朝目覚めたら横に悪魔がいたんだが・・・告白されても困る!

渋川宙

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第44話 奏汰にも意地がある

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 ネトゲはベヘモスに散々嘆かれ(嫌味ともいう)、ルシファーは遊ぶことを諦めた。しかし、魔界のダウンタウンには導入すると決め、サタンに報告したという。
「はあ。まさかベヘモスがあんなに口うるさいとは思わなかったな」
 買ったパソコンの一台は奏汰の書斎に設置、もう一台はサタン城に寄贈し終え、ルシファーはやれやれと溜め息だ。奏汰の書斎に入り込み、ソファでぐてんと伸びている。
 ここ、俺のプライベートな空間。
 とツッコみたい奏汰だったが、こってりとベヘモスに絞られたところを見ているため、今日ばかりは容認するしかない。
「仕方ねえんじゃないか。さすがに五時間もずっとやってたら怒るよ」
 奏汰は書斎のパソコンをカチカチと弄りつつ、ベヘモスの言い分が正しいからなと注意。
「怒られるものなのか。なるほど。で、奏汰はパソコンを弄ってるけど、ゲームじゃないのか?」
 ルシファーも意固地にゲームをやりたいと主張することなく、あっさり諦めて興味を奏汰に向ける。
「そりゃあそうだよ。向こうでの実験はお前のせいで失敗したってことみたいだけど、本当かどうか、ちょっとチェックしたくて」
「ん?」
 ルシファー、何を言っているんだと首を傾げている。それに奏汰はちょっとイラッとしたものの
「俺に化学者としての才能があるのか、チェックしたいの」
 と、はっきりきっぱり言っておいた。
「人間界に戻すつもりはない」
 それに対して、ルシファーは無駄なと鼻で笑ってくれる。が、これは奏汰としては譲れない部分だ。
「いいんだよ。こっちで錬金術やるから。でも、俺の実験の筋はいいのか悪いのか。それははっきりさせたいの」
 今ならばルシファーのせいに出来る。しかし、それを一生引きずっていくのかと思うと嫌だった。
 あの時、あの実験に失敗したから落ち込み、ルシファーという突飛な存在を受け入れてしまった。
 でも、きっかけが失敗のままだと、いつかルシファーを恨んでしまう。また前みたいに我慢できなくなって飛び出しちゃうかもしれない。
 そうなったら、今度は後悔しきれないほどのことが起こるかもしれない。
 それを避けるためにも、あの失敗に関しては綺麗さっぱり忘れたいのだ。
「奏汰。そんなに俺様のことを思ってくれているなんて」
 奏汰の説明にルシファーは感動している。が、奏汰は自分のためだからと顔を真っ赤にして主張。
「いやいや。だって、それって俺様を好きでいるためってことだろ」
「うっ、まあ」
「なるほどなるほど。で、その実験って何か必要なのか?」
 ルシファーは上機嫌で、必要な物を揃えてやるぞという。それに、奏汰はきらーんと目が光った。
「マジで」
「おう。今後はここで錬金術をやるんだったら必要なものでもあるんだろう。任せない」
 ルシファーは気軽に言ったが、それがとんでもない金額が必要だということを、この時は知らないのだった。
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