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3話 ※欲望と煩悩の狭間
しおりを挟むサーカスから帰ってきてから4日が経過していた。
体の疲れも癒え、庭の手入れも元気に再開して楽しそうに監禁生活を満喫している芽依。
他の移民の民ならドンドン病み出すような寝ても醒めても誰かがそばにいる日常を過ごす。
だが、芽依にはなんの問題もなかった。
入浴だけはハストゥーレが固定で一緒に入るようになっだか、芽依にとってはご褒美タイムだ
こうしてまた、一日が終わる。
本日はメディトークの部屋にお泊まりの日。
監禁中の為、メディトークの部屋で就寝する事になった芽依だが、我が物顔で勝手にベッドを占領していた。
入浴を済ませて珍しく人型になっているメディトークは芽依が寝っ転がるベッドの上に乗り上がり本を読んでいた。
静かな室内で、ページをめくる紙の擦れる音と2人の息遣いが聞こえる。
既に暑いといえる気温で至近距離にいる2人。
お互いの体温がじんわりと移し合い余計に暑さを酷くさせた。
「…………うー、暑い」
うつ伏せに横になって恋愛小説を読む芽依だったが、暑さにうめき声を上げた。
ころりと向きを変えてパタリと腕をベッドに投げ捨てると本もベッドにパサリと落ちた。
本を大切に扱うメディトークは、芽依の上を覆いかぶさるように手を伸ばして本を取る。
「投げんな」
「……ごめん」
上から見下ろすメディトーク。
ジッと見ていると、芽依は首を傾げた。
「どうしたの? 」
「新しい移民の民が複数召喚された」
「そうなの? 」
「ああ……そのうちの一人、女が押されて俺にぶつかったんだけどよ。随分とお前と真逆なタイプなヤツだったな」
「…………ぶつかったんだ、女の人と」
ジトッと下から見る芽依に苦笑する。
頬を優しく撫でる大きな手に擦り付くと、メディトークは喉の奥で笑った。
「お前が1番だなって思ったよ」
「当たり前でしょー。メディさんの1番は私なの」
当たり前だと頬を膨らませる芽依に息を吐き出し笑うメディトークは下を見た。
横になる芽依は相変わらず薄着をしていて、可愛らしい格好で首を傾げている。
全く警戒心もない、信頼しきった様子にため息が出た。
何度となくメディトークは芽依に囁いてきたのだ。その肌に触れると。
だが、それを相変わらず正確に捕えない芽依をメディトークは見下ろす。
体力もついた。なら、もういいだろう? と。
指先を伸ばして芽依の頬に触れる、その眼差しが熱を帯びてきていた。
流石にその変化には気付く芽依が、え……と声を零した。
「…………えっと、メディさん? あのー、なんでそんなに見つめてくるの? 」
「いや、随分蠱惑的な姿をしてんなって思っただけだ」
「…………なんて? 」
芽依の顔の横に腕を置いて見ているメディトークは微笑んでいる。
今の芽依の服装はブラにキャミソール、一部丈のショートパンツだ。
もう寝るだけとはいえ、随分な格好をしている。この世界では下着姿なのだ。
綺麗なレースが施された白のキャミソールに、ショートパンツもサテン生地の少し透けている可愛らしいもの。
相変わらず服装に頓着しない芽依だが、だからこそ薄着な芽依を見れる家族の特権でもある。
「…………わざとか? 」
「ち……ちがうちがう! 」
「うつ伏せになってたら尻の線見えるし……仰向けになったらこれだろ。誘ってンじゃねーの?」
「どこを見てるの?! 」
人差し指が胸元を引っ掛けてキャミソールを引っ張る。
中に隠れていたブラジャーが現れ、芽依は慌てて隠そうと動いたが簡単にメディトークに掴まれ阻止された。
「ちょ……ちょっと? ねぇ? 」
「…………俺が好きなら見せれるよなぁ? 」
「えぇ? 」
ゆっくりと顔が下がってきて耳元で低くイイ声が響く。
ビクッ! と体が揺れて目を見開く芽依がメディトークを見返した。
少しだけ顔を上げたメディトークが胸元を見る。
淡いピンクの可愛らしい花柄のブラジャーに覆われた胸は、少し芽依が身動ぎする度にフルリと揺れた。
「きゃあ! 」
急にふにゅりと触られて思わず声が上がる。
自分でも思わずといった感じで、すぐに口を手で覆った。
恐る恐るメディトークを見ると、色気ある細められた眼差しで芽依を覗き込みニヤリと意地悪く笑っていた。
「……これ、邪魔だな」
キャミソールの上からメディトークの大きな手が胸の形を変えていく。
ふにゅり、ふにゅり。
「ちょっ……ちょっと……メディさん? ねぇ? 何をする気かな……?」
「んー……? 」
いつの間にか両手を掴まれ頭上で抑えられている。
胸を突き出している芽依は、横に座り見てくるメディトークに引き攣った笑顔を向けた。
「…………お前に触れてぇ」
「んんっ?! 」
伏せ目がちに言ったメディトークのストレートな言葉と共に手がキャミソールの中に入ってくる。
メディトークの手の熱さが余計に感じてしまって息を吐き出した。
「……急に……どうしたの? 」
「急じゃねーよ。いつでも触れたかったけど……あんま、好きじゃなさそうだし」
「私が? 」
「ああ。イチャイチャ嫌いじゃね? 」
「いや、嫌いとかはないよ……抱きしめたり……好きだし」
「そうじゃなくて、セッ……」
「うわぁぁぁあお! 言葉に出すんじゃありません!」
直接的な言葉を発するメディトークをペシペシと叩くと、口を閉ざしてニヤリと笑う。
シャワーを浴びたあとの香り立つ甘い匂いに、顔の横に流れてきているメディトークの髪が顔に触れてクラクラしてきた。
メディさんがイチャイチャとか言った。可愛い……とか、その場の雰囲気に飲まれそうで関係ない事を考える。
それがバレたのか、掴んでいた手を離したメディトークは顎に手を添えて上を向かせた。
かぷっ……と重なる唇。
優しく啄むような口付けに、小さな声が漏れた。
「……っ……は……メディ……さん」
「……今名前呼ぶな」
「え……」
「…………優しく出来なくなるじゃねぇか」
耳に唇を押し当てて、カリッ……と噛む。
ピクッ……と勝手に体が動くと、メディトークは横目に芽依を見る。
舌を這わせてぬめっ……と舐めると、そのゾワゾワとする感触に芽依はメディトークの腕を強く掴んだ。
体を縮めて、ん……と声が漏れたことにより、芽依の羞恥心が一気に膨れ上がった。あぁ、これはまずい……まずい雰囲気だぞ……と思うが、抜け出せる気もしない。
様子を見ながら舐めて、耳たぶを甘く食むと、さらに湧き上がるゾワゾワとした快感に掴む指先に力が入って、メディトークは口端を持ち上げながら耳をなぞった。それはそれは楽しそうにだ。
足がシーツを蹴り、腰をモゾモゾと揺らして身を捩る。
はっ……と息を吐き出し、仰け反りながらメディトークの身体を少し押すが、その反応すら楽しそうにメディトークは眺めている。
「ん……ンン……ま……まって……ゃ…… 舐めないでっ……」
「……耳弱ぇの? 」
「ちがっ……」
「違う……は信じらんねぇな? 」
「んっ…………… そこで囁かないでぇ……」
「…………はっ……可愛いな、お前」
ひぃ!と声がもれる。
溢れ出る色気。いつの間にか馬乗りになっているメディトークが髪をかきあげた。
明らかに女の芽依より艶やかで色気が溢れている。
両手を芽依の背中に回して体を起こすと、力が抜けている芽依の体はメディトークの胸にペトリと倒れた。
「……まだ、触るぞ?シャキッとしろや 」
「ダメって言ったらやめてくれる……? 」
「やめねぇ」
「も……ねぇ……ギブ……ちょっとメディさん色気溢れすぎ……ねぇ、ちょっとえっち! 」
「もううるせぇ、だまれ」
「んっ! ……はっ……口ベタベタ……ねーえぇ 」
ポスッ……と叩くと、クックックと喉の奥で笑う声が聞こえる。
するりとキャミソールを脱がしてブラジャーで支えられた胸が現れた。
ふるっ……と揺れる胸を見てから背中に腕を回してホックを外した。
支えられていた胸が揺れて自由になると、焦らすように外されて形のいい胸がメディトークの前に表れ揺れる様子を黙って見ていると、腕が体を隠そうと動き出した。
「…………綺麗だな」
「じっくり見ないで!早すぎだって! なんでそんなに躊躇なく脱がすかな!」
「そりゃ、脱がすし見るだろ」
「自信満々に言うことじゃないからね?!」
ひぃ!信じらんない! とピィピィ叫ぶ芽依を楽しそうに見ていたメディトークだが、直ぐに真剣な顔に変わった。
「あのサーカスの時、離れていて泣きそうなお前を俺たちは指くわえて見てるしか無かった。死ぬかもしれねぇ恐怖を俺らだって味わったんだ。お前のペースに合わせてやってたが、もう我慢しねぇ。お前を抱くって、あの時決めてた。お前が言ったんだろ? 俺を独り占めするって……いくらでも俺を味わえよ。お前が泣いて嫌がっても離さねぇから。四六時中、愛してやるよ」
「…………え、嬉しいより怖い……」
「ぶち犯すぞ」
「えぇ?! 」
「……それに、ベタベタお前を触らせてイラつかねぇわけねぇ。なんだアイツら。しかも1人は元カレだ? クソ野郎じゃねーか……あいつはお前の体を知ってんだろ? やっぱ殺せば良かった」
「……おお過激な……」
「当たり前だろ、お前は俺達のだ。誰が触らせるか。お前の体に触れて、感触を知ってるのは俺達だけで十分だろ」
「……独占欲」
「わりぃかよ」
ぐっ……と髪を掴まれて至近距離で言うメディトーク。イラつきが顔に現れていて凶悪な顔をしている。
芽依は伸び上がってメディトークの唇を見ながらゆっくりと口付けた。
唇を食んで舐めると、メディトークの唇が薄く開く。
舌先で触れる熱くて肉厚のある舌に絡ませると、ぐっ……と芽依の口の中に侵入してくるのを受け入れて食べらるような口付けを受け入れた。
優しく絡めていた舌が、直ぐに動きを早めて口腔内を蹂躙していく。
無意識に零れる声はメディトークに飲み込まれていった。
「…………ん……ンん……ンンンン……んぁ……は……はぁ……」
ゆっくりと直接胸に手が乗る。
ふにゅ……と触るメディトークの手に顔を染めた。
「……なんだよ、照れてんのか? 」
「そりゃ……パピナスみたいに綺麗な体じゃないし……胸……小さいし……恥ずかしいしっ! 」
「……小さくねぇ……それに……」
「あっ……んっ! 」
「感度もイイ」
「ばかなのぉ?! 」
優しく胸の飾りを舐められてゾクゾクと背筋が震えた。
そんな芽依を見下ろしたメディトークは、ドサッ……とベッドに倒して手首を掴んだ。
意地悪く笑うメディトークをキッ! と睨みつけると、片眉を上げて笑う余裕の姿に芽依も少しはやり返したい気持ちがムクリと持ち上がる。
芽依は何とか体を起こしてメディトークの胸に顔を埋めた。
ジュッ……と聞こえる音とピリッと感じる痛みにメディトークは芽依を見る。
「……ン……お前ね」
「ふふん」
メディトークの胸元には綺麗に咲いた花がある。
それを見て芽依は満足そうに、勝ち誇ったように笑ったが、ギリギリで保っていたメディトークは口の端を持ち上げて笑った。
「…………馬鹿なヤツだな。優しくしてやろうと思ってたのによ……もう我慢しねぇからな」
「………………え? 」
「そんな煽られたら……なぁ? しかたねぇよな? 」
「……いやいやいや」
するりと足を撫でられてから、這い上がってくる。その行き着く場所がすぐに分かり身を捩った。
「まって! メディさんまって!! 」
「またねぇよ。いいから大人しく俺に喰われとけ」
自分勝手に振る舞う事が多々あるメディトークだが、あまりにも優しい顔をして見るから、芽依は動きを止めてじっと見ていた。
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