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第三話
第3話 3
しおりを挟む「な…なんなんだ、お前ら?」
部屋に入ると、二人は向かい合って座っていた。
…なんとも、可愛らしい部屋に。
「ドンマイだ、B.K。
ついにバレてしまったか。」
ベルは、ゆっくり立ち上がるともっていた物をB.Kに投げ渡す。
ベルが投げたのは、まん丸とした可愛らしい表情の猫のぬいぐるみだった。
「あぁ、内緒にしてたのは勘弁してやってな。
獣の件で、同胞以外の生物にピリピリしてたからB.Kなりに気をつかってたんだよ。」
ベルは、そう言うと部屋から出ていった。
…が、数秒後に追いかけにいったB.Kに引きずられて戻ってきた。
なにがなんでも、簡単に引きずられ過ぎだろうと、全員が心中で思ったという。
「仲間なんです。
そんな些細な事を気にしなくても、良かったのに。」
アンナは、両手を胸元で合わせてキラキラとした瞳でB.Kを見つめていた。
そのB.Kは、ベルの後ろに丸くなるように隠れていた。
真っ赤に染まってしまった顔を隠すように。
「声を我慢するように話してたのは、聞いていたみたいだけど、アレは?」
マレの質問に対して、ベルはB.Kをチラッと見た後にため息をついて口を開いた。
ベルは、杖形態に起動させたキーウエポンをアイクとアンナはが粉砕した扉のほう向ける。
“心の0段”
ベルが杖先から、放った光の玉は粉砕された扉を綺麗に再生させた。
ため息の様子をみると、暴君達が物を破壊する度にベルがこうやって修理しているのだろう。
「こいつは、秘密主義者じゃなくて強がっている恥ずかしがり屋。
俺がホープで作ったぬいぐるみの可愛さに、はしゃいでただけ。
俺の0段はゴーレムや特殊効果のついた物以外は、解除や壊されない限り永久と言っても良いくらいもつからな。
あの扉みたいに。」
話がいったん落ち着くと、食事がまだだといってマレ達は食堂に向かった。
道中、B.Kはまだ恥ずかしさが拭えないようでズッとベルの後ろに隠れるように移動している。
「お前ら…覚えとけよ。」
B.Kは、顔を真っ赤にして涙目でアイクとアンナを睨んでいた。
あんな事があったせいか、威圧感を全く感じていないようでアイクは、まだ笑っている。
「そろそろ、いい加減にしましょうか?」
アンナは、そう言うとアイクの肩をあの扉のように粉砕した。
勿論、前回粉砕した反対側の肩を。
アイクは悲鳴をあげていたが、心を使えば完治するため他の人は放置している。
幸い、ベルやアンナのように心に長けている人間もいるし。
「いつになったら、0段がつかえるようになるの?」
食堂につき各々が注文を待っている時に不意にマレはそう言葉を発した。
現在、マレが使えるのは体のみ。
技や心だって使えるのようになりたいだろう。
マレに限らず、戦力強化の為に他のメンバーも同じ事を考えていた。
「まぁ、ホープに関しては個人差。
キーウエポンを使えるようになった時みたい、“自覚”と“きっかけ”、それとホープを発動するときの反動に堪えられる力もな。
アンナやB.K達は、それが伴って0段が使えるようになった。
俺の0段は…所詮、コピーだから参考にはならないけどな。」
ベルは、そういうとアイクにキーウエポンを向ける。
流石に、脂汗でびっしょりの男が気になったのだろう。
直ぐに治癒を始めた。
“心の1段”
アンナに粉砕された肩を治療されたアイクは、肩を回しながら口を開いた。
「…ま。
マレは、とりあえずキーウエポンの適合率をあげる事に専念しておけ。」
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