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プロローグ

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俺の名前は影春俊一(かげはるしゅんいち)、高校生。妹と二人暮らしをしていて、両親は俺が中学を卒業後、亡くなってしまった。事故だったと、警察からは聞いている。妹はそのまだ小学一年生で言い出せなかった。さすがにこんなことお言ったら一生立ち直れないと思った。だから妹にはお母さん達は遠い所に行ったとだけ言ってなんとか切り抜けている。しかし、こんな嘘ではいつ知れるか分らないから、いつかは言わなければいけないだろう。
そう、その日はいつかは必ず来てしまうというのに・・・

ーある毎日ー

「ねーねっ、今日もお母さん達からメール来たよ!」
「あっ・・・ああ、よかったな」

今は親戚のおじさんが親の振りをしてくれている。おじさんは今世界を旅してまわっている。
申し訳ないと思ってはいるのだが、おじさんは笑顔で「ゆうちゃんの悲しい顔は見たくないからね」と言っては毎日こうして親の振りをしてはメールを送ってくれているのだ。

ちなみに妹の名前は影春夕陽(かげはるゆうひ)だ性格は明るくて気のいい可愛い妹だ。
勘違いする奴がいるかもしれないから言っておくが、俺は断じてロリコンではない。

「ねーねーお兄ちゃん。なんでお母さん達メールばっかりなんだろう・・。夕の声聞きたくないのかな・・電話してもいつも出てくれないの」

「ほ、ほらーお母さん達照れてるんだよ。だってさ、ずーとメールで話してたんだよ?声が変だったら困るじゃん(汗)」
「そっ、そっか・・きっと照れてるんだよね・・」

このままではまずい。もう妹も中一だ。流石にこのままずっとメールだと不審に思われてしまう。話をそらさないと・・


「な、なあ、最近おすすめのゲームとかある?」
「珍しいね。お兄ちゃんがゲームの話するなんて」
「えっと、テストも終わったし息抜きでもしようと思ってな・・・」
「そういうことなら、こんなのどう?」

『~魔法のリングドール~』


「なんだこれ?」
「これねー、結構昔に出たゲームなんだけどね、最近になってまた人気が出始めてるらしくて…、今ね、夕もしてるの!ほら!」

そういうと妹がスマホ画面を見せてきた。
そこのは妹のアバターと思われる女キャラが映し出されていた。

「へえ・・・って、え!?レベル1000っておま・・」
「あはは・・気付いたらこんなになってた(笑)」
「お前、勉強とか大丈夫なのかよ」
「なめないで、お兄ちゃんよりはできる」
「おれよりはって・・」
「まー、息抜きにはいいと思うよ」
「そっ、そうか・・」

一応インストールはしたものの・・これ女しか選べねえじゃん。
使用だから仕方いんだろうけど・・これしてる人何が楽しくてやってんだよ・・。
ってガチャ回すのに一回五千円て馬鹿にしてんのか!?
ぼったくりにも程があるというか・・

はあ、もういいや。それよりトイレ行こうっと・・。

そんなことより家族のこと、どう打ち明けよう・・はあー。

便座に座りながらゲーム画面を適当にタップしていると、ピピッという電子音が聞こえてきた。

(ん?なんか押して・・)

ピカァーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!!!

「なっなんだ!?急にスマホが光・・」

急に光りだしたスマホに驚いていると、画面から俺が作ったアバターそっくりの美少女が出てきた。そして出てきた美少女は…可憐で綺麗な妹似の美少女だった・・・。

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