いっぱい神がいる世界

1章 クローンは愛の対象になり得る

3話 望んでできないこと

　感情とは常に自分を優先するようにできている。ある一つの例外を除けば感情は全て自分中心。だが、その一つの例外を人はこういう。

愛だと。

「出ていって！」

　俺は、部屋から追い出された。まさか、クローンに追い出されるとは思わなかった。一般的にクローンは、感情が薄い。物として扱われているせいか感情を持つということはそれだけ辛い思いをするとわかっているからなのか。よくわからないが昔の奴隷というのもそういう感じなのだろう。まあ、感情はあった方がいい。俺は、あいつを笑顔にするのが目標なのだから。

もう、今日は遅いし寝るか～
あ、よく考えたら追い出されたからリビングのソファで寝ることになるのか。疲れてるのにか。てか、クローンにベッドを取られるってなんだよ！は～、別にいいか。ん？そういえばあいつ風呂入ってないよな？顔がいいから汚いの考えずにベッドに寝かせたんだった。は～明日、は洗濯して晴れだしシーツぐらい乾くだろう。

歯を磨くの面倒だな～歯磨き粉切れかけてるな。ストック買っておかないと。

にしても、俺がクローンもいける口の性欲の権化だっとは悲しいことを知ってしまった。まあ、クローンだとしても美少女だし人と変わらないから本能が反応したんだな。

　クローンは、30歳超えたぐらいの恋愛できないおっさんが社会のストレスをぶつけるためにいるイメージが定着し始めているから若い10代20代はブサイクなクローンには興味ないというのが今の世間常識となっている。

世の中の人間は、2種類の生き方をしている。目標のために行動する者。行動のために目標を作る者。目標なんて簡単に作れない高校生は、何となく大学に行く。俺みたいに。でも俺にもついに目標かできた。それは、あいつと話す事！

彼女いない歴＝年齢の俺にとっては相手がクローンだったとしても限りなく人間に近い性格をしていることから人間を相手にしているのと変わらない。実際、あのクズ女とは食事とデートをするサービスの奴に金を払ったようなものだ。

俺は、明日の目標を立てると眠りについた。

次の日

「ん～、あ～体がだるいな～。疲れが取れてないような気がする。あ、そうだった。俺は、あいつに部屋を追い出されたからソファでねだったったな。」

「おはようございます。朝の食事は、どうしますか？」と家のシステムが動き出した。今の時代、どの家にもついている自動給食システム。フリーズドライと冷凍食品でほとんどの調理が簡単に行えるようになったからドローンで補充も自動でされるからとても便利だ。

「そうだな～。うん、2人分用意して」

「わかりました。献立は、どうしましょうか？日替わりでいいでしょうか？」

「うん」

「3分後に調理完了します。献立は、卵スープ、サラダ、ウインナーとスクランブルエッグ。少し肥満気味ですがサラダか特製ドリンク……」

あいつとは、うまく話せる気がしないから食事でもしながら何か話せるといいな。

「うん、それでいいよ」

「かしこまりました」