Nora First Edition

鷹美

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第八話

第8話 2

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「さぁテ。
大人しく降伏して、実験動物になってくれるとお互い無駄な怪我がなくて非常に助かるんだが…どうすル?」


ハリボテだらけの大型の銃を持った獣鎧は、ダルそうな声でそう言った。
それをハゲが、正面で対峙している形になっている。


“体の5段”


カナも、高台から飛び降りてハゲの隣に移動する。
途中、体をかけているため時折雷を走らせていた。



カナが、ハゲの隣に着くと同時にアイク達も正面の門の前につく。




「なんだよ、チンピラの集団みだな。」



アイクの視線の先には、獣鎧を筆頭にフルフェイスのヘルメットと黒い軍服を装備した人間が10人程並んでいた。
その人間は、全員バイクに跨っている。


「あぁ、かなりクールだロ?
ホープを使用できる生物兵器“ドーベルマン”ダ。

だが、俺たちはキーウェポンじゃなく“アニマ”っつーのを媒介にホープを使っているがナ。」


獣鎧がそういって、空いた左手を上げるとプシューと音と共にバイクの座席の両端にある筒の蓋が開く。
そこには、バイクと同系色の黒色をした剣と銃がそれぞれ入っていた。


そして、各々が片手に剣や銃を握り始める。



「やレ。」


獣鎧は、上げた左手を前に向けて振ると軍服の人間達“ドーベルマン”達がバイクに乗って走り出した。


“体の3段”



ドーベルマン達は、バイクで走りながら体をかける。
バイクから雷が出ている辺り、あれもアニマなのだろう。

考えることは一緒だったか。
そう考えていたアイクを他所にグングンと前にカナは走り出す。


「とりあえず殲滅します!」


“体の8段”


そんな物騒な事をいいながらカナは、全身に雷を走りながら纏わせた。
身体能力能力が高く、最上級の肉体強化をしているとはいえバイクよりも早く移動できるのは驚きだ。


流石のアイクも呆然としている。



「とりあえず、機動力ですね。」



カナは、タイヤにキーウェポンを突き刺し大きく振りかぶった。
制御を失ったバイクは、他のバイクを巻き込んでいく。


連携や隊列を重視する部隊には、効果的だろう。
本人にその意図はないだろうが…。



「カナに任せっきりになるな、俺たちも行くぞ。

ハゲ、俺と続け!

二人は後方で支援を頼む!」



“体の6段”




アイクとハゲも自分にかけれる最大の体を発動させて走り出す。



「おいおい、お嬢ちゃんは化け物かヨ。」

「はい、そうです。」


“技の2段”


カナは、走っている勢いを利用して二本のキーウェポンをグルンと地面を引きずりながら回転して振り上げる。
巨大な竜巻は、獣鎧に向かっていく。


獣鎧も軽く舌打ちをすると、後ろに下がりながらツギハギだらけの銃を撃つ。



「っちィ!
お前達、頼ム!!」



獣鎧の号令で、ドーベルマンの内2人が動きを変えて氷の柱に向かっていく。



“技の1段”


獣鎧とドーベルマン2人は銃から炎の球を連続で放つ。
竜巻は炎の球に耐えられず大きな爆発を起こし四散していった。

「出し惜しみはしない方がいいみたいですね。」



カナは、そういうと走りながらキーウェポンを重ねる。
カナがしようとしている事が分かるのか、ドーベルマン達も妨害をしていたが、それでもカナは止まらない。


斬撃も、銃撃を全て避けながら口を大きく開いた。



「動きなさい、インフィニティ!!」


二本のキーウェポンは、白い雷と光に包まれて一本の大剣となった。
バリバリと雷を撒き散らし、そして地面を抉るように振り上げた。



“技の4段”


地面を走る雷の刃が容赦無くドーベルマン達に向かっていく。
雷に飲まれたドーベルマン達は悲鳴を上げると跡形もなく灰になって消えて行った。



「…お嬢ちゃン。

少し…ハシャギ過ぎダ。」



“技の0段”



アイクは、我が目を疑った。
獣鎧は、ツギハギの銃からグレネードを放った。

アイクだけじゃない。
シオ、ハゲ、カナも良く見慣れた技だ。
カナも驚いたせいで防御が遅れ、グレネードを食らってしまった。



「っ!!」



ゴロゴロと転がりながら間合いを開けると、痛みに堪え左手を胸に当てる。


“心の4段”



左手から放たれた光は、全身を包みカナの傷を癒した。



「何故、お前がそれを使える!!」

アイクは、獣鎧に向かってそう叫んだが獣鎧の方も仲間を殺られて気が立っているようでピリピリした様子で話しを始める。



「研究の成果ダ。
グレー…なんたらって奴からのデータで使えるようになったんだヨ。

驚いたよ、代価が屁って笑えるなぁおイ。」



獣鎧は両手を広げ、凄まじくバカにしたような素振りでそう言った。
アイクもそれに、腹がたったのか左手を砦の方に向ける。


「その態度…後悔させてやる。」



“技の0段”


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