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◆届けたい歌◆
◇波乱の手紙◇
しおりを挟む「……何これ。」
放課後、靴箱の中に『消えろ』と書かれた紙が入っていた。
「誰がこんな事…まじありえない!」
瑠奈が隣で怒鳴る中、わたしは犯人を消去法で探していた。
何か恨まれることした?
「とりあえず先生に!」
瑠奈はその紙を手にして歩きだそうとする。
それをわたしが必死で止めると、何で?と言いたげな表情を見せて止まった。
「先生には迷惑かけられない…」
「でも!!」
「大丈夫だから…。」
実際こんなのどうだっていい。
逆に、文句があるなら直接言いに来て欲しいくらい。
だから、気にしない…………。
大丈夫。
こんな事を先生に知られる方が嫌だ。
「瑠奈は茉莉の味方だからね?」
「うん、ありがとう…。」
「………………」
そんなわたし達を憎らしげな目で見ている人がすぐ近くに隠れてたなんて知らずに、わたし達は学校を出た。
◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇
次の日も、その次の日も…靴箱には『消えろ』と書かれた紙が入っていた。
わたしはまたか、と思いながらその紙をくしゃくしゃにしてゴミ箱に捨てた。
よく、こんな幼稚な事飽きずにできるよね。
理解できない。
わたしは全然気にしてなかった。
強いて言うなら隣の瑠奈の方が我慢の限界って感じだ。
「本当に誰なの?!絶対つきとめてやるんだから!」
「まあまあ…変に関わらなくていいよ…」
「納得できない!!!!!!!!!!!!!!!」
確かに、最近は本当についてない。
相変わらず先生は西条さんと登下校してるみたいだし、最近は昼休みも西条さんと一緒にいるらしい。
わたしなんかが入る隙間はないって思い知らされているみたい。
最初は、逆に諦めつくかもって思ってたけど…そう簡単には行かなかった。
嫌いになるどころか、話したくて話したくて…声を聴きたくて。
どんどん好きになっていく。
応援ありがとうございます!
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