「異端者だ」と追放された三十路男、実は転生最強【魔術師】!〜魔術の廃れた千年後を、美少女教え子とともにやり直す〜

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二章 属性魔法学との対峙

45話 その男、魔力0でも魔力検査を突破する?

試験の内容は、筆記と実技に分かれていた。

筆記の方に関しては、およそ問題ない。

魔術に関する問題は一つも出てこなかったが……属性魔法に関することや、ダンジョンに出現する魔物の特性なども、理解していないわけじゃない。

なんならほとんど全問正解だった自信さえある。


問題があるとしたら、実技試験の方だった。

「では、属性魔法の魔力量テストをします。あなたの属性は、『風』ということで間違いないですね?」

試験は、レオナルドだけではなく複数人の試験官によって、監視がなされていた。
その担当者の一人に聞かれて、俺は頷く。

「えぇ、はい」

にっこり笑顔を返したが、思いっきり嘘だ。
俺自身の所持魔力は「0」。まったくもって持ち合わせていない。

それでも申請書になにも書かないわけにはいかず、「風」と記してきたのだ。
精霊魔術を使えば光属性魔法に似た術も使えるが、こんな場でビアンコを晒すわけにはいかない。

「いや、この試験、すっ飛ばしても……」

と、レオナルドが恐る恐る言う。

どうやらこのタイミングでやっと、俺がまったく属性魔法を使えないことを思いだしたらしい。
顔面蒼白といった表情になっていたが、別に問題ない。

たしかに属性魔法は使えないが……、似たような現象を引き起こすことくらいはできるのだ。
実際、5年前に同じ試験を受けた際もこうして乗り越えていた。

「いいや、問題ない。試験をはじめてくれ」
「で、では、こちらの紙を。指輪などは外して、風の魔力を込めることで、切ってください。直接風を起こすのではなく、魔力で切ってください」

そうして受付員から手渡されたのは、一片の紙切れだ。

いわゆる検査用紙だった。

炎属性なら燃え上がり、水属性なら濡れるなど、属性ごとに結果に特徴が出るのだ。
風ならば、剣で斬ったみたいに綺麗な切り目が入れば十分な魔力量とされる。

たくさんの監視の目がある中、俺は指輪を外して、紙に触れた。

ぐっと握りこめば……

「試験官さん、これでよろしいでしょうか」
「すごい、一瞬で……! 合格です」

紙はすっぱりと半分のところで裁断されていた。

これには、レオナルドも驚いた顔をしているが、なにも本当に属性魔法の魔力を込めたわけではない。

『風』の魔素を作り出せない分、手の中に魔術サークルを書いた小さな紙を握りこんでいたのだ。

発動した魔術は、【分解】。

細かくかみ合っていた縦と横の紙繊維を【鑑定】により見極め、またそれら繊維に「離」の魔素を流しいれ、互いに反発しあう様式を仕込んだのだ。
どうやら、ばっちりとうまくいったらしい。

俺は試験官の影に隠れて、その髪をスラックスのポケットに入れる。
紙を直接確かめられたが、不正は確認されなかった。

「先生、さっきの【分解】の魔術ですよね」

元生徒・レオナルドは、俺が属性魔法を使えないことを知っていることもあろう。
その鑑定の力で、ばっちり看破されていたが……

「あれだけうまく誤魔化せたら、問題ないっすね」

彼は徹底的に味方でいてくれるようで、黙っていてくれた。
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