コバナシ

鷹美

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第二話

第二話 14

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桜お手製のお握りを頬ばる籐麻と剛。
同じ金髪だからか、側から見たら親子にもみえるだろう。


不意に籐麻は、上を見上げる。

本日は晴天。
晴れ渡る空は、雲ひとつなく綺麗な青が広がっている。

こんな穏やかな日は、少し前までは考えられなかった。
不意に視線を感じた籐麻は、視線を感じた先を見る。

籐麻を見ていたのは、護の嫁である恵梨香だった。
何やら、筆を握っており紙に何かを書いている。


「何を書かれているのですか?」


籐麻は、恵梨香にそう声をかけた。
そんな籐麻を見て恵梨香はニコッと笑うと紙を裏がして書いでいたものを見せる。

それは、お握りを頬張る籐麻と剛の絵だった。
水彩画のようで、淡い感じのタッチで綺麗に描かれている。

他にも水遊びをしている楓達や釣り釣りをしている優の後ろ姿、蓮にお握りを渡す桜。


「楽しいことはいつまでも覚えていたいから、出かけるたびに描いているの。
たくさんある趣味の1つ。

藤麻は、趣味はあるのかな?」


恵梨香は、筆を置くと藤麻に微笑みながらそう答えた。

趣味…。
護達に拾われて、ここまで来るまで生きるのに必死だったためにそんなことを考えた事もなかった。

自分にとって楽しくて続けたくなるような物とは何か…。
期待するようにキラキラとした瞳で見る恵梨香を前に無いとは言いにくい。


「そう虐めてやるな、恵梨香。
いきなり趣味と聞かれても咄嗟に出る物じゃないだろう。

藤麻は、まだ世界に触れたばかりで知らないことが多い。
探さなくてもそのうち見つかるだろう、焦ることもないだろう。」




うーんと悩む藤麻の頭にポンと手をおいた護はそう助け船を出した。

そこにお握りを食べにきた優が藤麻に釣竿を渡してくる。
藤麻は訳も分からず、釣竿を受け取ると困った顔は優をみた。


「そんな事か。
それなら何事も体験だ、道具もあるし…まずは釣りでもしてみようか。」


一応訓練の為にきているのに、こんな事をしていいのだろうか?
根が真面目な藤麻は、そんなことを考えながら優に言われるがままに後を追って優の隣で釣り糸を垂らす。


気を楽にしてそのまま待って重みを感じたら竿を引けばいい。
おまりにもシンプルな優の説明にやや困惑しつつ、藤麻は釣り糸をたらした川を眺める。



いつの間にか、近くに椿、楓、空、蓮、護も釣り糸を垂らして釣りを始めていた。
しかも、各々大なり小なり魚を釣っている。

同じ場所、同じ餌、同じ道具を使っている筈なのに藤麻の釣竿に魚が食いつく様子はない。


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