Nora First Edition

鷹美

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第五話

第5話 12

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†素敵ハウス†

素敵ハウスに戻ったメンバーを直ぐにハゲとシオが出迎えにきた。
二人は状況確認を踏まえ、心でメンバーの怪我の治療を始める。


メンバー全員の傷を癒した所で、アイクは今もなお暴れまわるエグザスを見た。





「何故、俺を残さなかった!

最大の体をかければ、獣の1000や2000は簡単に…簡単に…。」

「落ち着けばか野郎!!
コーダやカナのように手の打ちようが無い決定打のないお前がその数を相手に出来る限るはずがないだろ!


精々、500が限界だ。
それを越えると流石に獣も学習するだろうから、お前はそこから獣の遠距離攻撃で攻められて殺される。
本当に助けたいなら、状況を把握し…落ち着き万全な体勢で望め!」



コーダとベルの0段で拘束されているエグザスにアイクは強くそう言った。


そう言われたエグザスも、普段の落ち着きを取り戻す為に深呼吸を始める。
流石に少しだけ落ち着いて理性を取り戻したのだろう。



「さて、二人の奪還作戦だが…地下から向かう。


安易な作戦だが…地上よりかは警備が手薄な地下から入り牢獄に向かう。
それから、追いかけてくるであろう獣を地下に追い込みある退路を塞いで仕留める。



幸い、同じ0段の奴が2人いるからなんとかなるだろ。」


「地図は、先の潜入で入手済みだしな。
あのクソみたいな仕掛けにさえ気を付けてれば何ともないだろ。


あのヨボヨボの獣の気取ったあの面構えをぶっ壊したいぜ。」



グレーズは、不適な笑みを浮かべて両手をぶつけ合う。
だが、心底腹を立ててるのだろうぶつけ合った両腕には相当力を入れてるのか血管が浮かびあがっていた。


「今度は遅れはとりません。
ジュリ殿とアンナ殿を苦しめる機械や部屋を全て破壊しましょう。」


子供のように柔らかな表情をしているカナも、この時は年相応の表情をしていた。



残りのメンバーも首を縦にふる。
皆、同じ気持ちなんだろう。


拘束を解かれ、傷を癒したエグザスは完全に頭が冷えてアイクの話を聞く姿勢になっている。


「取り乱してすまない。
アイク、俺にジュリを助けるための指示を頼む。」


エグザスの様子をみて満足そうに首を縦にふると、アイクは全員を見回す。



「よし、奴らが生体実験される前になんときても助け出す!

今回は総力戦だ。
ここの守りは一旦やめて、全員で攻め込む!

シオは、退路を頼む。

ハゲは、エグザスと共に進路を切り開け。

行くぞ!」
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