コバナシ

鷹美

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第二話

第二話 10

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「楓、四大も使っていいんだぞ?」

護がそう言えと、楓は左手の袖からも鞭のように布を伸ばす。
自分の体に回転をかけて、左右の布を護に向かって伸ばす様はまるで舞のようだった。


【暴風】

楓は、両手の布を重ねるようにして護に振り下ろす。
護は技の精度を満足そうにみるとただ一振り木刀を振って攻撃を完全に防ぎ切った。


そして、流れるような動作で楓の後ろに回り込んで両肩に自分の手を乗せた。
楓の後ろに回り込んだのも、木刀を腰に挿しているのもあっという間の出来事だった。


「上出来だ。
大人でもここまで風を操れる者はそうはいない。

しかし、これを驕る事なく鍛錬は欠かさずにように。
慢心は人を鈍らせる。」


勝負はついた。
楓はそれがよくわかっているみたいで、悔しそうに両頬を膨らませると両手の裾から伸びた布をメジャーを戻すような感じで裾の中に戻していく。



「次は…空。」


今度は名指しだ。
チャンバラごっこや打ち込みが嫌いなのか、項垂れた様子で空は護に向かって歩いて行く。


しかし、空が握っていたのは先程の木刀ではなく全部金属で作られた棒だった。
おそらく、空が全力で握っても握り砕けないようにするためだろう。


「まずは、いつものように打ち込んできなさい。」



【青竜(せいりゅう)】


空は前方に棒の先で円を描くように回した後に、その円の中心を貫くように棒の先を突き出して突進する。
台風を思わせる風の暴力を全身に纏わせて、護に向かって突進して行く。


四大を使われていたら、きっと瞬殺だっただろう。
籐麻は、背筋が冷えるような思いで空の全力を眺めている。


そんな空を感心したように護は見た。


「ほう、もう出来るようになったのか。」



護はそれだけを口にすると、楓と同様に木刀の一振りで防ぎ切った。
あっさりと塞がれた事に驚きもせずに、空は直ぐに態勢を整えて護に向かって構える。


教えてきた事がしっかりと守られている。
満足そうに頷いた護は、軽く素振りをして構えた。


「それでは、今度はこちらから打ち込むから防いでみなさい。」


護はそういった後に、空に向かって打ち込む。

まずは、一般的な剣道でも使われる面、籠手、胴。
そして、上中下の突き。

そのセットを速度を上げて3セット。


空はそれを見事に防ぎ切った。
この頃には、項垂れた様子の時とは打って変わって真剣な表情に空の表情は変化している。


「次は、四大の訓練。
青竜はいいから、朱雀を使って打ち込んでみなさい。」


護にそう言われた空は、トントンと足踏みをして風を足に纏わせると先程の籐麻のやったようにジグザグと左右に移動しながら護に向かって進んでいく。
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