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第72話 魔界っていつ出来たんだろう?
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「そもそもベルゼビュートさんとサタンさんって、ずっと一緒にいるんですよね?」
温泉に浸かりつつ、なれ初めってどうなっているのかと奏汰は訊ねてしまう。
「ずっとというと違いますけど、この魔界が出来上がる頃には一緒にいましたね」
「へえ。魔界っていつくらいに出来たんですか?」
悪魔に関してそれほど詳しくないしと、奏汰はさらに質問。こういう確認をする時間がなかったから、まとめて訊いてしまう。
「キリスト教がヨーロッパを席巻してからですよ。悪魔というのは、結局のところ神と対立するものという意味ですからね。あの教義がなければ、我々も悪魔じゃないです」
ベルゼビュートは、色々と大変でしたと大きく伸びをする。なるほど、キリスト教がなければ悪魔はいなかったのか。それは不思議だ。
「ああ、もちろん他の教義であっても悪魔というのは発生しますけれどもね。でも、これほど爆発的に悪魔の数が増えたのは、あの教えのせいです。他を認めない一神教というのは、その他の神を悉く悪魔にしてしまいますし」
「はあ。今でも宗教対立してますもんね。何かと悪魔が増えそう」
「そう、それです」
おかげで魔界の整備も急ピッチでしたねとベルゼビュートは溜め息だ。
なるほど、人間界の影響をもろに食らうわけだ。悪魔がひょいひょい現われちゃうと、魔界も大きくなっていくというわけだ。
「ふん。じゃあ、ルシファーもその頃は真面目に働いてたのか? いや、今も真面目だけど政治方面って意味で」
あのルシファーも元は天使だもんなあと奏汰は首を捻る。どういう経緯なのか知らないけど、奴も天界から魔界へとやって来たわけだ。
でも、あの俺様男が天使。なんか想像できない。天界のことを中学校って言っちゃう男だぞ。
天使長だった頃から適度にサボってそう。
「政治方面は昔から適当ですよ、あの方は。しかし、サタン様をお慕いしているのは私と同様ですから、整備中は尽力してくださいましたよ。まあ、ルシファー様の適当部分を直すのは大変でしたけど」
「・・・・・・ベルゼビュートさん、ちょっと恨んでますね」
「まさか。ははっ」
「いや、完全な苦笑い」
こんな感じて、奏汰とベルゼビュートはお友達として仲良くなったのだった。
「遅い!」
が、そんな平和な会話が展開されているとは思わないのがこちらだ。
温泉を堪能するよりも悶々としてしまったルシファーたちはさっさと出てきたのだが、あの二人がなかなか温泉から出て来ない。ビール片手に待っているが、全然出て来ない。
「これはあれだな。奏汰とベルゼビュートの二人でお楽しみタイム中だな」
「ぐっ」
ルシファーの心配に油を注ぐのはもちろんサタンだ。
「おっ、綺麗どころが絡み合っているわけですね♪」
で、余計なことを言うのがルキアである。
おかげでルシファーはそろそろ我慢の限界に到達しつつあった。缶ビール一本分待ったが出て来ないなんて。絶対に何かやってる!
「許せん! 俺様を無視して温泉プレイを楽しむなんて!!」
もうこうなったらあの二人の入る温泉に突撃するぞ。ルシファーはバスローブを脱ぎ捨てながら走って行く。
「よし。堂々と行けるぞ」
「はい」
もちろん、サタンもルキアも追い掛けるのだった。
温泉に浸かりつつ、なれ初めってどうなっているのかと奏汰は訊ねてしまう。
「ずっとというと違いますけど、この魔界が出来上がる頃には一緒にいましたね」
「へえ。魔界っていつくらいに出来たんですか?」
悪魔に関してそれほど詳しくないしと、奏汰はさらに質問。こういう確認をする時間がなかったから、まとめて訊いてしまう。
「キリスト教がヨーロッパを席巻してからですよ。悪魔というのは、結局のところ神と対立するものという意味ですからね。あの教義がなければ、我々も悪魔じゃないです」
ベルゼビュートは、色々と大変でしたと大きく伸びをする。なるほど、キリスト教がなければ悪魔はいなかったのか。それは不思議だ。
「ああ、もちろん他の教義であっても悪魔というのは発生しますけれどもね。でも、これほど爆発的に悪魔の数が増えたのは、あの教えのせいです。他を認めない一神教というのは、その他の神を悉く悪魔にしてしまいますし」
「はあ。今でも宗教対立してますもんね。何かと悪魔が増えそう」
「そう、それです」
おかげで魔界の整備も急ピッチでしたねとベルゼビュートは溜め息だ。
なるほど、人間界の影響をもろに食らうわけだ。悪魔がひょいひょい現われちゃうと、魔界も大きくなっていくというわけだ。
「ふん。じゃあ、ルシファーもその頃は真面目に働いてたのか? いや、今も真面目だけど政治方面って意味で」
あのルシファーも元は天使だもんなあと奏汰は首を捻る。どういう経緯なのか知らないけど、奴も天界から魔界へとやって来たわけだ。
でも、あの俺様男が天使。なんか想像できない。天界のことを中学校って言っちゃう男だぞ。
天使長だった頃から適度にサボってそう。
「政治方面は昔から適当ですよ、あの方は。しかし、サタン様をお慕いしているのは私と同様ですから、整備中は尽力してくださいましたよ。まあ、ルシファー様の適当部分を直すのは大変でしたけど」
「・・・・・・ベルゼビュートさん、ちょっと恨んでますね」
「まさか。ははっ」
「いや、完全な苦笑い」
こんな感じて、奏汰とベルゼビュートはお友達として仲良くなったのだった。
「遅い!」
が、そんな平和な会話が展開されているとは思わないのがこちらだ。
温泉を堪能するよりも悶々としてしまったルシファーたちはさっさと出てきたのだが、あの二人がなかなか温泉から出て来ない。ビール片手に待っているが、全然出て来ない。
「これはあれだな。奏汰とベルゼビュートの二人でお楽しみタイム中だな」
「ぐっ」
ルシファーの心配に油を注ぐのはもちろんサタンだ。
「おっ、綺麗どころが絡み合っているわけですね♪」
で、余計なことを言うのがルキアである。
おかげでルシファーはそろそろ我慢の限界に到達しつつあった。缶ビール一本分待ったが出て来ないなんて。絶対に何かやってる!
「許せん! 俺様を無視して温泉プレイを楽しむなんて!!」
もうこうなったらあの二人の入る温泉に突撃するぞ。ルシファーはバスローブを脱ぎ捨てながら走って行く。
「よし。堂々と行けるぞ」
「はい」
もちろん、サタンもルキアも追い掛けるのだった。
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