上 下
44 / 120

第43話 デート?買い物?犬の散歩?

しおりを挟む
俺は、マユユンと商店街に向かって行く。

マユユンのテンションが高くあちこち走って行こうとする。

その度に、マユユンの襟首を引っ張って止める。

「ぐえっ!」

「危ないから離れるな!!」

「はいマスター。」

しばらくおとなしく歩いていたが、だんだんマユユンがモジモジし始めた。

なんだ?マーキングでもしたいのか?

「マユユン?トイレに行きたいの?」

「そんなわけないじゃないですかぁ!」

「そうか?なんかモジモジしてるから。」

「マスターが離れるなって言うから、我慢してるんですよぉ。」

「そうか!偉いぞ!!」

俺は、マユユンの頭を撫でてやる。

「ううぅ……マスタァ、手を組んで良いですかぁ…」

リード線も無いからそれくらいは仕方ないかな。

「騒がないならな。」

てか、手の組み方なんて知らんがな!!

マユユンは俺の腕にすがり付く。てか、身長差があるので俺の肘から先にくっついている感じだ。

柔らかい感触はあるが…セシーならまだしも、マユユンの胸で当ててんのよ!!は、微妙だ。もちろん、悪い気はしないがな。

ただ、完全に俺の中で、マユユンはワンコだ。ワンコに欲情などするわけがない。

もし、異性を感じてたら、腕なんか組むなんてハードル高いこと出来ない。

コンビニ、ドラッグストア、スーパー等、あちこち説明しながら一回りした。

「マユユンは何が食べたい?」

「なんでも良いですぅ。」

うーん。セシーなら、大まかなリクエストをしてくれるから選びやすいんだがな。

「中華かラーメンかカレーのどれが良い?」

「引っ越し祝いもしましょうよぉ。」

それもそうかな。でも、どーしよう。

そうだ、セシーと寿司の後に行った居酒屋にしよう。あそこなら注文はタッチパネルだし、個室っぽくなってるから、俺のメンタル的にも耐えられそうだ。

「よし、じゃあちょっとおしゃれな居酒屋に行こう。」

「楽しみですぅ。」



着いた居酒屋の前でマユユンは言った。

「このお店、チェーン店だから群馬にも有りますよぉ。」

「そ、そうなんだ。」

ぬう。人生経験の差か!恥ずかしくなりさっさと階段を上がって居酒屋に入った。
しおりを挟む

処理中です...