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第5話
第5話 1
しおりを挟む時は少し遡り、港町。
空と優と楓は再び町を散策している。
スー達との約束もあるが、それはまだ先の話。
1日、2日くらいの誤差なら自分で何とかなる。
狩り人が連続で襲撃、スーの突然消えた理由など色んな時間が起きた。
せっかく和国の外にいるのだ、調べておいて損はない。
最初は朝に人通りの多い市場。
そこで情報を得ようとしたのだが…入り口のすぐそばでトラブルを起こす者がいた。
そう…空だ。
どうも、この男は女性にぶつかる…。
そして、楓も騒ぐ。
「ウチの連れが申し訳ない、怪我はないだろうか?」
子供達の痴話喧嘩にため息をつきたいがグッと堪えて、まず先にぶつかった女性に謝罪をする。
スレンダーな体で洋服を着た女性だ。
和国では目立つ格好だが、海に面して流通が盛んな港町では珍しい格好ではない。
赤茶色の髪のサイドポニーに黒の瞳、そして大きな布を背負っていた。
「大丈夫、怪我はありませんよ。
子供のしたことですのね、どうかお気になさらずに。」
穏和な笑みを浮かべた彼女は、またねと空と楓に手を振って去っていった。
自分の娘も、こんな風に落ち着いた女性になれるのだろうか…。
2人を落ち着かせた優は、再び市場を見渡す。
先程の女性もそうだったが、この町では洋服だけではなく髪の色も染めている人がチラホラ目立つ。
他の領地人と比べて他の文化に寛容で好奇心が強いのだろう。
港町には領主がおらず、医療、食料、雑貨、日常品など取り締まる元締めが数人いてそれが均衡を保っているという感じだ。
誰かが揉めれば、他の誰かが止める。
元締めは生活に欠かせない1柱を担っているため、誰か1人でもかけたら生活が困るからだ。
ちゃんとした領土と違い税金はないが…警備兵のように守ってくれる者もいない。
表沙汰にならなければ誰も動かないそんな町だから、あそこまで暗躍できたのだろう。
表沙汰にならなければ…問題はない。
それならば、人身売買を行っている場所の一つや二つ潰しても問題はないだろうか。
人道的じゃないという大義名分を掲げて、他の領主に茶々入れされたくないから…元締めと繋がっていても問題はないだろう。
証拠と退路、そして子供達の安全。
子供達だけでも、先に帰らすべきか…。
いや、行き当たりばったりでつつくものじゃないから組織の情報だけでも得よう。
それから、準備をして蓮と一緒に潰せばいいだろう。
蓮は武装した自分を背負えるだろうか。
蓮が衰えていないことを祈りつつ、優は空達を連れて市場の中に入っていく。
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