コバナシ

鷹美

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第3話

第3話 17

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カランカランと来客を知らせる鈴が店内に鳴り響く。

店内は結構広く、立ち飲み専用のテーブル席が3つと腰をかけれるテーブル席が2つ、椅子が5脚あるカウンター席があった。



来店と同時に店員がきた。
最初に店に入ったのがスーだったせいで一瞬だけ店i員は表情を歪ませたが…ピオが店内に入ると安堵したような表情に変わり腰をかけれるテーブル席へ案内される。

案内されてしまったら、流石に少しは頼まなくちゃいけないか。
ピオは、ドリンクのメニューを眺めた。


しかし、視線は気持ち悪い。
子供連れで煩わしそうな視線、自分や楓やスーに向ける不快な視線、何かを見定めている視線。

やはりここに来るべきじゃなかった。
自分だけならまだしも、子供達に向けられるのは我慢ならない。
飲み物を飲んだら嫌がられてもここからはなれよう。


欲しい飲み物を聞こうと視線を子供達に向けたら、すでにスーは席からいなくなっており厳つい男に話をきいていた。



「おんちゃん、オイラ奇病について調べてるんだ。
なにか知らないかな?」


ピオは立ち上がりスーの元へ駆けだそうとしたがすぐに動きを止める。
スーが声をかけた男は意外にも気さくで豪快に笑った後にやや乱暴にスーの頭を撫でた。


「なんだい嬢ちゃん、探偵ごっこか。
悪いな、俺も噂とか時事に疎いから奇病について詳しくねーんだ。

この前も学者のような姉ちゃんも同じことを聞いてきたし、若い子を困らせるのは趣味じゃねぇからおじさんも勉強するわ。」


”学者のような姉ちゃん”。
その言葉にスーは反応し、男に詰め寄り始めた。

驚いた声と共に近づいてきたスーに少し怯んだが、男はゴホッと咳をするとスーのおでこを押して下がらせた。


「まったく、男にそんな距離の詰め方をするのは10年早い。

あの姉ちゃんと知り合いだったか?
だったら、ここにいくといい。」


男はポケットからクシャクシャになった紙を取り出してスーに渡す。
スーがその紙を広げると、そこには簡単な手書きの地図が記されていた。

そこはどうやら、港町の宿のようだ。


「少しの間は滞在すると言っててな、何かあったらここにいるから尋ねてほしいだと。
嬢ちゃんが知り合いなら行ってみるといい。

まったく…年頃の女なのにこんな情報収集してたら危ないだろうに…。」


見た目以上に心優しい男で、ぶつぶつと文句のようなトーンで心配している素振りを見せていた。
スーはペコっと頭を下げて礼をいうと、ピオ達の所に戻る。


勿論、スーはピオにはみっちり怒られた。
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