蝶の物語

グズマニア

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第一話  紫の蝶

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 8月に入り、夏本番の暑さが続く。夏休みの課題を進めながらも、意識は2日後に帰る田舎のことに向けられている。毎年お盆になると、田舎の祖父母の家に墓参りに行くのだ。久しぶりに会う祖父母や深い森が恋しい。
 それとは別に誕生日も近い。8月16日は僕の誕生日。祖父母の家で誕生日パーティーをするのだ。誕生日パーティーは僕が1歳の頃から毎年やっていて、恒例行事となっていた。

 なんとなく窓の外を見てみる。黒色の蝶(クロアゲハだろうか?)が舞うように飛んでいる。
 ふと気になり、窓を開けて蝶に指を伸ばす。蝶は一瞬の間だけ僕の指に止まり、また飛んでいった。    
 「蝶」というキーワードで僕は思い出した。毎年お盆になると一緒に山で遊んだあの子のことを。…なんで忘れていたんだろう。先ほどまで完全に忘れていたというのに、今ではあの子のことをはっきりと認識している。なぜだろうか?まったくもって不思議だ。


 そういえば、あの子は蝶に関して独特の見解を示していた。
 「人は死んだら、蝶々になるのよ」蝶の羽根を掴んで虫かごに入れていた当時の僕に、あの子はそう囁いた。
 それから、僕の虫かごをそっと取り上げ、蝶を離した。
 そして「だから、いじめちゃだめよ?」と、微笑みながら付け加えた。
 それがあの子との一番古い記憶。おそらくは出会いだった。

 人は死んだら蝶になる、か。不思議な言葉だ。…あの子もこの言葉のように、不思議な空気をまとっていた。夜明けと共にどこかへいなくなってしまう蛍のように、儚い存在。一夏の思い出。そのようなどこか切ない印象をあの子に持っている。
 ふと手元に目を向ける。あれから少しも進んでいない課題。苦笑しながらも、それからは真面目に取り組んだ。

 時が流れるのは早いもので、あっという間に出発の時が来た。
 「何やってるの~?早く行くわよ~。」母さんの僕を急かす声が聞こえてくる。
 「今行くよ。母さん。」そう答えながら、準備を倍速で終わらせる。

 祖父母の家はここから遠い山地にあるため、新幹線で行く。移動中は家族でボードゲームをした。うちは3人家族なので、どんなゲームをやるにしろ、物足りない感じがある。母さんは「もう一人いればね…。」ぼやいている。今年の新幹線もいつものようにボードゲームをして終わった。

 あっという間に乗り継ぎの駅に着いた。祖父母の家はかなりの田舎にあるので、いくつかの電車を乗り継いで行く。段々と深くなる森は僕を地図なき道を進む探求者のような興奮を感じさせた。

 やがて僕たちの乗っていた小さな電車は大きなブレーキ音と共に止まった。これまた小さな駅の無人の改札口を抜けると、すぐ近くに祖父母の姿が見えた。

 「遠い所からよく来たねぇ。」と、祖母。
 「久しぶりです。お義母さん。」と、父さん。
 「久しぶり。ママ、」と、母さん。
 「久しぶり。ばあちゃん。」そして、僕。
 再会の挨拶を交わした後、徒歩で祖父母の家へと向かった。
 劣化して、雑草の飛び出たアスファルトの道路を4人で行く。空には大きな入道雲が一つ浮かんでいた。

 家に着いてすぐ、祖父が僕たちに歓迎の挨拶をした。足を悪くしてしまった祖父は家で留守番をしていたのだ。お茶を飲みながらいろいろなことを話した。祖父母からの質問が終わる頃には、太陽が来たときよりもさらに西に傾いていた。
 「散歩に行ってくる」と言い残し、家を出た。

 見渡す限りの深い緑。都会の街路樹なんかとは比べものにならない大自然に圧倒される。そして、静かだ。誰もいない放課後のような果てしなく感じる静けさ。どこか遠い場所からの鳥のさえずりと母と祖母の会話だけが聞こえる。キュウリ製の馬(精霊馬といったか?)を4日も前から飾っていたせいで腐らせてしまったらしい。

 家の脇の木陰には、細い登山道がある。祖父母が山菜を取りに裏山へ行くための道だ。深い森へと続くその道を涼しい風と共に進む。
 十分ほど進み、段々と木と木の間隔が広くなってきた。もうそろそろのはずだ。懐かしい眺めに目をとられながらも、さらに歩みを進める。やがて目印であるお地蔵さまと小さな白い花をたくさん咲かせている木を見つけた。木を登山道をそれて白い花の木の裏側へと回る。これまた細い…ほとんど獣道のような道を進む。少し進むと、急に視界が開き、山の中腹から田舎の景色が一望出来る。
 僕はこの景色が好きだ。都会の景色はビルが建ったり、崩れたり、不安定で儚い。それだけ町が栄えているからいいことだ、という友人がいる。だが、僕はそう思わない。慌ただしい都会にはない静謐さ。それに惹かれるのだ。そんな感傷に浸っていると、背後から声が聞こえた。

 「あら、久しぶりね。」懐かしい声。なぜあの子が来ることに気づけなかったのか?、そんな疑問と再会の喜びを感じながら振り返る。綺麗な長い黒髪。どこか寂しげな瞳。1年前と同じあの子がいる。
 「…久しぶりだね。」少しの間見とれながらも返事を返す。

 「君もお墓参りに来たの?」今更だが、あの子が僕と同じように墓参りに来ているのか、ここら辺に住んでいるのかまだ知らなかった。
 「そうね。墓を見に来たの。」言い回しに違和感を感じたが特に言及はしなかった。
 「墓って不思議なものよね。」突然あの子が言った。
 どういうことだろうか?言葉の真意を読むことが出来ない。困惑する僕にあの子は更に語りかける。
 「人の本質はどこに由来するか考えたことがある?私は骨じゃなくてその人の生前の姿だと思うの。お墓参りをする時に人は遺骨じゃなくて生きていた頃のその人のことを想うの。だから…墓ってあまり意味がないと思った。」
 「なるほどね…。」あの子の言ったことの意味が分かった。だけど、死んだ後に誰の記憶からも消えてしまったら何が残るのだろうか?そんな疑問を感じた。
 「私がここに来て4日間なんとなく考えたことだからそんなに納得したような表情しないでよ。」あの子は笑いながらそう言った。僕にはその笑顔が無理につくられたように感じた。
 あの子に感じた違和感の正体を探ろうとした。その時だった。

 「ずいぶん背が伸びたのね」唐突に話しかけてきた。
 「そうだね、ようやく成長期に突入したよ。」去年までは僕のほうが小さかった身長は、今では逆転している。
 「学校はどう?楽しい?」
 「いつも通りだよ。だけど、今年は受験だから去年みたいにのんびり出来ないのが辛いね。」その時、あの子は一瞬だけ驚いた顔をした。
 「もうすぐ高校生なんだ…。もう半分は大人ね。…早いわね。」
 「何言ってるの?君ももう高校生じゃないか。」
 「………。そういえばそうね。」あの子は無理やり言葉をひねり出すように言った。

 西の空が赤く染まる。もうこんなに時間がたっていたのか。すぐに帰らなくては、祖父に日が暮れる前に帰ってこいと毎回のように言われている。結局、違和感の正体はつかめなかったが仕方ない。
 「もう帰らなくちゃ。また明日ね。」
あの子は少しの間瞑目した後、
 「また明日ね。」 と言った。
 「ここら辺は暗くなると危ないらしいから早く帰ったほうがいいよ。」
 「そうね、そうする。」
 そして、手を振り、別れた。

 途中でふとあの子のことが気になった。後ろを振り返る。深みを増す夕焼けのなか、あの子の姿は見えなかった。不思議に思いつつも、もう振り返ることはなかった。

 「遅かったじゃないか。夜の山は危ないといつも言っているのに。」
 「ごめんなさい。爺ちゃん。」
 「無事だったからよかったものを。万が一怪我なんてしていたら…」祖父の言葉は途中で遮られた。
 「ご飯が出来たわよ~。」祖母の声が聞こえる。
 「今行くよ~。」と答え、居間へと向かう。

 五人での食事。普段は三人で食べているせいか、不思議な感覚がした。祖母のつくったカレーを食べながらそんなことを考えた。そして食器を片付け風呂に入り、早めに布団へ向かった。

 布団で寝っ転がり、寝る為の努力をしているが、まだ眠ることは出来ない。しばらく前まで、父と祖父が酒を飲みながら世間話をする声が聞こえていたが、今はもう聞こえない。一人きりの静かな夜。夜とは思えないくらいに明るい。そういえば今夜は満月だ。耳を澄ませば鳥のさえずり。目を凝らせば、草の間を移動する虫の姿。いつものようなネオンの灯り、車の呻きは聞こえない。開発が進むこの地球において、ここは最後の自然なのではないかという気さえした。そうこう考えているうちに眠くなってきた。明日は誕生日か…。

 夜の時とは違う鳥の鳴き声で目が覚めた。いつの間にか眠ってしまったらしい。晴れ渡る夏らしい空が広がっている。顔を洗い、朝食を食べる為に居間へと向かう。
居間へつくと、大人たちが難しい顔をしながら何やらボソボソと会話している。そして僕が来ると急に表情を変え、朝食の準備を始めた。妙に気になり、朝食後に祖母に理由を尋ねる。
 「うん…?何のことだい?覚えてないねぇ。」としらばっくられてしまった。まぁろくな話じゃないだろうから聞かなくて正確か…。

 朝食も食べたことだし、裏山に行こう。昨日と同じ獣道を登り、あの丘に向かう。あの子は空を見上げ、そっと立っていた。どこか寂しげな空気を纏いながら。僕には気づいていないようだ。
 「おはよう」昨日とは逆の立ち位置。
 「…おはよう」あの子はこちらを振り返り、目をこすりながらそう言った。
 「そういえば今日はあなたの誕生日ね。」
 「そうだね。今年で15か…。」
 「私もね、今日が誕生日なんだ。君と同じ。」嬉しいはずの誕生日なのに、あの子は相変わらず哀しそうにしている。

 少しの間黙り込んだのち、あの子は続けた。
 「あなたは自分に姉がいたことを覚えてる?」
 「ははは、僕は一人っ子だよ。」
 「そうよね…。覚えているわけがないわ。あなたが生まれてすぐに私は死んでしまったから。」
 「…………。話を整理すると、君は僕の昔に死んだ姉ということになるね。」
 「まったく…その通りよ。」
 「……そんなわけがないじゃないか。君の姿はしっかり見えているし、足だってちゃんとある。」
 あの子は哀しげな顔をしながら続けた。
 「今はお盆だから見えているだけ。お盆は一年の中で一番あの世とこの世の結びつきが強い日なの。」
 「あまり面白くない冗談だね。実際触れてみれば確かめられるのに。」僕はそう言ってあの子の腕に向かって手を伸ばした。あの子と離れないように。きっと掴めるはず。僕の手は虚空を掴んだ。

 「………は?」あり得ない。まさか、あの子は本当に幽霊なのか?
 「本当よ。……本当に幽霊なの。」僕の心を読んだかのようにあの子は言った。
 なぜこのタイミングでこんなことを言ったんだ?突然脳裏に一つ思い返すことがあった。早く出しすぎたキュウリの馬の日付とあの子がここに帰省した日付は同じ8月11日。この一致はあの子に感じていた違和感の正体の決め手となるのに十分だった。
 
 「だけどっ。お盆になれば会えるよね!?」体のどこかから絞り出すように言った。
 あの子は黙って首を横に振った。「生きている人が幽霊を見られるのは15歳まで今日で……お別れ」
 「そんな……。」立ち尽くす僕をあの子はそっと抱きしめた。
 「ごめんね。お姉ちゃんらしいことを何もしてあげなくて。」
 「そんなことはないよ…。姉ちゃん」
 姉の涙が僕の肌を濡らす。体温を感じないはずの体からは不思議な温もりを感じた。もう会えないなんて嫌だよ。僕の言葉は涙と嗚咽で言葉にならなかった。目がにじむ。僕の体と姉の体、目に映る全てのものが一つになっていく…。


 目を覚ますと、僕はどこか知らない丘の上にいた。どうしてこんなところにいるのだろうか?考えても答えが見つかることはなかった。しばらく景色を眺めた後、家に戻ることにした。太陽の傾き具合からしてさほど時間はたっていないはずだ。後ろの茂みに人が踏み入れたような細い抜け道を見つけた。一瞬躊躇したが、通路がここしかないことは明白なので、進むことにした。
 白い小花を咲かせる木を抜けると、家の裏にある山の登山道に出た。やはりそれほど遠くではなかったようだ。汗もかいていることだし、家に帰ることにした。

 家に着いたら、親達が墓参りの準備をしていた。
 「今年はずいぶん早く行くんだね。」いつもと違う状況に疑問を呈した。
 「今年は…少し事情があってな」祖父の声には何かを決意したかのような重みがあった。
 
 祖父母の家のある場所は他の家より山の深いところにある。その為、墓地に行くためには山を下る必要がある。曾祖父と曾祖母は僕が生まれる前に亡くなってしまったため、どんな人だったかは分からないが、祖母の両親なのだから、きっと優しい人なのだろう。そんなことを思いながら、二人を送る。それが終われば、家に帰り、いつも通り僕の誕生日会をやる。…と思っていた。だが、予想は外れ、一行は家の裏山を登っている。僕たちはどこへ向かっているのか?と聞こうとしたが、もうすぐ目的地に着くような気がするので、やめた。
 先頭を歩いていた祖父の足が止まる。どうやら、目的地に着いたようだ。そこにあったのは、白い花を咲かせる木とお地蔵さま。今朝の場所だった。

 お地蔵さまに手を合わせた後に、一行は木の裏に回り、さらに進む。1、2分ほど進むと、開けた場所に出た。美しい景色と丘の奥に立つ墓石。お盆の時期にお墓、目的は明白だ。だが、誰の墓なのだろうか?ここ最近親戚が亡くなった訳ではない。

 僕の疑問に答えるかのように祖母が話し始める。
 「あなたは、自分に姉がいたことを覚えてる?」
 「…僕は昔から一人っ子じゃないか。」
 「そうよね…。あなたの姉が…が死んでしまったのはあなたがまだ小さい子供だった頃だから…。」
 「そう…なんだね…。」頭の中で何かが引っかかる。思い出そうとしてみるも、蘇る記憶はぼんやりとしたものばかり。唯一はっきりわかるものはこの丘に立つ誰かの後ろ姿だけだった。
 「あの子が生きていた頃は散歩の途中によくここに寄っていたの。私の背中に負ぶさって散歩したわ。あの子はここから見る風景が好きだったのよ。」そう告げた後、祖母は静かに泣き出した。
 「だから、ここに墓をつくったんだ。」祖父がそう付け加えた。
 しばらく沈黙が続く。それぞれが想いを巡らせるなか、蝉の鳴き声だけが辺りに響く。
 祖父が重い沈黙を破った。
 「あの子を…送り出してあげよう。」そして線香に火を灯し、墓前に供える。手を合わせ、故人を想う。祖母が母が父が、そして僕も後に続く。
 最後に僕が墓前に白いカーネーションを供えて姉の墓参りは終わった。

 
 墓に背を向け帰ろうとする間際、ふと後ろに振り返る。そこには姉の墓と夏らしい快晴の空、そして紫色の蝶。
 ーーそういえば昔誰かが言っていた。「人は死んだら蝶になる」と。

 

 
 
  
 
  


 

  
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