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51話 ※※玩具との出会い 3
しおりを挟むふっ……、ふっ……と息を吐き快感に目を瞑る芽依はスリ……スリ……と熱に擦り付ける。
熱を存分に感じるように動きはゆっくりに変えると、室内は芽依の息遣いとたまにもれる甘い声、それとハストゥーレの何かを耐えるようなご主人様……と呼ぶ声が響く。
顔を快楽から歪ませ、たまに横に首を振る様子を見ながら芽依はゾクゾクと身体を震わせた。
「……ん…………ふっ……」
少しだけ体を倒してハストゥーレの胸に両手を置くと、動きを大きくした。
中はグズグズに蕩けていて、少し場所をずらしたら入ってしまいそうだ。
「はっ……ぁ……ごしゅじ……さまぁ」
「ん……きもちい……いねぇ」
「はぃ……ん……ふ……ふぅ……」
早く動きだした分、快感が強くなったのかシーツを握りしめて、耐えているハストゥーレは声がまた漏れだし、口を抑える。
「…………くち、おさえちゃう、の?」
「ぁ……こえ……が、出てしま……はっ……ん……」
ん……ん……と必死に耐えるハストゥーレに、もっと声を出して欲しくて胸の飾りを撫でると、必死に抑えていた腰がビクン! と跳ねた。
その時盛大にイッてしまったハストゥーレ。
芽依の足の間や、腹部にまで飛んでハストゥーレは真っ青になる。
「ご……しゅじん……さま……ごめんなさ……」
「ん……上手にイけたね、偉い」
頭を撫でてから、ティッシュを取るとハストゥーレが慌てて濡れタオルを魔術で取りだし、暖かいタオルで芽依の素肌を拭いていった。
起き上がったハストゥーレの膝の上に座る芽依の腹部を拭いてから顔を上げると、至近距離にいてビクッ! と緊張した。怒られないだろうかと、身をすくめるが、肩に腕を回した芽依がそのまま腰を浮かせて少し元気をなくしたハストゥーレ自身にまた擦り付く。
「あ……ぁ……ん!」
「…………はっ、ん! ……はぁはぁ……んん!」
ギュッと抱き着いたまま、また元気に立ち上がるハストゥーレにゆっくりと芽依が腰を落としだした。
芽依の蕩けた中に質量のある熱が少しずつ入ってきて、その未知の感覚にハストゥーレは息を飲む。
自らを肉壁に包まれクネクネと刺激される、体験したことない初めての感覚に一気に熱を取り戻し、体に力を入れながら狼狽えた。
ハストゥーレはどうすればいいか分からず眉尻を下げて飲み込まれる快楽に抗うのだが、気を抜けばあっという間に気をやってしまいそうだと腹部に力を入れる。
体全体が気持ちよさに歓喜して顔を歪め、シーツを握りしめるしか出来なかった。
「あぁ……ん……」
ズン! と擦られる感覚にビクッ! と体が揺れて芽依に抱きついた。
強く抑え込むように抱き締めて動きたい衝動を必死に我慢する。そんな我慢はどんな拷問よりもある意味つらいだろう。
ドクドクと体全体に響く快感に腰が揺れそうだが、勝手に動いてはいけないと必死に自分を律するハストゥーレが下唇をかみ締めていた。
「ん……はいっ……たぁ」
しっかり奥まで入って芽依も息を吐く。
そしてハストゥーレをみると、必死な様子に目を丸くした。
そして、もしかして……と青ざめる。
「……ハス……君……ごめん」
苦しそうに我慢して下唇をかみ締めている姿に衝撃を受けた芽依は、あ……これ、ダメなやつだ……と首に回していた手を解いてハストゥーレから離れた。
急に与えられていた刺激がなくなり、驚いて目を開けたハストゥーレが見たのはブラウスを取っている芽依の姿で、酷く狼狽える。
「………………あの……ご主人様……」
腕だけ通した芽依はハストゥーレの上着を持って手渡す、その表情は眉尻を下げて申し訳なさそうにハストゥーレを見ていた。
「ん、はい。服」
「……どうして……ですか? ……なにか、粗相を、しましたでしょうか」
「え、してないよ! こっちこそごめんね」
ブラウスを羽織っているだけの姿でハストゥーレの頬を撫でてから、ショーツを取る姿を呆然と見た。
次第に涙が溢れてきて着替えている芽依をただ見ていると、そんなハストゥーレに気付いた芽依が慌てて近寄ってきた。
「えっ! なんで泣いて……」
「ごめん……なさい……ご主人様……私……」
「いいの……いいの。謝らないで、ごめんね……嫌だったよね。無理やりはダメだよね……私、てっきりハス君も私を求めてくれたと思っちゃって確認もしないで。でも、嫌でもハス君は言えないよねぇ……本当にごめんなさい……ダメだなぁ、私は」
いや、私、酷いし恥ずかしいな……と困ったように笑って離れようとした芽依の腕を両手で握る。
ん? と振り向くと、そのまま押し倒されてしまいどさりと倒れた。
芽依の上にはハストゥーレがいる。
また芽依の肌に触れ、じわりと感じる温もりと快感に眉を寄せると、芽依が起き上がり苦笑した。
「………………んー、もう、触れるのもいや? ごめんね。どうしようか……フェンネルさん呼んだ方が……」
悲しそうに言う芽依に、さらに涙腺が壊れる。
首を横に振って掴む手に力が入った。
「いやです!」
「…………ん?」
「いやです……どうしてそんな……ひっ……んく……ご主人様……ふっ……私を拒絶、するのですか……」
静かに泣いていたハストゥーレの気持ちが昂り、涙が止まらずボタボタと流れる。
思わず手を伸ばすが、途中で減速した芽依の手をハストゥーレが握った。
「……拒絶なんかしてないよ」
「でも! 離れてしまいました! 私がなにか、してしまいましたか?! 嫌なお気持ちにして……しまいましたか?……もう……触れては……くれ、ないの……ですか……ご主人様……いやです……いやです! 私はもっともっとご主人様に触れたいです! 皆さんのように……もっと、ご主人様に……ふれたい……」
そのまま肩に頭を乗せて擦り付く。
背中に回された手は、次第に撫で回すように触れてきて、その手付きは芽依に触れたいとわかりやすく欲が見える。
芽依はそんなハストゥーレの頭を撫でると、顔を少しだけ離してから自ら口付けをしてきた。
初めてハストゥーレから口付けをしてきて驚き目を丸くしていると、撫で回していた手がシャツの中に入ってきて素肌を撫でた。
優しく背中を撫でてから、耳元で囁く。
「お願い……します……触れたいです……ご主人様……お願い……さっきみたいに、ご主人様に触れさせて下さい」
熱く滾るそれを無意識に芽依の足に擦り付けて懇願する姿に、芽依は眉尻を下げる。
そして、張り詰めたそれに手を重ねて優しくさすった。
「ふぁ……あっ……ん……ちが……」
「…………うん。そうだよね、ここで止まったら苦しいだけだよね」
「ちがいまっ……んん! ちが……はっ……ぁ……中に……メイさまの……中が……いい……ん!」
しっかりと聞き取った芽依は手を止めてハストゥーレを見る。
熱を孕んだ目が、今すぐ中に入りたいと語っていた。
「……私は、メイさまに触れたいです……貴方の愛に包まれて……心地よくなりたくて……愛して欲しくて……」
「嫌で、我慢してたんじゃなかったの? 見たことないくらいに顔を顰めていたから……てっきり入れるのは嫌なのに我慢してるのかと思って……強制したい訳じゃないから……だから」
「! ……す、すみません! 私が……誤解をさせてしまったのですね……気持ちが良くて……動いてしまいそうで……耐えていました」
恥ずかしい姿を見られていたと顔を赤らめても、ハストゥーレは芽依をしっかりと見た。
「…………ご主人様……あの、もう一度……貴方の中に……」
「……ふ、ふふふふ。よかった。ハス君に見捨てられたらどうしようって思っちゃった」
「…………私は……ご主人様に捨てられる……かと……」
「わぁ! ごめん! 泣かないで! ね、いいこいいこ」
「あっ! あっあっ……ん……まっ……まって……くださ……あぁ……メイさまっ、……中にぃ……んぅ!」
いいこ、と撫でられたハストゥーレの熱に身悶えして体をひねる姿に唇を舐めてから膝立ちになった。
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