あ、挨拶が遅れて申し訳ありません…!私はノーチェス男爵家のセーラ・ノーチェスと言います…」
「そう、今日は来てくれてありがとうセーラ様」
(おかしいわ…確かこのパーティーでは、エミリアは1人でシルヴィアに挨拶をしていたはず……それにセーラなんて令嬢出てきたかしら…?)
私がじっと見つめているとエミリア様が口を開いた。
「ふふっ、私とセーラ様の事が気になるのですか?」
「へっ!?え、えぇ…まぁ…」
急な質問に思わず声が裏返ってしまう。
「私達、爵位は離れていますけど幼児期からの親友なんです♪良く2人でドレスを見に行ったり、庭園を散歩したりしているんです」
「そうなんですか…お二人共とても仲が良いのですね。少し羨ましいですわ」
エミリアが嘘を言っている感じはない……おそらく彼女の言っている事は本当だろう。
(ただ…気になるのは……)
さっきからセーラ様はずっと目も合わさずどこか遠い所を見つめている。
「セーラ?どうしたの?」
エミリアも様子がおかしいことに気付いたのか話しかけている。
「あ、ううん、なんでもないの。少し疲れちゃって……」
「そう?それなら良いのだけれど…セーラは直ぐに体調を崩しちゃうんだから何かあったらちゃんと言うのよ?」
「わかってるわエミリア」
……疲れていただけ?いや、きっと違うだろう。
彼女、セーラ・ノーチェスは嘘をついている。
(でも…何故嘘をつく必要があるの?)
エミリアに虐められている…という線も考えにくい。
私には本気でエミリアがセーラを心配しているようにしか見えない。
(……これもエミリアの演技…とか?)
少し挨拶をしただけではそこまではわからない。
なら……
「宜しければ今度お茶会を開きたくて……是非お2人をお呼びしたいのですが…いかがでしょうか?」
取り敢えず、2人の情報を聞き出すためにお茶会に誘ってみることにした。
「本当ですか!?是非行きたいですわ! ね!セーラ!」
「え…う、うん。そうね」
まず真っ先に食いついたのはエミリア、セーラも余り乗り気では無いみたいだけど、取り敢えず参加する事になった。
「ふふっ、ではまた招待状を送りますね」
「はい!ありがとうございます!シルヴィア様!」
そうして2人は元いた場所に戻って行った。
(ふぅ…疲れた。それにしてもエミリアってあんな性格だったかしら? それにあのセーラという女の子…なんだか凄く嫌な予感がするわ…)
私が考え事をしていると目の前が急に暗くなった。
「さっきぶりですね、シルヴィア嬢」
そこには庭園で会った隣国の皇太子ウィリアムスの姿があった。
「はい、ありがとうございます。是非参加させて頂きたいですわ♪」
パーティーが始まってからずっと挨拶に追われている。
確かこのパーティーにエミリア・コンラードが来るはずなんだけど一向に姿が見えない。
(おかしいな…まぁこの時はまだ敵視されてもないし、ただの挨拶で終わるんだけど……)
そんな事を考えていると「シルヴィア様?」と声を掛けられた。
「あ…ええと…ごめんなさい。少しボーっとしちゃって…」そう言って顔を上げるとそこには悪役令嬢エミリア・コンラードともう1人同い年位の女の子が立っていた。
「初めましてシルヴィア様。私はコンラード侯爵家のエミリア・コンラードと言います」
「あ…初めましてエミリア様。今日は私の誕生パーティーに来ていただきありがとうございます。ところで…そちらの方は…」
私がそう聞くと隣に立っていた女の子がハッとして慌てて頭を下げてきた。
「あ、挨拶が遅れて申し訳ありません…!私はノーチェス男爵家のセーラ・ノーチェスと言います…」
「そう、今日は来てくれてありがとうセーラ様」
(おかしいわ…確かこのパーティーでは、エミリアは1人でシルヴィアに挨拶をしていたはず……それにセーラなんて令嬢出てきたかしら…?)
私がじっと見つめているとエミリア様が口を開いた。
「ふふっ、私とセーラ様の事が気になるのですか?」
「へっ!?え、えぇ…まぁ…」
急な質問に思わず声が裏返ってしまう。
「私達、爵位は離れていますけど幼児期からの親友なんです♪良く2人でドレスを見に行ったり、庭園を散歩したりしているんです」
「そうなんですか…お二人共とても仲が良いのですね。少し羨ましいですわ」
エミリアが嘘を言っている感じはない……おそらく彼女の言っている事は本当だろう。
(ただ…気になるのは……)
さっきからセーラ様はずっと目も合わさずどこか遠い所を見つめている。
「セーラ?どうしたの?」
エミリアも様子がおかしいことに気付いたのか話しかけている。
「あ、ううん、なんでもないの。少し疲れちゃって……」
「そう?それなら良いのだけれど…セーラは直ぐに体調を崩しちゃうんだから何かあったらちゃんと言うのよ?」
「わかってるわエミリア」
……疲れていただけ?いや、きっと違うだろう。
彼女、セーラ・ノーチェスは嘘をついている。
(でも…何故嘘をつく必要があるの?)
エミリアに虐められている…という線も考えにくい。
私には本気でエミリアがセーラを心配しているようにしか見えない。
(……これもエミリアの演技…とか?)
少し挨拶をしただけではそこまではわからない。
なら……
「宜しければ今度お茶会を開きたくて……是非お2人をお呼びしたいのですが…いかがでしょうか?」
取り敢えず、2人の情報を聞き出すためにお茶会に誘ってみることにした。
「本当ですか!?是非行きたいですわ! ね!セーラ!」
「え…う、うん。そうね」
まず真っ先に食いついたのはエミリア、セーラも余り乗り気では無いみたいだけど、取り敢えず参加する事になった。
「ふふっ、ではまた招待状を送りますね」
「はい!ありがとうございます!シルヴィア様!」
そうして2人は元いた場所に戻って行った。
(ふぅ…疲れた。それにしてもエミリアってあんな性格だったかしら? それにあのセーラという女の子…なんだか凄く嫌な予感がするわ…)
私が考え事をしていると目の前が急に暗くなった。
「さっきぶりですね、シルヴィア嬢」
そこには庭園で会った隣国の皇太子ウィリアムスの姿があった。
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