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第21話 ずるはしていないのでチートではない。

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翌日、チェックアウトを無事済ませた。そのせいで、スタッフとローブが俺の部屋にテレポートされたらしい。

バスに乗り図書館に向かった。

セシーには小学校1年生からの書き取り帳にチャレンジしてもらっている。

絵本を返して昼御飯を食べる頃には低学年の分をクリアしていた。

そこで、スマホの国語辞典と漢和辞典の使い方を教えた。

すると、国語辞典を読み始め…分からない漢字が出ると漢和辞典で調べていた。

もう、ここまで来ると、わざわざ図書館の子供部屋にいる必要が無くなった。

まめな努力で覚えているから、チートではないのだが、ついついチートと言いたくなる。

次は日本の歴史だな。

もちろん漫画だ。

その方が早く覚える。

DVDも考えたのだが、ヘイストの事を考えると漫画の方が早いし、漢字にルビがふってある。

日本地図はスマホだと見にくいので、俺の部屋の地球儀と小学校で使っていた地図帳を渡せば勝手に覚えるだろう。

「正樹、あなたも読みなさい。どーせうろ覚えなんでしょ?一緒に学ぼうって話だったょ?いつまでもバカのままだと…」

そこで言葉を止めて、首を切るジェスチャーをする。悪い笑顔だな!!

てか、セシーがやると物理的な意味で首が切れそうだ。

俺も、ゆっくりと丁寧に漫画を読み始めた。漢字にルビがふってあって良かった(T-T)

俺が読み始めたのを確認すると、良い笑顔でなにかを呟いた。

何を言ってるか分からなかったが、集中しよう。

いやー。日本の歴史ってこんな感じだったっけか?ほとんど覚えていなかったが、おかげで漫画を楽しく読めた。

全国の教員には、こんな風に教えてくれ!!と叫びたいくらいだ。

一気に全20巻を読み終えると、セシーは漫画世界の歴史を読み終わるところだった。もう閉館時間ギリギリなはずだと思ってスマホで時間を確認すると…俺にもヘイストが掛かっていたらしい。

スマホの反応速度の遅さにイラつくほどだった。

周りをみると、本当に遅い。

便利だなあ。

「ヘイストありがとう!!常にヘイスト掛けていて欲しいくらい素晴らしい魔法だよね。」

興奮を抑え、図書館にふさわしい声量でセシーに声をかけたら、鼻で笑われた上に、憐れみをこめた目で見られた。

「永続化の魔法掛けてあげようか?」

「そんなこと出来るの?」

「出来るょ?」

アメージング!!100m16秒フラットの俺でも8秒フラット!!

世界記録余裕で更新出来るよ!

「掛けてくれ!!是非!!」

「人とのコミュニケーション難しくなるけど?」

「そこは、筆談でもスマホでも良いから!!」

「それでモテても…女性とするとき、バカにされるくらい早いょ?」

なんだそれ!!いきなり下ネタかよっ!

そう思っていたらとどめを刺された。

「寿命が半分になるけど良いのね?」

NOー!!

「普通が良いです…」
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