ミナトさんの日常 タラレバ編

鷹美

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第3話

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ハッと意識が暗転するとミナトは元の姿に戻っており、赤ん坊の時のスタートラインの時と同じ鏡の目の前で横になっていた。

どうやら寝落ちしていたようだ。
寝落ち、夢落ちが一緒に起こるなんて漫画やドラマだけじゃないのね。


「あら、ミーちゃん起きたんだ。」

「おうおう、遊ぶ約束してるのに何寝とるん。」


声が聞こえてふと視線を変えると、オオダとアキがいた。
ミナトは起きたてで重たくなった頭を抑えながら起き上がると状況を確認する。


「オオダは確かに呼んだが…アキは呼んだっけ?」

「うっふふ。
彼氏の仕事がもう少しで終わるみたいだからミーちゃんの家で珈琲でも飲もうとおもってね。」


いや、我が家は喫茶店じゃねーよ。
あー目が覚める前の音はアキが入ってきた音か。


「まったく、勝手に入ってきて。」

「電話もしたし、駐車場に車もあったから心配してきたのに…。」


アキはわざとらしくオヨヨとウソ泣きをする素振りをした。
まぁ、気にしてないからいいのだが。


「オオダドンはコーヒー飲む?」

「これからお酒飲むからいーらない。」


オオダがそういうとカシュッと音が響く。
ミナトはコーヒー豆を冷凍庫から取り出して機械で細かく挽き始める。


「コーヒー豆って冷凍するものなの?」

「んーしなくても問題ないけど冷凍したほうがもつよ。
挽く前までなら、1か月くらいなら良い状態でコーヒーを淹れれるよ。」


ミナトは、そう言いながらコーヒーを淹れ始める。
昔喫茶店で働いていたのもあり手慣れた様子でいれており、コーヒーの香りが部屋に広がっていった。

ミナトからコーヒーを受け取り1口啜った後にアキは、そういえばと口を開く。


「ミーちゃんって集まる前に寝落ちしてるのって結構あるの?」

「ううん、家の前までいって電話をかけてもでなかった時の一回だけ。

あの時は、夜遅いのもあったから仕方ないなーって思って一旦帰ったのよ。」


懐かしそうにビールを口にするオオダ。
ミナトはアキの横に座るとオオダを同じように缶ビールを開ける。


「自分の家に戻った時にミナトから連絡がきてね、ウチもお酒の気分でいたから直ぐに戻ったけど…いやぁ面白かったよ。

玄関開けたら無言で土下座してるミナトがいたんだもん。」

「あら、今時土下座する人なんていたんだ。
え、いつから?」


アキがチラリとミナトを見ると、ミナトは淡々とした声で最初からと答えた。
それを聞いたオオダは、咳込んだ。


「え、遠くないとはいえ10分近く?
いやーアホやね。」

「知ってる。」

ミナトは悪びれもした様子もなくクピクピとお酒を飲む。
そんなアホみたいな話をゲラゲラと笑った後にスマホを見て立ち上がる。


「私のぴっぴが仕事終わったみたいだし、お暇させてもらうね。
コーヒーご馳走。」


アキはそういうと早々にミナトの家から出て行った。


「流行りに疎いから分からんけど、ぴっぴって言う人っている?」

「しっらーん。」


オオダは、ミナトの質問に興味なさげに答えると新しいお酒を開ける。

何故にあの夢はリアリティがあったのか。
そんな疑問はお酒と一緒に流れていき、今宵もお酒で夜を明かすミナト達だった。






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