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第七十四話 一時復活
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「ダメダメ、ダメダメったらダメ」
「なんでクロがダメ出しするのさ」
「だって、リンはここで私と一緒に暮らすんだから」
「クロちゃん?!何言ってるの?!一緒にって、うらやま、、、いけません!リンくんがここにいつまでもいたら、あちらに戻れなくなってしまいます」
戻れない?
何か繋がりが切れてしまうとかあるのだろうか。
「メインアバターの使用が7日間以上停止になる時は、役所に届け出を出さないといけないんです。その場合でも、こちらに居続けることは出来なくて、どうにかしてあちらの世界で生活をしないとアカウント停止になってしまうんです。届け出さえ出せば、メイン以外をずっと使っていても問題なんですが、、、」
「そうなんだ。それで、あの女の子のアバター?他のじゃダメなの?出来れば男子がいいんだけど」
「レンタルやシェアサービスは今人気なのですぐに手に入らないですし、買うとなるとかなり高いですよ」
そうだった。アバターって異様に値段が高いんだった。
うう~
クロが唸ってる。
「1日あっちに行って、6日間はこっちにいるとか」
「ダメだよ。クロちゃん。最近、違法アバターのせいで、取り締まりが厳しくなってるの知ってるでしょう?」
「………ねぇ。2人ってさ。本当に女神なの?話聞いていくとどんどん普通の一般人に聞こえてくるんだけど」
あっちの世界だと、宗教戦争を引き起こしかねないくらい、崇拝されていたり、信者が対立していたりするし、神の奇跡ともなれば、魔法やスキルでは到底出来ないような、天変地異や神罰が起こせる。
なのに、今、目の前にいる女神2人の会話からは、どうにも一般市民的なイメージしか湧かない。
「ああ!リンくん、馬鹿にしてぇ。これでも、私とクロちゃんって、低硬度神の部門別成績でいつもトップなんですよ?私は信者数部門で、クロちゃんは技術開発部門です。クロちゃんのお陰で『回収』が簡単に出来るようになったり、勇者・魔王システムもクロちゃんが開発チームのトップだったんですから」
へぇ。クロがねぇ。
もじもじ
クロのヤツ、照れてるのか。
「私達は硬度が低いですから、パッと見た感じは親しみが湧くように見えるんです。そうじゃないと、皆さんと仲良く出来ないですからね。そういう人が選ばれているんです」
なるほどね。
「と、言うわけで、リンくんはしばらくあのアバターで生活してもらう事になります。今手続きをしてしまいますね。クロちゃん。端末借りていい?」
「う、うん、、、、。あ、ダメ!ダメじゃないけど、ちょっと待って。2人ともちょっと出てって!廊下でいいから出てて!」
何だよ。僕とカル2人は廊下に追い出される。
「何してるんだか」
「女の子には秘密がたくさんあるんですよ?」
「クロの秘密は女子だからって言うんじゃないような気もするけど」
「ふふふっ。嬉しいなぁ。リンくんとこうやって会って話ができるなんて」
「まあ、死んじゃったからなんだけどね」
「ああ、ごめんなさい。でも、私が必ずリンくんを生き返らせてみせます!なんなら、今までのアバターよりもっと高性能な機能を付けてスーパーリンくんにしてみせます!」
「あ、いや、そこは今までのままでお願いします」
部屋から「ぃぃょ~」という気の抜けた声が掛かり、2人で中に入る。
机に置いてあった、何かの装置で手続きをするらしい。
「じゃあ、あらためて端末をお借りするね。えっと、IDとパスワードは、、、、と。一度あのアバターをここに呼び寄せます。住所を指定して、、、うん、これで、あと数分でここに転移されてきます。その間に、サブアカウントを取得してしまいましょう」
「サブアカウント?」
「はい。今までのアバターはメインアカウント、つまりメイン機体ですね。これからあのアバターを使えるようにするには、サブアカウントを作って、サブ機としてリンくんに登録する必要があります」
サブ機、ねぇ。
「サブ機はメイン機で使えていたスキルや魔法はほぼ全て使えます。合わせてサブ機特有のものも使えるので、お得ですよ。あ、でも、リンくんのスキル作成スキルはサブ機だと使えないと思います。あれってあのアバターが少しおかしくて何故か使えているものなので、他の機体だと使えないですね」
まあ、しばらくは無くても何とかなるかな。
「あ、あと、あの女の子のアバターって、実は凄いんですよ?何とグラニット重工製の天使用最高グレードなんです!しかも、今年出たばっかりの最新機種です!」
そ、そう。
何が違うんだか。
「マナキャパシティは8Tもありますし、並列高速演算ユニットを4セット積んでいて、4つの事が同時に処理できます!あ、天使だけが使えるユニークスキルだって、グレードSが3つまで搭載できるんですよ!」
もう何がなんだか分からないよ。
とにかくカルが興奮するくらいには、性能がいいアバターだって言うのだけは分かったよ。
ベッドに再び入り込んで毛布に包まっていたクロが急に起き出して、僕の方に寄ってきた。
どうしたの?
「毛布に何か入ってきた~」
何それ、怖い。
「あ、転移が始まりましたね。座標がベッドになってたんですね」
毛布をどけてみると、ベッドの上にあの女の子のアバターが横たわっていた。
まだ、転移とやらが完了していないみたいで、向こうが透けて見える。
全体は透けて見える筈なのに着ている服は透けて見える訳では無い。
………別に、そこは透けてもいいんじゃないのか、とか思ってないよ?
だんだん実体化してきて、転移が完了する。
「アバターはこれでいいですね。サブアカウントも今作りましたし、後は役所に届け出を出さないと、、、あ、ちょっと私その手続きをしているので、リンくんはこのアバターと同期を取っておいてください」
「同期、、、どうすれば、、、ね、、ねぇクロ?同期ってどうやるの?」
カルは何か忙しそうだから、クロに助けを求める。
「知らない」
「え?そんな筈ないよね。クロだって使ってるんだから」
「私よりアバター遊びの方がいいんだもんね?私よりあっちに残してきた、ハーレムの方がいいんだもんね!」
「何だよう。もしかして嫉妬してるの?仕方ないでしょ?行かないといけないんだし」
「その割には、、、楽しそうに見える」
ずっと1人で寂しかったのかな。
せっかく僕が来たのにすぐ戻ってしまうのが嫌なんだろう。
「あ、そうだ。クロもカルも部隊登録してもいい?」
「あの部隊登録?」
「うん。あっちでしてるのは見てたんでしょう?女神でもできるよね?」
「え?部隊登録ですか?出来ると思いますけど、女神を部隊に登録する人なんて初めて見ました」
まあまあ、いいじゃないか。
「部隊編成」
部隊編成 新規部隊4
部隊に登録する人物を指定してください。
クリノクロア 女神 Lv78
カルサイト 女神 Lv62
え、、、、何このレベル。
僕の10倍くらいあるじゃないか。
女神って書いてあるし、本当に女神だったんだ。
なんか、もうちょっと敬わないといけないんじゃないかって、一瞬思ったけど、まあ、いいかな。クロだし。
「早く早く!」
「うん。敬う必要は無いかな?」
「え?何の話!?何故か急に私の評価が下がった気がするんだけど」
2人を部隊登録する。
最近やたらと異色の部隊を作っている気がする。
「チャットって持っているの?」
「あ、はい。私達女神は基本スキルなら全部持ってます。すぐに始められますよ」
クロ『うっえ~~い!クロだよ~ん!リン!リン!これでお金気にせずお話出来るね!ね!ね!』
待て。
クロは何故、文字の会話だと、ここまで馬鹿っぽくなれる。
カル『あ、ずるい。私だってリンくんとお話ししちゃいます!リンくん。これで、私達、、、もう一心同体ですね!』
カルの方は文字だと積極的になるのか?
何だろうね。
馬車を運転すると急に性格が荒っぽくなる人が居るのと同じ感覚かね。
「あれ?今って2人とも声に出さないでチャット出来てたね。どうやってやるの?」
「ああ、これはですね。コンソールを出すんです。入力の所を長押しすると下にコンソールが出て来くるので、後はそこにある文字のボタンで入力出来ますよ」
おお!本当だ!
長めに入力の所を押していると、下にずらっとボタンがたくさん出て来た。
ボタンにはそれぞれ文字が書いてあってそれを押すと入力の場所にその文字が入った。
これで、声に出さずに入力できるぞ!
あ、でも、これ難しいな。
声の方が早そうだぞ。
リン『ほくもてていれてみたろ』
キーッ、うまくいかないー!
「な、慣れると早く打てるようになりますから、、、」
クロ『ふっ、私っくらいのレベルになると、こんな量の文字だったら一瞬よ、一瞬!ふっへっへっ。どうよ。ざっとこんなもんひょ』
「最後打ち間違えてるよ?そして、うざい」
まったく、、、普段の会話とのギャップが激しすぎる。
平均化して欲しいよ。
「あ、それで同期だ同期。クロ、やり方教えてよ」
クロ『まあ、おほほ、しょうがないわねぇ~。このクロ様がリンに教えて、差し上げても、よくってよ?』
くっ。うざいけど、ここは仕方ない。我慢だ。
直接話さず、チャットで来るから余計に腹立つ。
「ク、クロ様、、、。お願いします。教えて、くだ、さい」
クロ『んもう。リンったら、素直ね!ようし、お姉さんが手取り足取り教えちゃうぞう?』
「もう、クロちゃんは何してるのよ。リンくん、手続き終わりました。あ、同期の仕方分からなかったですよね。ごめんなさい。今から教えますね?」
がっくり
ああ、クロが床に手をついて、落ち込んでいる。
あそこまで煽っておいて、教えられないんだからな。
ちょっとかわいそうな気もする。
「あの、カル。ここはクロに教えてもらおっかな、なんて」
「え?あ、そ、そうですね。クロちゃんにお任せします」
ぐるん
顔だけ向けないでよ。
怖いよ。
その後はクロに同期とかの方法を教えてもらって、上手く僕にこのアバターが紐づけられたようだ。
「では、あちらに転移させますね。転移したらすぐにログインしてください」
「え、もう行っちゃうの?」
「そうよ。クロちゃん。今はリンくんは役所の監視対象になってるの。出来るだけ早くしないと怒られちゃうわ」
「………」
大丈夫だよ。これからはチャットでいくらでも話せるんだから。
「あ、ちょっと待って。カル。このアバターは僕の敵って思われてるんだから、これでいきなり皆んなの前に出たら、また倒されちゃうよ。始めにさっきのメンバーには説明しておかないと」
「あ、そうですね。クロちゃん、ヘッドセット借りるね」
カルは何か機械を頭に被って、机の装置に向かう。
頭の機械は、頭というより目と耳を覆う為の物のようだ。
机の装置を何かいじると、その上の板にあちらの世界らしき映像が映し出される。
家で作った魔法円の監視の仕組みに似ているな。
カルがいじっている物はさっき教えたもらった、ボタンで入力するのと同じようなものだった。
カルが操作をしていると、映像にはリーカやクリス達が映った。
どうやらカルは、皆んなの近くにいたカルの信者に乗り移って、リーカ達の所まで歩いて行ったらしい。
へぇ。こうやってあっちの世界と話をしてたんだ。
「ベルシュさん、私が分かりますか?女神カルサイトです」
こっちでも声は出ちゃうんだ。
映像の向こうではベルシュがカルの出現に驚いていた。
『ああ!カルサイト様!リン様がリン様が!』
「落ち着いてくださいね。リンくんは大丈夫ですよ」
『はあああ。やっぱり、そうだったぁ。良かったぁ』
他の皆んなもホッとしているようだ。
それからカルが今後の説明をする。
僕の肉体は治すのに時間がかかる事。
それまでの間、別の肉体で一時的に復活する事。
その肉体が僕を刺したあの女子という事。
ここの説明で全員から大批判が来た。
まあ、そうだろう。
それでも、そうしないと本当に死んでしまう、という説明で皆んなも納得せざるを得なかった。
今からその女の子の体がそちらに行くけど、攻撃しないで見守るようにと説明をして、カルは映像を切った。
「ふぅ。これで準備は出来ましたね」
「うん。お疲れ様、そして、ありがとう。これで、復活して、すぐまたここに戻って来ることにはならずに済みそうだよ」
「………ねぇ………リンがチャットで説明した方が早かったんじゃないの?」
あ。そうだった。
その方が全員に一度に説明出来たよ。
「なんでクロがダメ出しするのさ」
「だって、リンはここで私と一緒に暮らすんだから」
「クロちゃん?!何言ってるの?!一緒にって、うらやま、、、いけません!リンくんがここにいつまでもいたら、あちらに戻れなくなってしまいます」
戻れない?
何か繋がりが切れてしまうとかあるのだろうか。
「メインアバターの使用が7日間以上停止になる時は、役所に届け出を出さないといけないんです。その場合でも、こちらに居続けることは出来なくて、どうにかしてあちらの世界で生活をしないとアカウント停止になってしまうんです。届け出さえ出せば、メイン以外をずっと使っていても問題なんですが、、、」
「そうなんだ。それで、あの女の子のアバター?他のじゃダメなの?出来れば男子がいいんだけど」
「レンタルやシェアサービスは今人気なのですぐに手に入らないですし、買うとなるとかなり高いですよ」
そうだった。アバターって異様に値段が高いんだった。
うう~
クロが唸ってる。
「1日あっちに行って、6日間はこっちにいるとか」
「ダメだよ。クロちゃん。最近、違法アバターのせいで、取り締まりが厳しくなってるの知ってるでしょう?」
「………ねぇ。2人ってさ。本当に女神なの?話聞いていくとどんどん普通の一般人に聞こえてくるんだけど」
あっちの世界だと、宗教戦争を引き起こしかねないくらい、崇拝されていたり、信者が対立していたりするし、神の奇跡ともなれば、魔法やスキルでは到底出来ないような、天変地異や神罰が起こせる。
なのに、今、目の前にいる女神2人の会話からは、どうにも一般市民的なイメージしか湧かない。
「ああ!リンくん、馬鹿にしてぇ。これでも、私とクロちゃんって、低硬度神の部門別成績でいつもトップなんですよ?私は信者数部門で、クロちゃんは技術開発部門です。クロちゃんのお陰で『回収』が簡単に出来るようになったり、勇者・魔王システムもクロちゃんが開発チームのトップだったんですから」
へぇ。クロがねぇ。
もじもじ
クロのヤツ、照れてるのか。
「私達は硬度が低いですから、パッと見た感じは親しみが湧くように見えるんです。そうじゃないと、皆さんと仲良く出来ないですからね。そういう人が選ばれているんです」
なるほどね。
「と、言うわけで、リンくんはしばらくあのアバターで生活してもらう事になります。今手続きをしてしまいますね。クロちゃん。端末借りていい?」
「う、うん、、、、。あ、ダメ!ダメじゃないけど、ちょっと待って。2人ともちょっと出てって!廊下でいいから出てて!」
何だよ。僕とカル2人は廊下に追い出される。
「何してるんだか」
「女の子には秘密がたくさんあるんですよ?」
「クロの秘密は女子だからって言うんじゃないような気もするけど」
「ふふふっ。嬉しいなぁ。リンくんとこうやって会って話ができるなんて」
「まあ、死んじゃったからなんだけどね」
「ああ、ごめんなさい。でも、私が必ずリンくんを生き返らせてみせます!なんなら、今までのアバターよりもっと高性能な機能を付けてスーパーリンくんにしてみせます!」
「あ、いや、そこは今までのままでお願いします」
部屋から「ぃぃょ~」という気の抜けた声が掛かり、2人で中に入る。
机に置いてあった、何かの装置で手続きをするらしい。
「じゃあ、あらためて端末をお借りするね。えっと、IDとパスワードは、、、、と。一度あのアバターをここに呼び寄せます。住所を指定して、、、うん、これで、あと数分でここに転移されてきます。その間に、サブアカウントを取得してしまいましょう」
「サブアカウント?」
「はい。今までのアバターはメインアカウント、つまりメイン機体ですね。これからあのアバターを使えるようにするには、サブアカウントを作って、サブ機としてリンくんに登録する必要があります」
サブ機、ねぇ。
「サブ機はメイン機で使えていたスキルや魔法はほぼ全て使えます。合わせてサブ機特有のものも使えるので、お得ですよ。あ、でも、リンくんのスキル作成スキルはサブ機だと使えないと思います。あれってあのアバターが少しおかしくて何故か使えているものなので、他の機体だと使えないですね」
まあ、しばらくは無くても何とかなるかな。
「あ、あと、あの女の子のアバターって、実は凄いんですよ?何とグラニット重工製の天使用最高グレードなんです!しかも、今年出たばっかりの最新機種です!」
そ、そう。
何が違うんだか。
「マナキャパシティは8Tもありますし、並列高速演算ユニットを4セット積んでいて、4つの事が同時に処理できます!あ、天使だけが使えるユニークスキルだって、グレードSが3つまで搭載できるんですよ!」
もう何がなんだか分からないよ。
とにかくカルが興奮するくらいには、性能がいいアバターだって言うのだけは分かったよ。
ベッドに再び入り込んで毛布に包まっていたクロが急に起き出して、僕の方に寄ってきた。
どうしたの?
「毛布に何か入ってきた~」
何それ、怖い。
「あ、転移が始まりましたね。座標がベッドになってたんですね」
毛布をどけてみると、ベッドの上にあの女の子のアバターが横たわっていた。
まだ、転移とやらが完了していないみたいで、向こうが透けて見える。
全体は透けて見える筈なのに着ている服は透けて見える訳では無い。
………別に、そこは透けてもいいんじゃないのか、とか思ってないよ?
だんだん実体化してきて、転移が完了する。
「アバターはこれでいいですね。サブアカウントも今作りましたし、後は役所に届け出を出さないと、、、あ、ちょっと私その手続きをしているので、リンくんはこのアバターと同期を取っておいてください」
「同期、、、どうすれば、、、ね、、ねぇクロ?同期ってどうやるの?」
カルは何か忙しそうだから、クロに助けを求める。
「知らない」
「え?そんな筈ないよね。クロだって使ってるんだから」
「私よりアバター遊びの方がいいんだもんね?私よりあっちに残してきた、ハーレムの方がいいんだもんね!」
「何だよう。もしかして嫉妬してるの?仕方ないでしょ?行かないといけないんだし」
「その割には、、、楽しそうに見える」
ずっと1人で寂しかったのかな。
せっかく僕が来たのにすぐ戻ってしまうのが嫌なんだろう。
「あ、そうだ。クロもカルも部隊登録してもいい?」
「あの部隊登録?」
「うん。あっちでしてるのは見てたんでしょう?女神でもできるよね?」
「え?部隊登録ですか?出来ると思いますけど、女神を部隊に登録する人なんて初めて見ました」
まあまあ、いいじゃないか。
「部隊編成」
部隊編成 新規部隊4
部隊に登録する人物を指定してください。
クリノクロア 女神 Lv78
カルサイト 女神 Lv62
え、、、、何このレベル。
僕の10倍くらいあるじゃないか。
女神って書いてあるし、本当に女神だったんだ。
なんか、もうちょっと敬わないといけないんじゃないかって、一瞬思ったけど、まあ、いいかな。クロだし。
「早く早く!」
「うん。敬う必要は無いかな?」
「え?何の話!?何故か急に私の評価が下がった気がするんだけど」
2人を部隊登録する。
最近やたらと異色の部隊を作っている気がする。
「チャットって持っているの?」
「あ、はい。私達女神は基本スキルなら全部持ってます。すぐに始められますよ」
クロ『うっえ~~い!クロだよ~ん!リン!リン!これでお金気にせずお話出来るね!ね!ね!』
待て。
クロは何故、文字の会話だと、ここまで馬鹿っぽくなれる。
カル『あ、ずるい。私だってリンくんとお話ししちゃいます!リンくん。これで、私達、、、もう一心同体ですね!』
カルの方は文字だと積極的になるのか?
何だろうね。
馬車を運転すると急に性格が荒っぽくなる人が居るのと同じ感覚かね。
「あれ?今って2人とも声に出さないでチャット出来てたね。どうやってやるの?」
「ああ、これはですね。コンソールを出すんです。入力の所を長押しすると下にコンソールが出て来くるので、後はそこにある文字のボタンで入力出来ますよ」
おお!本当だ!
長めに入力の所を押していると、下にずらっとボタンがたくさん出て来た。
ボタンにはそれぞれ文字が書いてあってそれを押すと入力の場所にその文字が入った。
これで、声に出さずに入力できるぞ!
あ、でも、これ難しいな。
声の方が早そうだぞ。
リン『ほくもてていれてみたろ』
キーッ、うまくいかないー!
「な、慣れると早く打てるようになりますから、、、」
クロ『ふっ、私っくらいのレベルになると、こんな量の文字だったら一瞬よ、一瞬!ふっへっへっ。どうよ。ざっとこんなもんひょ』
「最後打ち間違えてるよ?そして、うざい」
まったく、、、普段の会話とのギャップが激しすぎる。
平均化して欲しいよ。
「あ、それで同期だ同期。クロ、やり方教えてよ」
クロ『まあ、おほほ、しょうがないわねぇ~。このクロ様がリンに教えて、差し上げても、よくってよ?』
くっ。うざいけど、ここは仕方ない。我慢だ。
直接話さず、チャットで来るから余計に腹立つ。
「ク、クロ様、、、。お願いします。教えて、くだ、さい」
クロ『んもう。リンったら、素直ね!ようし、お姉さんが手取り足取り教えちゃうぞう?』
「もう、クロちゃんは何してるのよ。リンくん、手続き終わりました。あ、同期の仕方分からなかったですよね。ごめんなさい。今から教えますね?」
がっくり
ああ、クロが床に手をついて、落ち込んでいる。
あそこまで煽っておいて、教えられないんだからな。
ちょっとかわいそうな気もする。
「あの、カル。ここはクロに教えてもらおっかな、なんて」
「え?あ、そ、そうですね。クロちゃんにお任せします」
ぐるん
顔だけ向けないでよ。
怖いよ。
その後はクロに同期とかの方法を教えてもらって、上手く僕にこのアバターが紐づけられたようだ。
「では、あちらに転移させますね。転移したらすぐにログインしてください」
「え、もう行っちゃうの?」
「そうよ。クロちゃん。今はリンくんは役所の監視対象になってるの。出来るだけ早くしないと怒られちゃうわ」
「………」
大丈夫だよ。これからはチャットでいくらでも話せるんだから。
「あ、ちょっと待って。カル。このアバターは僕の敵って思われてるんだから、これでいきなり皆んなの前に出たら、また倒されちゃうよ。始めにさっきのメンバーには説明しておかないと」
「あ、そうですね。クロちゃん、ヘッドセット借りるね」
カルは何か機械を頭に被って、机の装置に向かう。
頭の機械は、頭というより目と耳を覆う為の物のようだ。
机の装置を何かいじると、その上の板にあちらの世界らしき映像が映し出される。
家で作った魔法円の監視の仕組みに似ているな。
カルがいじっている物はさっき教えたもらった、ボタンで入力するのと同じようなものだった。
カルが操作をしていると、映像にはリーカやクリス達が映った。
どうやらカルは、皆んなの近くにいたカルの信者に乗り移って、リーカ達の所まで歩いて行ったらしい。
へぇ。こうやってあっちの世界と話をしてたんだ。
「ベルシュさん、私が分かりますか?女神カルサイトです」
こっちでも声は出ちゃうんだ。
映像の向こうではベルシュがカルの出現に驚いていた。
『ああ!カルサイト様!リン様がリン様が!』
「落ち着いてくださいね。リンくんは大丈夫ですよ」
『はあああ。やっぱり、そうだったぁ。良かったぁ』
他の皆んなもホッとしているようだ。
それからカルが今後の説明をする。
僕の肉体は治すのに時間がかかる事。
それまでの間、別の肉体で一時的に復活する事。
その肉体が僕を刺したあの女子という事。
ここの説明で全員から大批判が来た。
まあ、そうだろう。
それでも、そうしないと本当に死んでしまう、という説明で皆んなも納得せざるを得なかった。
今からその女の子の体がそちらに行くけど、攻撃しないで見守るようにと説明をして、カルは映像を切った。
「ふぅ。これで準備は出来ましたね」
「うん。お疲れ様、そして、ありがとう。これで、復活して、すぐまたここに戻って来ることにはならずに済みそうだよ」
「………ねぇ………リンがチャットで説明した方が早かったんじゃないの?」
あ。そうだった。
その方が全員に一度に説明出来たよ。
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