「異端者だ」と追放された三十路男、実は転生最強【魔術師】!〜魔術の廃れた千年後を、美少女教え子とともにやり直す〜

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二章 属性魔法学との対峙

49話 その男、危険地帯も余裕綽々

ダンジョンの中は、明かりなしではまともに歩けないくらい暗かった。
一寸先は闇、とはこのことだ。その中から魔物のうめき声がそこかしこで反響して聞こえてくるのだから恐ろしい。

が、念のためと持ってきていたあるアイテムがここで生きた。

「先生、それ。フェデリカのところの?」
「あぁ、うん。たまたま店を訪れたときに、フェルミくんに貰ったんだよ」

リーナが聞いたとおり。
これはフェデリカに渡されていた、魔術を組み込んだ魔導灯だ。

「ってか、ルチアはこんな明るい魔導灯知らないよ」

ルチアが言うように、現代で一般的に流通している魔導灯と比べれば、明るさが段違いだった。


基本的に魔導灯は、火属性の魔力を利用して作られている。
だが、フェデリカの作ったこの魔導灯は魔術式・【発光】が使われており、根本から作りが違うのだ。

そのうえ、持久力や使い勝手も断然違う。

火属性の魔力を利用した魔導灯は、使えば使うだけ魔力を消費して暗くなっていくのに対して、魔術を利用したものは明るさがほぼ変わらない。

空気中に滞留する魔素同士をぶつけ、その反応により発光を促しているためだ。

さらに、この魔導灯は浮かせることもできるのだから、かなりの優れものと言っていい。

それにより、良好な視界のなか探索が始まる。


途中、ネズミ型魔物・ゲッシの進化系、大ネズミ・デントラットの群れに出くわすなどしたが……

「さすがだな、リーナは。おかげで、派手な戦闘をしないで済んだ」
「いいえ、先生のおかげですよ。それの、私と先生が組めば敵はいません」

リーナが言う通り、あっさり撃退に成功した。

俺が【加重】の魔術により敵の動きを完全に封じたところへ、リーナが水の波動を纏った剣閃を放ち、一気に薙ぎ払ったのだ。


「……すごいなぁ。あのデントラットを牙も剝かせないうちに倒しちゃうなんて。
先生とリーちゃんがいると、なんかダンジョンにいるのに実家のような安心感あるよ、うん」

それを見て、ルチアが暢気に言う。
信頼してもらっているのはいいけれど、あまり気を抜いてもらっても困る。

「用心したほうがいいよ。ここは外より全体的に瘴気が濃い。魔物も、上級ランクがほとんどだ。かなりの危険地帯だよ」
「たしかに言われてみれば、見たことない魔物ばっかりだったかも……? それにうまく【鑑定】魔術が使えなかったし」
「そういうものですよ、ルチアーノさん。瘴気が強い空間では、魔力が乱れやすくなります。その分、魔術を操るのも難しくなりますよ」

ルチアとリーナの会話を脇に置いて、俺は少し思案をめぐらせる。

普通、同じダンジョン内でここまで明白に出現する魔物のランクが異なることはない。
多少の濃淡はあれど、発生した瘴気は、空気中で混ざり合い均一化するためだ。

しかし、この洞窟内は今の今まで封鎖されていた。
とすれば、洞窟内のどこかに濃い瘴気の発生源があり、それが原因で強力な魔物が住み着いているのかもしれない。

俺はそんな仮説を立てると同時、さっそく検証へと入ることにした。

空気中に速記した魔術サークルは、【探索】だ。基礎魔術【鑑定】を、魔術サークルを『拡散』型に変えるなど、改良したものである。

これにより、さらに広範囲にわたって使用することができる。

「ねぇリーちゃん。今、瘴気の濃いところでは魔力が乱れるから魔術は使いにくいって言ってなかった?」
「言いました。言いましたが、アデル先生は別格ですよ。先生に常識は当てはまりません」

一体、なんのことやら。

少し疑問に思いつつも、俺は【探索】の範囲を広げていく。
そうして、それは引っかかった。

明らかに瘴気の濃い場所が一点、洞窟の中に存在していたのだ。

「さぁ、行こうか。どうも、こっちの方らしい」

俺は【探索】で得た感覚を頼りに、2人を先導して洞窟内を進む。
そうして大広間のような空間に到着した。


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