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第百五十一話 移住地
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あれから、だいぶ歩いてきた。
魔物はたくさん出てきたし、すべて倒してきた。
ラナは更にテイムしたがっていたけど、時間がかかるし危ないし、テイム禁止令を発令しておいた。
もう2体もいるんだから、充分だよ。
「この辺がいいかな」
「ようやく、移住地に着いたのね!」
「移住地っていうか、まあ、だいたいこの辺って場所だけどね」
地図スキルでおおよその場所は分かっているけど、特にどこを目指していたってわけじゃない。
どの国からも同じくらい離れている、つまり、最奥地になる地点ではある。
ここなら、棲息する魔物も強力だし、距離的にも離れていて行き来が難しそうだし、少なくともフォルクヴァルツの騎士団は、ここまで到達するのは難しいだろう。
「この辺りに家を作ろうと思うんだ。まずはこの木を切って土地と木材の確保だな」
すでに非戦闘組みのレティ達もインベントリから出てきている。
シリカとアズライトの二人が起きた事で、魔物が出てきても問題ないだけの戦力が確保できたので、問題ないだろう。
「じゃあ、まず僕がやってみるね」
リボン剣を持ち、マナを最大まで込める。
「せいっ!」
このあたりの木は大人が2人手を繋いだくらいの太さがある大木ばかりだ。
その木の一本に向かってリボン剣を真横に斬り付ける。
マナがよく通っているので、斬れ味は完璧だ。
スパッと木を切断してリボン剣は木を通り抜ける。
あれ?
倒れないな。
斬れてるよな、木。
うん、斬ったところは真横一文字に切断されている。
反対に回っても切れ目はきちんと入っている。
あまりにも切れ目が真横過ぎて倒れないのか。
「斜めに切れ目をいれてみたらどう?」
「え?そう、だね。やってみるね」
今斬った所より少し上の所から下に向けて、もう一度リボン剣で斬ってみる。
今度は斬るのは真ん中までにして、さっき斬った切れ目と繋いで半円形に切り取る。
その部分がなくなる事でバランスを崩して木が倒れてくる。
「うわっ!こっちこないでよ!」
「ひゃああ!倒れてくるー!」
バキバキと大きな音を立てつつ、隣の木にもぶつかりながら、一本目がようやく倒せた。
「ちょっとご主人~。倒す方向はよく考えてよね~」
「ごめんごめん。斜めに切り抜いた方に倒れるのは当たり前だよね。分かってはいたんだけど、周りをよく見ないとだね」
木の切り方は分かってきたので、体力があるリーカとレリア、それとシリカにもお願いした。
リーカとシリカは自前のマナでリボン剣を使えるけど、レリアはあまりマナが多くないので、僕がマナを込めたものを貸してあげた。
マナが無くなってきたら、補充をしてあげる事にする。
魔法が得意なアズライトとフィアは整地担当だ。
切断した後の木の根を火の魔法で焼いてボロボロにしてもらう。
岩が飛び出ている所は、ブラントストフの爆裂を岩の中で炸裂させて、粉々にした。
石が飛び散るといけないので、アズライトがズワールテクラハトゥの枷を使い、見えない手で岩を押さえつけておいてからフィアが爆破して、安全に砕いていった。
レティとアニカには間取りを設計してもらう。
羊皮紙を何枚か貼り合わせて大きめの紙を作り、そこにどんな家にするか、部屋や扉の位置などを書いてもらう。
ラナとマルモ、ブロンはテイムした魔物2体と食料調達に行った。
不安なのでアリアを出してきて、僕も一緒について行く事にする。
リンとしては、切り倒した木を製材する担当だ。
枝をリボン剣でだいたい落としたら、マナを込めまくったリボン剣を岩に刺しておく。
大木を担ぎ、そのリボン剣に押し付ける事で直線に切っていく。
これ大変だな。
思った程真っ直ぐ切れないし。
やり方を変えよう。
リボン剣を縦に繋いでいく。
結ぶとそこだけ膨らむので、ただ重ねただけにして、マナの力で結合させる。
端を持って振り上げると周りの木より上まで届く。
それを寝かせてある大木に振り下ろし、一気に縦方向に切る。
ごろんと、木の端が落ちて真っ直ぐな面が出来上がる。
いいぞ。力技だけど、上手く切れる。
反対面も同じようにカットしたら、90度回転させて、また両端をカットする。
そうすると、まだこれだと太いけど真四角の長い木材が出来上がった。
これを建材として使えるように何等分かにする。
多少サイズが違うのは仕方ない。
角材は柱として使うし、薄くカットした物は壁や床に使う。
「広さはこのくらいでいいでしょうか?」
「あ、リーカ、終わった?うん。いいね。大変だったでしょう」
「いえ。これくらいなら何ともないですよ」
「そうね。軍の訓練のただ穴を掘って埋めるだけ、みたいな意味のない作業よりずっとやりがいがあったわ」
レリアは軍でどんな訓練していたんだよ。
いくらやっても成果が無いってきつそう、主に精神的に。
「まだ、余力があるなら、これをやって貰っていいかな?」
リーカとレリアにはさっきまで僕がやっていた、製材をお願いした。
僕はというと、木が無くなって、整地も終わった場所を硬く固める作業をする。
本当は石のような硬い建材で基礎を作ると良いんだけど、時間もないので、魔法で作ってしまう。
「ズワールテクラハトゥの枷!」
ズズン
範囲指定した箇所が四角に凹む。
見えない力で上から地面の土を押さえつけている。
何度も繰り返す事で、柔らかかった地面が岩のように硬くなってくる。
周辺より低くなってしまうので、周りから土を持ってきて、更に押しつぶす。
これを家の範囲全体で行なって、広い平らな土地が出来上がった。
「ツルツルですね。お日様の光が反射してますよ」
「これなら家を建てられると思うけど、雨とかには弱いからな~。どうしようかな」
「ご主人、この木の実は食べられそう?あ、アリアちゃんだった」
「別に呼び方はどっちでも良いよ。それは毒があるね」
「兄さん、、、じゃなくて、アリア姉さん。この下に山芋がありますよ」
「だから、呼び方変えなくていいって。それ山芋のムカゴだね。それも食べられるよ」
ふと、地面にある白い石に目が行く。
これって、、、持ってみるとぽろぽろと崩れてしまう。
たぶんライムストーンだ。
カルの上位に当たる女神の名前が付いた石だ。
何かに挑戦する事を助けてくれる女神様らしい。
思いついたことがあるから、これを持って帰って試してみよう。挑戦だね。
とは言っても、アリアだと収納もないし、アリアって大した事が出来ないんだよな。
仕方ない、リンが迎えに行くか。
「ちょっと、ラナの所に行ってくるね」
「え?何かあったんですか?あ、ああ。何か楽しい事があったんですね。行ってらっしゃい」
「あら、リーカは今ので何か分かったの?どうして?」
「ふふん。私はリーンハルトくんと運命の絆で繋がってますからね!何でもお見通しなんですよ!」
「ええ!いいなあ!私も運命!ねぇねぇ!」
「ちょっ、レリア掴まないでよ」
リーカは運命の話しをまだ引っ張ってるのか。
だいたい、僕の考えが分かるのは運命じゃなくて、主従契約のせいだし。
これが他の子にバレるとみんな僕と主従契約するって言いそうだから、この事実は誰にも話せない。
レリアを引き離して、ラナの所まで来た。
「あら、ご主人。???何でアリアちゃんがいるのに来たの?、、、、ああ。そうね。私に会いに来た訳じゃ無さそうね。今度は何があったの?」
「やりにくいなあ。これだよ。これを持って帰るんだ」
「白い、、、石?そんなの何に使うの?」
まあ、出来るか分からないからまだ内緒。
失敗した時に恥ずかしいからね。
上手く行ったら自慢しよう。
ライムストーンは至る所にあった。
地面とくっ付いているとインベントリには入らないから、大きくせり出している物をマナを込めたギベオンソードで切り落としてからインベントリへと収納した。
まあ、今はこれくらいでいいかな。
後は粘土質の土と川沿いの砂利も集めて収納しておいた。
ラナ達と建築現場まで戻ってきた。
食材班にはそのまま調理班になってもらう。
僕はさっき取ってきた石や土で実験だ。
平らにした土地の端の辺りを実験場にしよう。
更に押し固めて、少しだけ地面を低くして、そこにライムストーンを取り出す。
まずは、マナ入りギベオンソードで砕いていく。
玉ねぎのみじん切りと同じ要領だな。
最初に縦に細く切っていく。
今度は側面に移動して、また細切りにする。
これで縦長の細い物が出来上がる。
あ、でもここまですると倒れちゃうな。
バタバタと倒れた石を更に細かく砕いていく。
もう後は、上からザクザクと切っていくしかない。
後はリボン剣2本を長めに繋いで、交互にダダダダッとみじん切りにする。
「豪快な料理ね。お腹壊さないでね」
「食べないよ!フィアも手伝ってよ。これ結構大変なんだよ」
「嫌よ。見てるだけで涙が出てきそうだもの」
「僕もそう言うイメージを思い浮かべてやってたけど、これは玉ねぎじゃないからね」
フィアは行ってしまった。
もうちょっと付き合ってくれても良かったのに。
今度はシリカがきた。
「パパは料理でもしてるの?それ食べてお腹壊さないの?」
「流石元が同じ人格だね」
「なんか馬鹿にされた?」
「違う違う。ママと似てるねって話」
「ほ、ほんと?」
「え?あ、うん。似てるよ?」
「そう、、、。ふふっ」
んん?嬉しいのかな?
へぇ。こういう顔するのは意外だな。
「何?」
「な、なんでもないよ」
「私、パパには似なくて良かった!」
そう言って、シリカも行ってしまった。
なんだよ。
似てる所くらいあると思うよ?
まあ、人格とか関係ないから似るはずないんだけどさ。
最初の大きな塊だったライムストーンはかなり細かくなったけど、まだ、一つの大きさは小石くらいある。
これを砂つぶより小さくしなければいけない。
もうこれを剣で砕いていくのは無理がある。
後は魔法の力を借りるしかない。
「グリンドゥの嵐!ファッケルの火!」
本来は地面にある砂利とか小石を巻き上げて敵にぶつける為の魔法だけど、ターゲットを定めずに、巻き上げたライムストーンをその場でぐるぐるとかき回し続ける。
それをファッケルの火で高温にして焼成していく。
「グリンドゥの嵐!」
今度は同じ魔法だけど、逆回りに回るようにした。
残っていたライムストーンの小石がさっきとは反対に回り始めて、両方の石同士がぶつかり始める。
もともと、脆くて柔らか女神、、、じゃなくて、柔らか石なので、石同士が当たる度に割れてきてどんどんと細かくなってきた。
小石くらいの大きさだったのが、砂つぶくらいまでになってきたけど、ここから小さくならなくなってきた。
「ズワールテクラハトゥの枷」
上から押さえつけながら回転させて擦り合わせる事で、ようやく目標のサラサラの粉状にまでなった。
これに、森で採集した粘土質の土と、さっきフィア達が木の根を焼いてできた灰も貰っていたので、それも混ぜる。
これをまたグリンドゥの嵐で混ぜ合わせる事で、基礎の材料が出来た。
後は時間との勝負になるから、先に基礎の形を枠で作っておこう。
レティとアニカが書いてくれた図面を元に、壁を作るところに基礎が来るように板で枠組みを作る。
これもなかなか大変だ。
料理班以外全員で枠を作っていく。
「家って作るの大変ですね」
「まだ形らしい形になってないものね」
「もうちょっと簡単にすれば良かったかな……」
とうとう、暗くなってきてしまった。
夕食を摂ったら、皆んなにはインベントリの中に入って休んでもらった。
その中なら僕さえ無事なら中は安全だ。
僕はと言うと、一緒に中に入るのは無理なので、一人で作業を続けている。
疲労も眠さも回復魔法で何とかすれば、ぶっ続けで動いても大丈夫だ。
ワハトヴュールの炎を灯りにして、夜もずっと枠作りだ。
ラナ『ねぇ。休まなくて平気なの?』
リン『平気平気。早く作っちゃいたいからね。別に無理はしてないから大丈夫だよ』
疲れないし、無理はしてないけど、一人は寂しいもんだね。
誰か交代で出てきてくれないかな。
魔物はたくさん出てきたし、すべて倒してきた。
ラナは更にテイムしたがっていたけど、時間がかかるし危ないし、テイム禁止令を発令しておいた。
もう2体もいるんだから、充分だよ。
「この辺がいいかな」
「ようやく、移住地に着いたのね!」
「移住地っていうか、まあ、だいたいこの辺って場所だけどね」
地図スキルでおおよその場所は分かっているけど、特にどこを目指していたってわけじゃない。
どの国からも同じくらい離れている、つまり、最奥地になる地点ではある。
ここなら、棲息する魔物も強力だし、距離的にも離れていて行き来が難しそうだし、少なくともフォルクヴァルツの騎士団は、ここまで到達するのは難しいだろう。
「この辺りに家を作ろうと思うんだ。まずはこの木を切って土地と木材の確保だな」
すでに非戦闘組みのレティ達もインベントリから出てきている。
シリカとアズライトの二人が起きた事で、魔物が出てきても問題ないだけの戦力が確保できたので、問題ないだろう。
「じゃあ、まず僕がやってみるね」
リボン剣を持ち、マナを最大まで込める。
「せいっ!」
このあたりの木は大人が2人手を繋いだくらいの太さがある大木ばかりだ。
その木の一本に向かってリボン剣を真横に斬り付ける。
マナがよく通っているので、斬れ味は完璧だ。
スパッと木を切断してリボン剣は木を通り抜ける。
あれ?
倒れないな。
斬れてるよな、木。
うん、斬ったところは真横一文字に切断されている。
反対に回っても切れ目はきちんと入っている。
あまりにも切れ目が真横過ぎて倒れないのか。
「斜めに切れ目をいれてみたらどう?」
「え?そう、だね。やってみるね」
今斬った所より少し上の所から下に向けて、もう一度リボン剣で斬ってみる。
今度は斬るのは真ん中までにして、さっき斬った切れ目と繋いで半円形に切り取る。
その部分がなくなる事でバランスを崩して木が倒れてくる。
「うわっ!こっちこないでよ!」
「ひゃああ!倒れてくるー!」
バキバキと大きな音を立てつつ、隣の木にもぶつかりながら、一本目がようやく倒せた。
「ちょっとご主人~。倒す方向はよく考えてよね~」
「ごめんごめん。斜めに切り抜いた方に倒れるのは当たり前だよね。分かってはいたんだけど、周りをよく見ないとだね」
木の切り方は分かってきたので、体力があるリーカとレリア、それとシリカにもお願いした。
リーカとシリカは自前のマナでリボン剣を使えるけど、レリアはあまりマナが多くないので、僕がマナを込めたものを貸してあげた。
マナが無くなってきたら、補充をしてあげる事にする。
魔法が得意なアズライトとフィアは整地担当だ。
切断した後の木の根を火の魔法で焼いてボロボロにしてもらう。
岩が飛び出ている所は、ブラントストフの爆裂を岩の中で炸裂させて、粉々にした。
石が飛び散るといけないので、アズライトがズワールテクラハトゥの枷を使い、見えない手で岩を押さえつけておいてからフィアが爆破して、安全に砕いていった。
レティとアニカには間取りを設計してもらう。
羊皮紙を何枚か貼り合わせて大きめの紙を作り、そこにどんな家にするか、部屋や扉の位置などを書いてもらう。
ラナとマルモ、ブロンはテイムした魔物2体と食料調達に行った。
不安なのでアリアを出してきて、僕も一緒について行く事にする。
リンとしては、切り倒した木を製材する担当だ。
枝をリボン剣でだいたい落としたら、マナを込めまくったリボン剣を岩に刺しておく。
大木を担ぎ、そのリボン剣に押し付ける事で直線に切っていく。
これ大変だな。
思った程真っ直ぐ切れないし。
やり方を変えよう。
リボン剣を縦に繋いでいく。
結ぶとそこだけ膨らむので、ただ重ねただけにして、マナの力で結合させる。
端を持って振り上げると周りの木より上まで届く。
それを寝かせてある大木に振り下ろし、一気に縦方向に切る。
ごろんと、木の端が落ちて真っ直ぐな面が出来上がる。
いいぞ。力技だけど、上手く切れる。
反対面も同じようにカットしたら、90度回転させて、また両端をカットする。
そうすると、まだこれだと太いけど真四角の長い木材が出来上がった。
これを建材として使えるように何等分かにする。
多少サイズが違うのは仕方ない。
角材は柱として使うし、薄くカットした物は壁や床に使う。
「広さはこのくらいでいいでしょうか?」
「あ、リーカ、終わった?うん。いいね。大変だったでしょう」
「いえ。これくらいなら何ともないですよ」
「そうね。軍の訓練のただ穴を掘って埋めるだけ、みたいな意味のない作業よりずっとやりがいがあったわ」
レリアは軍でどんな訓練していたんだよ。
いくらやっても成果が無いってきつそう、主に精神的に。
「まだ、余力があるなら、これをやって貰っていいかな?」
リーカとレリアにはさっきまで僕がやっていた、製材をお願いした。
僕はというと、木が無くなって、整地も終わった場所を硬く固める作業をする。
本当は石のような硬い建材で基礎を作ると良いんだけど、時間もないので、魔法で作ってしまう。
「ズワールテクラハトゥの枷!」
ズズン
範囲指定した箇所が四角に凹む。
見えない力で上から地面の土を押さえつけている。
何度も繰り返す事で、柔らかかった地面が岩のように硬くなってくる。
周辺より低くなってしまうので、周りから土を持ってきて、更に押しつぶす。
これを家の範囲全体で行なって、広い平らな土地が出来上がった。
「ツルツルですね。お日様の光が反射してますよ」
「これなら家を建てられると思うけど、雨とかには弱いからな~。どうしようかな」
「ご主人、この木の実は食べられそう?あ、アリアちゃんだった」
「別に呼び方はどっちでも良いよ。それは毒があるね」
「兄さん、、、じゃなくて、アリア姉さん。この下に山芋がありますよ」
「だから、呼び方変えなくていいって。それ山芋のムカゴだね。それも食べられるよ」
ふと、地面にある白い石に目が行く。
これって、、、持ってみるとぽろぽろと崩れてしまう。
たぶんライムストーンだ。
カルの上位に当たる女神の名前が付いた石だ。
何かに挑戦する事を助けてくれる女神様らしい。
思いついたことがあるから、これを持って帰って試してみよう。挑戦だね。
とは言っても、アリアだと収納もないし、アリアって大した事が出来ないんだよな。
仕方ない、リンが迎えに行くか。
「ちょっと、ラナの所に行ってくるね」
「え?何かあったんですか?あ、ああ。何か楽しい事があったんですね。行ってらっしゃい」
「あら、リーカは今ので何か分かったの?どうして?」
「ふふん。私はリーンハルトくんと運命の絆で繋がってますからね!何でもお見通しなんですよ!」
「ええ!いいなあ!私も運命!ねぇねぇ!」
「ちょっ、レリア掴まないでよ」
リーカは運命の話しをまだ引っ張ってるのか。
だいたい、僕の考えが分かるのは運命じゃなくて、主従契約のせいだし。
これが他の子にバレるとみんな僕と主従契約するって言いそうだから、この事実は誰にも話せない。
レリアを引き離して、ラナの所まで来た。
「あら、ご主人。???何でアリアちゃんがいるのに来たの?、、、、ああ。そうね。私に会いに来た訳じゃ無さそうね。今度は何があったの?」
「やりにくいなあ。これだよ。これを持って帰るんだ」
「白い、、、石?そんなの何に使うの?」
まあ、出来るか分からないからまだ内緒。
失敗した時に恥ずかしいからね。
上手く行ったら自慢しよう。
ライムストーンは至る所にあった。
地面とくっ付いているとインベントリには入らないから、大きくせり出している物をマナを込めたギベオンソードで切り落としてからインベントリへと収納した。
まあ、今はこれくらいでいいかな。
後は粘土質の土と川沿いの砂利も集めて収納しておいた。
ラナ達と建築現場まで戻ってきた。
食材班にはそのまま調理班になってもらう。
僕はさっき取ってきた石や土で実験だ。
平らにした土地の端の辺りを実験場にしよう。
更に押し固めて、少しだけ地面を低くして、そこにライムストーンを取り出す。
まずは、マナ入りギベオンソードで砕いていく。
玉ねぎのみじん切りと同じ要領だな。
最初に縦に細く切っていく。
今度は側面に移動して、また細切りにする。
これで縦長の細い物が出来上がる。
あ、でもここまですると倒れちゃうな。
バタバタと倒れた石を更に細かく砕いていく。
もう後は、上からザクザクと切っていくしかない。
後はリボン剣2本を長めに繋いで、交互にダダダダッとみじん切りにする。
「豪快な料理ね。お腹壊さないでね」
「食べないよ!フィアも手伝ってよ。これ結構大変なんだよ」
「嫌よ。見てるだけで涙が出てきそうだもの」
「僕もそう言うイメージを思い浮かべてやってたけど、これは玉ねぎじゃないからね」
フィアは行ってしまった。
もうちょっと付き合ってくれても良かったのに。
今度はシリカがきた。
「パパは料理でもしてるの?それ食べてお腹壊さないの?」
「流石元が同じ人格だね」
「なんか馬鹿にされた?」
「違う違う。ママと似てるねって話」
「ほ、ほんと?」
「え?あ、うん。似てるよ?」
「そう、、、。ふふっ」
んん?嬉しいのかな?
へぇ。こういう顔するのは意外だな。
「何?」
「な、なんでもないよ」
「私、パパには似なくて良かった!」
そう言って、シリカも行ってしまった。
なんだよ。
似てる所くらいあると思うよ?
まあ、人格とか関係ないから似るはずないんだけどさ。
最初の大きな塊だったライムストーンはかなり細かくなったけど、まだ、一つの大きさは小石くらいある。
これを砂つぶより小さくしなければいけない。
もうこれを剣で砕いていくのは無理がある。
後は魔法の力を借りるしかない。
「グリンドゥの嵐!ファッケルの火!」
本来は地面にある砂利とか小石を巻き上げて敵にぶつける為の魔法だけど、ターゲットを定めずに、巻き上げたライムストーンをその場でぐるぐるとかき回し続ける。
それをファッケルの火で高温にして焼成していく。
「グリンドゥの嵐!」
今度は同じ魔法だけど、逆回りに回るようにした。
残っていたライムストーンの小石がさっきとは反対に回り始めて、両方の石同士がぶつかり始める。
もともと、脆くて柔らか女神、、、じゃなくて、柔らか石なので、石同士が当たる度に割れてきてどんどんと細かくなってきた。
小石くらいの大きさだったのが、砂つぶくらいまでになってきたけど、ここから小さくならなくなってきた。
「ズワールテクラハトゥの枷」
上から押さえつけながら回転させて擦り合わせる事で、ようやく目標のサラサラの粉状にまでなった。
これに、森で採集した粘土質の土と、さっきフィア達が木の根を焼いてできた灰も貰っていたので、それも混ぜる。
これをまたグリンドゥの嵐で混ぜ合わせる事で、基礎の材料が出来た。
後は時間との勝負になるから、先に基礎の形を枠で作っておこう。
レティとアニカが書いてくれた図面を元に、壁を作るところに基礎が来るように板で枠組みを作る。
これもなかなか大変だ。
料理班以外全員で枠を作っていく。
「家って作るの大変ですね」
「まだ形らしい形になってないものね」
「もうちょっと簡単にすれば良かったかな……」
とうとう、暗くなってきてしまった。
夕食を摂ったら、皆んなにはインベントリの中に入って休んでもらった。
その中なら僕さえ無事なら中は安全だ。
僕はと言うと、一緒に中に入るのは無理なので、一人で作業を続けている。
疲労も眠さも回復魔法で何とかすれば、ぶっ続けで動いても大丈夫だ。
ワハトヴュールの炎を灯りにして、夜もずっと枠作りだ。
ラナ『ねぇ。休まなくて平気なの?』
リン『平気平気。早く作っちゃいたいからね。別に無理はしてないから大丈夫だよ』
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流血シーンあり。
魔法・魔物あり。
ざぁま薄め。
恋愛要素あり。
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