「異端者だ」と追放された三十路男、実は転生最強【魔術師】!〜魔術の廃れた千年後を、美少女教え子とともにやり直す〜

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二章 属性魔法学との対峙

43話 『魔術学』を認めさせるために。





「それで。リーナはどうしてここへ来たんだ? なにか用事があるんだろ?」

少し離れた席へと移り、俺はリーナに尋ねる。

元生徒とは言え、彼女は今や学校理事。
ただ研究室ができたからという理由で、訪れたわけではないだろうと踏んでいたのだが……

「私は先生と一緒の空間にいられたら、それ以上望むことはありません」

リーナは目を瞑って、澄まし顔で言い切る。
誰かにそこまではっきりと言われたことなど、これまでの三十年以上の人生で一度もないことだった。

俺は少しの間、どきまぎとする。
が、あくまで俺とリーナは元生徒と教師。

ただ慕ってくれているがゆえの発言だろう、きっと。
いや、そうに違いない。そんなふうに思い込もうとしていたら、「ですが」とリーナが付け加える。

「その前提のうえで、用件もございます」

どうやら、別の理由もあったらしい。

「研究論文の題材についてです。魔術の安全性、有用性に関する論文は、私がすでに学校内の会議に提出し、ある程度の評価を得ています。より『喪失魔術』を世間に浸透させるため、つぎは、どのようなテーマで論じるべきかと悩んでおりまして」
「……研究論文、か。たしかに、学問としての発展の過程では重要な話だね」
「はい、私もそう思っております。できれば、なにか大きな成果を出せるようなものであれば嬉しいのですが」


その意見には、全面的に賛成だった。

できれば、インパクトのあるテーマを取り上げて、他の教授陣が魔術を無視できない状況を作れたら、なおいい。

そういう意味で言えば、俺が気になっている謎の一つに、ちょうどいいものがあった。

「ダンジョンへの突然変異的な魔物の出現について、というのはどうだろう? この前俺が退治したヒュドラは、普通いるはずのない低級ダンジョンに急に現れた。
 大方、五属性以外の魔素が影響していたんだろう。そのからくりを『喪失魔術』の観点から究明できれば、頭の固い教授陣も『喪失魔術』を認めざるをえなくなる」
「……さすがは先生です。
ちょうど学内でも、その件について議論を交わしているところのようです。
最近では、王都外れにある『惑いの森林』ダンジョンでも、『トレントの進化系である上級植物魔物・アーマヅラに襲われた』との証言があったようですし、話題性も重要度も十分にあります。
題材としては最適ですね」

「あとは、その現象を引き起こしたのが魔術学の仕業だと間違っても疑われないようにしないといけないな。理事のリーナがいるから、問題ないかもしれないけど」
「その点は任せてください。そのために、理事になったのです」

その後、リーナと研究に関する話を詰めていく。

その結果、一週間後に『惑いの森林』での実地調査をすることとなったのだが……そのためには一つ必要なことがあった。
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