魔女の秘薬と呪い

新田 ゆえ

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プロローグ

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私のお店にはわりと頻繁にお客さんが来る。

それは私が大陸のに...いや世界に1人だけの魔女だからである。

そんな人間たちの願いはわりと単純。

「どんな病気も治す薬が欲しい」

だとか

「好きな人を惚れさせられる薬が欲しい」

とか、

「あいつを殺す薬が欲しい...!」

とかとか。

もちろんできる限り答えている。

病気の薬はさすがに万能薬は作れないので、ある程度症状を聞いて、どんな病気か推測して薬を作った。

惚れ薬は最初、普通のラムネでも渡そうかと思ったが、バレると怖いので、幸せホルモンが増える中毒性のない薬物のようなものを渡しておいた。

毒薬は作れるけど、人として何かを失うような気がして、アスファルトで転んで、起き上がろうとすると足がもつれて二度転ぶというしょーもない呪いのかかったクッッッソ苦い薬を渡しておいた。

地味な嫌がらせだよ。

でも死にたいほど憎んでいる相手が目の前で醜態を晒すって言うのもなかなか悪くないでしょう?

人っていうのは、熱しやすく冷めやすい生き物なの。

だから、そんな感情も相手がさらになにかしない限り、どんどん冷めていくものなんだよ。

恋愛とかってのもそう。

結婚したら大半のカップルは冷めていって、愛している人から、運命共同体の他人へとなり変わる。

だから結婚は嫌いだ。

愛のない結婚は結構好きなんだどね。

熱していないから冷めることも無い。

だから関係が変わることは無い。

あったとしても、元に戻るだけ。

まあ惚れ薬使っちゃえば、私の秘薬だから一生冷めることの無い愛になるんだけどねぇ。

でも重すぎる愛ってのも嫌でしょ。



ある日私の元に帝国の王だと名乗る色男が店に来た。

薬を買いに来たのかな?

「俺は、、、結婚したくない。でも国を困らせるようなことはしたくないんだ」

相談のようです。

「はぁ、、、」

「それで、結婚についてどう思う?」

「結婚は嫌いです。一生冷めない愛なら結婚したいですが」

「そうか、、、なあ、俺を結婚させる気にできる薬ってないか?」

「ありますよ」

「!?ほんとか?」

「魔女に出来ない事なんてありません」

人殺すのは無理ですけどね

「それをくれ。何でもいい」

ほぉー、へぇー。

何の薬か聞かないんだ、、。

ふふっ。

惚れ薬渡しちゃえ。

私人間で遊ぶの好きなもんで。

誰に惚れるかは知らんけど、まあいちばん興味を示している人に惚れるってやつだからまあ幸せだろう。

いや、対象は女の子だからね?

私はニコッと笑って王に薬を渡した。



おかしい、、、最近あの1度だけあった魔女のことばかり考えている。

あいつのことを考えると胸が苦しくなり動悸が激しくなる。

そして顔は熱くなり熱を出す。

くそっ、呪いか?

それに俺は一向に結婚する気にならない。

騙したのか、この俺を。

俺は手が付かない仕事を諦め馬に乗り込んだ。





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