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第4話 中学校入学式当日なんだわ 中編
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学生カバンなんかもう投げ飛ばして、気付いたら全力で男の子を追っていた。息が苦しい。けど、走る。男の子は駐車場のはじにある歩道から、いまにも車道に飛び出そうとしていた。
「あぶないッ」
叫んだが、男の子が立ち止まる様子はない。俺が手を伸ばしてもギリギリ間に合わない。そう思った瞬間。歩道の横から現れた同じセーラー服を着た女子に、男の子はひょいと抱き止められた。た、たすかった...。安心して完全に気が抜けた俺は、盛大に足をからませた。あ、なんかこれデジャヴッッッッッ。俺は顔面から思いっきり転んで、アスファルトに強烈なキスをかました。顔面のあちこちから血が噴き出す。
「そこの君!大丈夫かい?!」
交通整理をしていた警備員が騒動に気付いたのか、こちらにやってきた。
俺は警備員のおじさんのほうを向いて笑顔を向ける。
「ありがとうございます...ちょっと足をねんざしてしまったのかも知れないので、保健室まで肩を貸していただけないでしょうか?」
と上目遣いでアプローチした。
「君...」
「警備員さん...」
「たくさん血が出てるじゃないか!!大変だ!!早く担架を!!」
いや違うそうじゃない。ありがてえけど。そこはトゥクン...てなるやつだろ!!
見た目は結構血出てるけど傷は全然深くねえから!!
そのまま俺は、応援にかけつけてきた他の警備員さんと一緒に担架で保健室に運ばれていくのであった。ふっ。おじさん。今回は俺の負けのようだが、次は勝つぜ。なぜなら俺は完璧美少女、犬山田八夜なのだからな!
なんだかんだで保健室に到着した俺は、養護教諭の丸井まどか先生に適切な治療をしてもらった。首にぶら下げたネームプレートで名前思い出したけど、この先生はみんなからママと呼ばれて好かれてたんだよな。この母性あふれんばかりの優しさと巨乳に、当時は俺も虜になっちまってたなあ。ママ~。また会えたよ~。
「ほんとに気を付けてね。せっかくの入学式なんだから。もし取返しのつかないケガしちゃったら、あなたの保護者の方たちも心配しちゃうでしょ?」
分かったよママ~。
「はい、これで終わり!まだ集合時間には間に合うわね。教室までの道は分かる?クラスを間違えないようにね。あとは、廊下を走らないこと!わかったわね?」
そういってウィンクしてきた丸井ママに俺は完全敗北したのだった。ママはつえーや。という事で俺は今、顔面ガーゼまみれ、右目に包帯、肘とか膝とか包帯ぐるぐる巻きの状態だ。右目のまぶたをだいぶ切ったから眼帯はしょうがないとして、肘とか膝が包帯ぐるぐるなのはまじで分からん。これがママの愛ってやつ...?
可憐でミステリアスな美少女をとりあえず目指してたが、今なら中二病系美少女も目指せるようだな。両手の人差し指をぐるぐる回しながら第二の邪王●眼の使い手としてこの学校を支配してやるぜ。
中二病系美少女という新たな方向性の芽生えに興奮しながら、俺は1-3の教室をガラリと開ける。すると一瞬静まり返ったかと思うと、教室全体がざわざわと騒ぎ始める。こいつは仕方ねえことだ。なぜならこの「神の気まぐれ超絶美少女~中二病をそえて~」が降臨してしまったのだからな!なにおそなえしたらいいんだろう!とか貢ぎてえ...!とか噂してるのはもはや明確。
「え、個性強そうな人がきたんだけど...」
「怪我大丈夫なのかな...」
「志々●真実...」
おい、最後のは聞き捨てならねえ。超絶美少女の俺にかっけえ悪役属性も追加されたら、属性過多で俺自身が神になっちまうじゃねえかよ。ちなみに俺の一番好きなキャラは煽られ耐性ゼロの亀甲羅おじさんです。
ずんずんと黒板まで歩いて行き、真ん中に貼られてある紙を見て自分の席を確認する。この席、俺が男としてこの中学校に通った記憶....めんどいから前世でいいや。そう、前世とまったく同じ位置だ。前世も、俺はこの教室のこの席で最初の一年間を過ごしたんだよな。
じんわりと感動を覚えながら、窓際の奥の机まで歩いていく。その机の右上には俺の名前がシールではってある。懐かしい感覚に包まれながら、椅子に座り、周りを見渡す。なんだか見覚えのあるクラスメイトばかりだ。ま、タイムスリップしてんだから当たり前っちゃ当たり前なのかもしれんが。隣の席のアイツはまだ来てないようだ。へへ。久しぶりに会うとなるとちょっと緊張してきたな。
俺は物憂げな表情をつくりながら、肘をついて、窓を眺めて、人を待つ。完全にミステリアスだ。ヒロインだ。あーこれこれ!俺こーゆーのがやりたかったわけ!完全にうぬぼれていると、ついにアイツが教室のドアを開けるのを目のはじでバッチリとらえた。
こちらの姿に気付いたとたん、小走りにやってくる。
「隣の席ってめっちゃ奇跡だよなって言おうと思ったけど...その怪我一体どうしたんだよ、はっちゃん」
「転んだんだよ、たっくん」
「転んだってレベルじゃねえぞ」
保育園からの幼馴染で、俺の唯一無二の親友。たっくんこと猫屋敷 拓は呆れたような顔を浮かべながら、隣の席に座ったのだった。
「あぶないッ」
叫んだが、男の子が立ち止まる様子はない。俺が手を伸ばしてもギリギリ間に合わない。そう思った瞬間。歩道の横から現れた同じセーラー服を着た女子に、男の子はひょいと抱き止められた。た、たすかった...。安心して完全に気が抜けた俺は、盛大に足をからませた。あ、なんかこれデジャヴッッッッッ。俺は顔面から思いっきり転んで、アスファルトに強烈なキスをかました。顔面のあちこちから血が噴き出す。
「そこの君!大丈夫かい?!」
交通整理をしていた警備員が騒動に気付いたのか、こちらにやってきた。
俺は警備員のおじさんのほうを向いて笑顔を向ける。
「ありがとうございます...ちょっと足をねんざしてしまったのかも知れないので、保健室まで肩を貸していただけないでしょうか?」
と上目遣いでアプローチした。
「君...」
「警備員さん...」
「たくさん血が出てるじゃないか!!大変だ!!早く担架を!!」
いや違うそうじゃない。ありがてえけど。そこはトゥクン...てなるやつだろ!!
見た目は結構血出てるけど傷は全然深くねえから!!
そのまま俺は、応援にかけつけてきた他の警備員さんと一緒に担架で保健室に運ばれていくのであった。ふっ。おじさん。今回は俺の負けのようだが、次は勝つぜ。なぜなら俺は完璧美少女、犬山田八夜なのだからな!
なんだかんだで保健室に到着した俺は、養護教諭の丸井まどか先生に適切な治療をしてもらった。首にぶら下げたネームプレートで名前思い出したけど、この先生はみんなからママと呼ばれて好かれてたんだよな。この母性あふれんばかりの優しさと巨乳に、当時は俺も虜になっちまってたなあ。ママ~。また会えたよ~。
「ほんとに気を付けてね。せっかくの入学式なんだから。もし取返しのつかないケガしちゃったら、あなたの保護者の方たちも心配しちゃうでしょ?」
分かったよママ~。
「はい、これで終わり!まだ集合時間には間に合うわね。教室までの道は分かる?クラスを間違えないようにね。あとは、廊下を走らないこと!わかったわね?」
そういってウィンクしてきた丸井ママに俺は完全敗北したのだった。ママはつえーや。という事で俺は今、顔面ガーゼまみれ、右目に包帯、肘とか膝とか包帯ぐるぐる巻きの状態だ。右目のまぶたをだいぶ切ったから眼帯はしょうがないとして、肘とか膝が包帯ぐるぐるなのはまじで分からん。これがママの愛ってやつ...?
可憐でミステリアスな美少女をとりあえず目指してたが、今なら中二病系美少女も目指せるようだな。両手の人差し指をぐるぐる回しながら第二の邪王●眼の使い手としてこの学校を支配してやるぜ。
中二病系美少女という新たな方向性の芽生えに興奮しながら、俺は1-3の教室をガラリと開ける。すると一瞬静まり返ったかと思うと、教室全体がざわざわと騒ぎ始める。こいつは仕方ねえことだ。なぜならこの「神の気まぐれ超絶美少女~中二病をそえて~」が降臨してしまったのだからな!なにおそなえしたらいいんだろう!とか貢ぎてえ...!とか噂してるのはもはや明確。
「え、個性強そうな人がきたんだけど...」
「怪我大丈夫なのかな...」
「志々●真実...」
おい、最後のは聞き捨てならねえ。超絶美少女の俺にかっけえ悪役属性も追加されたら、属性過多で俺自身が神になっちまうじゃねえかよ。ちなみに俺の一番好きなキャラは煽られ耐性ゼロの亀甲羅おじさんです。
ずんずんと黒板まで歩いて行き、真ん中に貼られてある紙を見て自分の席を確認する。この席、俺が男としてこの中学校に通った記憶....めんどいから前世でいいや。そう、前世とまったく同じ位置だ。前世も、俺はこの教室のこの席で最初の一年間を過ごしたんだよな。
じんわりと感動を覚えながら、窓際の奥の机まで歩いていく。その机の右上には俺の名前がシールではってある。懐かしい感覚に包まれながら、椅子に座り、周りを見渡す。なんだか見覚えのあるクラスメイトばかりだ。ま、タイムスリップしてんだから当たり前っちゃ当たり前なのかもしれんが。隣の席のアイツはまだ来てないようだ。へへ。久しぶりに会うとなるとちょっと緊張してきたな。
俺は物憂げな表情をつくりながら、肘をついて、窓を眺めて、人を待つ。完全にミステリアスだ。ヒロインだ。あーこれこれ!俺こーゆーのがやりたかったわけ!完全にうぬぼれていると、ついにアイツが教室のドアを開けるのを目のはじでバッチリとらえた。
こちらの姿に気付いたとたん、小走りにやってくる。
「隣の席ってめっちゃ奇跡だよなって言おうと思ったけど...その怪我一体どうしたんだよ、はっちゃん」
「転んだんだよ、たっくん」
「転んだってレベルじゃねえぞ」
保育園からの幼馴染で、俺の唯一無二の親友。たっくんこと猫屋敷 拓は呆れたような顔を浮かべながら、隣の席に座ったのだった。
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